last update: 20170426
【Index】
■告知(Announcement)
◆Garden #07 For Zine
日時:2017年4月23日(日)
時間:15:00〜20:00
トーク:17時〜 村上潔『ジンとフェミニズムの古くて新しい関係』
参加費:無料(1ドリンクのご注文をお願いします)
Garden For Zineはジンを囲んだゆるやかな集いです。ジン・ライブラリーとディストロ(SHE SAYS distro Pop-up shop)をオープンしてみなさんをお待ちしています。
この日は、京都から村上潔さんをお招きして17時からトーク・イベントも開催します。ジン・カルチャーとフェミニズムの関係を軸に、その歴史や様々な地域で展開する現行のジン・シーンについて映像を交えお話して頂きます。海外のジンを中心とした村上氏のジン・ライブラリーもオープンします。
問合せ
SHE SAYS distro(http://she-says-distro.blogspot.jp/)
she.saysdistro@gmail.com
【企画ページ】http://www.as-tetra.info/archives/2017/170423085445.html
◆趣旨(文責:村上潔)
19世紀の女性解放運動の印刷物、ウーマンリブのパンフレット、ガール(Grrrl)・ジン、そしてクィア(Queer)・ジン、WOC(Women of Color)・ジン。ジン・カルチャーとフェミニズムはずっと手を取り合いつつ、長い時代の道のりを歩んできた。ただそれは、一部の先進的・特権的な女性たちのみによってリードされてきたわけではない。驚くほど多くの地域において、多様な形態をとり、多様な主体によって、その歴史は積み上げられてきた。いまを生きる私たちは、それらと出会い直さなければならない。そして重要なのは、フェミニズム内部において、ジンを取り巻く文化的状況や差異の政治に対する的確な批判と、課題を乗り越えんとする挑戦的な試みがなされてきたことだ。その過程と意義は、広く共有されるべきものである。
このトークでは、主にライオット・ガール(Riot Grrrl)・ムーブメント以降の展開に注目して、フェミニズムがジン・カルチャーとどのように向き合い・進展させてきたのか、そしていまジン・カルチャーにどのような課題と可能性を見い出し、アプローチしているのか、を解説する。福岡でジンに関わる活動をしている人々各人が、新たな発見を得られる場になればと願っている。
村上 潔(むらかみ・きよし)
1976年、横浜市生まれ。湘南経由、町田市育ち。現在、立命館大学生存学研究センター客員研究員ほか。専門は現代女性思想・運動史。神戸市外国語大学での担当科目《ジェンダー論入門》では、2016年度に「Grrrl / Queer / Feminist Zines」というテーマで講義を展開した。2016年10月から、京都で毎月第2金曜日の朝に《Morning Zine Circle》を開催している。
My Page:http://www.arsvi.com/w/mk02.htm
Twitter:@travelinswallow
◇SHE SAYS distro(@SheSays_distro)
4/23 (日) 15:00〜20:00『Garden #07 For Zine』を開催します。この日は村上潔さんをお招きして、村上さんのジンライブラリーと17:00〜はトークもあります。https://twitter.com/travelinswallow/status/841288558996463616
[2017年3月14日9:52 https://twitter.com/SheSays_distro/status/841451922355769344]
◇SOUTH POP(@southpop)
次回のGARDENは4月23日(日)古門戸町テトラにて、京都から村上潔さんをお迎えし「ジンとフェミニズムの古くて新しい関係」をテーマにお話していただきます。
http://www.arsvi.com/2010/20170423mk.htm
[2017年3月14日12:26 https://twitter.com/southpop/status/841490647710289920]
◇SOUTH POP(@southpop)
フェミニズムのことはまだ勉強中ですが、この前まさこさんと話していて「自分のことを大切にする」ために知っておきたいことだなと思いました。村上さんのお話も、ジンライブラリーも楽しみです。ドリンク代だけなので、気軽に遊びに来てください。詳細はまたお知らせします!
[2017年3月14日12:29 https://twitter.com/southpop/status/841491502366830592]
◇SOUTH POP(@southpop)
ライオットガールを知った最初の入り口が福岡で活動していたベルターズとアコーリスで、海外のムーブメントを知ったのは少し経ってから。ガロリンズやラムステッド、ミワサチコさんのLOOP 01など、福岡で活動していた女性ミュージシャンの動向とも合わせて話せたら面白そう。
[2017年3月14日12:42 https://twitter.com/southpop/status/841491502366830592]
◇kiyoshi murakami(@travelinswallow)
4月23日(日)の福岡での「[Talk]ジンとフェミニズムの古くて新しい関係」、トーク内容の大まかな構成を掲載しました。http://www.arsvi.com/2010/20170423mk.htm#02
[2017年3月23日20:02 https://twitter.com/travelinswallow/status/844867040418541569]
◇SHE SAYS distro(@SheSays_distro)
『Garden#07 For Zine』
4月23日(日) at art space tetra
Open 15:00〜20:00
Talk 17:00〜 村上潔「ジンとフェミニズムの古くて新しい関係」
詳細 http://she-says-distro.blogspot.jp/
遊びにきてね。
[2017年4月12日8:49 https://twitter.com/SheSays_distro/status/851945413074722816]
◇SHE SAYS distro(@SheSays_distro)
週末4/23(日)の『Garden #07 For Zine』、今回は京都から村上潔さんをお招きして貴重なお話も聞けるのでぜひ〜。
art space tetra @artspacetetra にて。
15:00〜20:00 open
17:00〜19:00 talk 村上潔
[2017年4月18日14:18 https://twitter.com/SheSays_distro/status/854202332594135040]
◇art space tetra(@artspacetetra)
週末4/23(日)『Garden #07 For Zine』開催します。今回は京都から村上潔さんをお招きしてのトークもあります。15:00〜20:00 open
17:00〜19:00 talk 村上潔
http://www.as-tetra.info/archives/2017/170423085445.html
[2017年4月18日14:42 https://twitter.com/artspacetetra/status/854208555561267200]
◇SOUTH POP(@southpop)
今週日曜のGARDENでは、京都から村上潔さんをお招きしてジンとフェミニズムをめぐるトークイベントを開催します!… https://www.instagram.com/p/BTJhuM1DZgK/
[2017年4月21日22:24 https://twitter.com/southpop/status/855412035739373568]
■トーク内容(Contents of the Talk)+補足(Supplementations)
*掲載:2017/04/25(増補:2017/04/26)
◆私なりのFeminism+DIYカルチャーとの出会い[My encounter with feminism and DIY culture]
◇Electroclash(2000年前後)
・New Wave/Post-punk revival with feminism
・Chicks on Speed / Le Tigre / Peaches / Robots in Disguise etc.
→クラブシーンのDIY文化を再発見[Rediscovering the DIY culture of club music scene]
◆ジンの「起源」をめぐるフェミニズムの問題[The feminist issue over the "origin" of zines]
◇ジンの「正史」に見いだされる白人男性中心主義[White male centrism which is found in the "authenticated history" of zines]
◇アイダ・B・ウェルズ(1862-1931/アメリカの黒人女性解放運動家)の自主制作出版物[Ida B. Wells' indie publications]
*The issue raised by POC Zine Project
https://twitter.com/POCZineProject/status/811070896802775046 【訳】
◇ジンの歴史を書く/教える段階でフェミニズム的な批評・判断が必要[In aspects of writing/teaching the history of zines, we need to estimate critically from a standpoint of feminism.]
=文字通り「古くて新しい」問題[In literally "old and new problem"]
◇一握りの有名なフェミニストに功績を集約させない[Not consolidate achievements into a small handful of famous feminists]
*The issue raised by POC Zine Project
https://twitter.com/POCZineProject/status/851423789023940609
https://twitter.com/POCZineProject/status/85142397387116953 【訳】
=現在のシーンにも通じる課題[The issue still applicable to the current scene]
◆第2波フェミニズムと自主制作出版物[Second-wave feminism and self-publishing]
◇Women's liberation movement(1970s)
・スローガン:「個人的なことは政治的なこと」[A slogan: "The personal is political"]
=ジンの定義に引き継がれる[That continued in the definition of zines]
・『スペア・リブ[Spare Rib]』(UK)
・日本のウーマンリブ運動の自主制作出版物
cf. 村上潔 2014 「[連載]京都の女性運動と「文化」」(全3回)
・主婦を中心とした地域のサークル活動(学習・文学・作文)[Housewives-centered local group activities (learning/literature/writing)]
◇一部のメジャーな媒体以外、「歴史化」されずに失われていく可能性が高い。[The materials of this movement are likely to lose gradually without historicization except for some major mediums.]
→意識的にローカルな/草の根の制作物を「発掘」し「保存」し「評価」する必要性[It is necessary to consciously "unearth", "conserve", and "evaluate" the local/grass-roots indie publications.]
*公民館や地域の図書館の郷土資料室で[At a local collection room of a community center or local library]
*おばあちゃんの押し入れの中から[From within your grandma's closet]
=過去と現在をつなぐ[We can link the past to the present with that.]
cf. 西山敦子(DIRTY)×村上潔 20160331 「ジンを「わたしたち」のものとして生かすために――フェミニスト・ジンへのアプローチとその潜在的可能性」(特集3:フェミニスト・ジンの現在)立命館大学生存学研究センター編『生存学 Vol.9』生活書院,196-226.
◆第3波フェミニズム以降のジン・カルチャー[Zine culture after third-wave feminism]
◇ライオット・ガール[Riot Grrrl]
・"The Riot Grrrl Manifesto"(Kathleen Hanna)→「【翻訳】ライオット・ガール・マニフェスト」
cf. "Notes on Grrrl / Queer / Feminist Zines (6)"
*Part of the resources of Riot Grrrl movement is preserved in some university libraries.
ex. The Riot Grrrl Collection (The Fales Collection at New York University)
=The result of Riot Grrrl movement has come to be recognized academically and evaluated historically.
→The achievements of Riot Grrrl movement have significant impact on the present zine scene.
cf. "Notes on Grrrl / Queer / Feminist Zines (7)"
◇Girl zines in the Post-Riot Grrrl era
(1) Grrrl Zines A-Go-Go
・ジンおよびアーティストブック制作のワークショップ・グループ[A zine and artist book-making workshop group]
・女性たちの小さなグループ[A small group of women]
・特に、ジンおよびアーティストブックの制作を通じた十代の少女たちのエンパワーメントに重点を置いている。[They especially focus on the empowerment of teenage girls through the production of zines and artist books.]
cf. 「【翻訳】ジン・ワークショップ・ガイド+リソース――あなたが自分でジン・ワークショップ・グループを始めるためのヒントとコツ」
(2) Girls Rock Camp
・少女たちの自尊心を高める
・音楽の教育と発表、エンパワーメントと社会正義に関するワークショップ、肯定的な役割モデルの形成、コラボレーションとリーダーシップの能力習得、といったものが組み合わされた独自のプログラムを通して、彼女たちの声が表に出るようにする。["Girls Rock Camps help girls build self-esteem and find their voices through unique programming that combines music education and performance; empowerment and social justice workshops; positive role models, and collaboration and leadership skill building."](http://girlsrockcampalliance.org/about-2/about/)
・「メディア・リテラシー」のプログラムでジンの作成[A "Media literacy" program = Zine-making workshop](https://www.youtube.com/watch?v=ks5F0Xvyyw8)
cf. "Notes on Grrrl / Queer / Feminist Zines (8)"
◇Riot Grrrlを「乗り越える」[Beyond the Riot Grrrl]
・ライオット・ガール・シーンへの批判=人種/階級の限定性[Criticism of Riot Grrrl scene = Race/Class restrictions]
・近年の若い有色人種/労働者階級の女性/クィアによるジン[Recent zines published by young WOC(Women of color)/working class women/queer]
cf. "Notes on Grrrl / Queer / Feminist Zines (9)〜(11)"
◆フェミニズム/アナキズムからジン・シーンに架橋する課題[Issues which form a bridge between feminism/anarchism and zine scene]
◇脱植民地化[Decolonizing (your mind / zine history)]
cf. 「【翻訳】〈POC Zine Project〉のツイート(April 21, 2016):断章」/「【翻訳】ジンの歴史とその教育に関する〈POC Zine Project(@POCZineProject)〉のツイート(April 10, 2017)」
◇合意形成[Consensus decision-making]
◇セーファースペース[Safer Spaces]
cf. "Notes on Grrrl / Queer / Feminist Zines (13)"
◆質疑応答[Question and answer]
◇欧米と日本とのジン・シーンの土壌の差異[The differences of the conditions between Western zine scene and Japanese]
cf. 村上潔 20160331 「解題:いまフェミニスト・ジンについて考えること」(特集3:フェミニスト・ジンの現在)立命館大学生存学研究センター編『生存学 Vol.9』生活書院,188-194.
◇高校の美術の授業で(教員が)ジン作成を指導する際の注意点[Things to be careful of when leading a zine-making program in an high school art class]
cf. 「【翻訳】〈POC Zine Project(@POCZineProject)〉によるジン・カルチャーとアカデミアの関係に関するツイート(December 20, 2016)」/「【翻訳】ジンの制作と教育に関する〈POC Zine Project(@POCZineProject)〉のツイート(April 9, 2017)」
◇ジンの制作・流通において資本主義的な「戦略」を使用することの是非[About the pros and cons of using capitalistic "maneuvers" in making and distributing zines]
cf. 「【翻訳】ジンとお金(ビジネス)に関する提言――〈Northwest Zinefest〉・Holly Casio・〈Lincoln Zine Fest〉のツイート(March 7, 2017)」
◇ジン「について」どのように書くのがよいのか[How we can/should write "about" zines in an appropriate manner]
cf. 村上潔 20160424 「西山敦子「震える指先」に寄せて」
cf. 中村佑子+西山敦子 20170306 「[食卓でエクリール 拡大版]日記にまつわる交換日記」『すばる』39-4(2017-04): 222-230
◇kiyoshi murakami(@travelinswallow)
一昨日のトーク終了後、「ジン「について」どのように書くのがよいのか」という質問を受けました(http://www.arsvi.com/2010/20170423mk.htm#02)。私なりの回答は、こういう「姿勢」で模索していくなかで各人が見いだす、ということになります。→http://www.arsvi.com/2010/1604mk7.htm
[2017年4月25日23:40 https://twitter.com/travelinswallow/status/856880482981625861]
◇kiyoshi murakami(@travelinswallow)
>続>この難題についてとても大きな示唆を与えてくれる最近の文献として、中村佑子+西山敦子「日記にまつわる交換日記」(『すばる』2017年4月号:222-230)があります。私はこれを読んで大いに励まされ、新たな視点を獲得できました。https://twitter.com/travelinswallow/status/856880482981625861
[2017年4月25日23:50 https://twitter.com/travelinswallow/status/856883132057829378]
■主催者によるレポート(Organizer's Report)
◇southpop(Art Space Tetra)
southpop:昨日のGARDEN、お越し下さった皆さまありがとうございました! 写真は、ビキニ・キルのキャスリーン・ハナが「ライオット・ガール・マニフェスト」を読み上げている映像。ジンやフェミニズムのことを知らなかったとしても、ここで語られる彼女の言葉には男女問わず勇気づけられると思います(村上潔さんのサイトで翻訳が読めます)。村上さんのトークはライオット・ガールのようなムーブメントだけでなく日本の公民館の一角で細々と作られていたミニコミまで、丁寧に拾い上げながらノンストップで語り続ける2時間。その後の質問コーナーも面白かった! 殆どの人にとってこういうテーマの話をがっつり聞く事は初めてだっただろうし、これをきっかけにまた色んな芽が生まれそうな予感もしていて、この日の一員として参加できて嬉しかったです。
[2017年4月24日 https://www.instagram.com/p/BTRE8hTjglj/]
■参加者の感想・レポート(Participants' Feedback/Report)
■関連情報(Related Information)
◇神戸市外国語大学2016年度前期科目《ジェンダー論入門》“Grrrl / Queer / Feminist Zines”(担当:村上潔)
◇MURAKAMI Kiyoshi, April 2016 - August 2016, "[Serial Publication] Notes on Grrrl / Queer / Feminist Zines"
◇翻訳(村上潔)
◇MURAKAMI Kiyoshi 20160923 "Report: ASIAN ZINESTER ASYLUM (September 13, 2016 / Shinjuku, Tokyo)"
◇行司千絵(記者) 20161012 「自身の思いつづる「ZINE」――歴史的背景や意義探る:中京で14日」,『京都新聞』朝刊23〔地域〕面 *村上潔への取材記事
◇2016/10/14−(毎月第2金曜日) 《Morning Zine Circle》
10:00〜11:00 於:Cafe Phalam(カフェパラン)
◇2016/11/20 「[Lecture & Workshop]ZINEを通して学ぶこと・できること――思いをシェアする/運動を知る/文化をつくる」
14:00〜17:00 於:ナゴヤ駅西 サンサロ*サロン
◇2017/01/29 「[Lecture & Workshop]アクティヴィズムとZINE――マージナルな立場からの発信とその共有」
14:00〜16:00 於:京都YWCA
◇2017/02/04 「[Talk]ZINE・ラジオ・都市空間――DIY文化の「場」」
20:15〜20:45 於:LOSER
◇2017/04/07− 神戸市外国語大学2017年度前期科目《ジェンダー論入門》「女性がつくる自律的文化シーン――メディア・空間・アクティヴィズム(Women's Autonomous Cultural Scenes: Media, Space, and Activism)」(担当:村上潔)
◇2017/04/13 「[Lecture]Zine制作ワークショップ運営にあたって注意すべきいくつかの事柄」
13:10〜14:40 於:同志社大学今出川キャンパス クラーク記念館CL25教室
◇2017/05/20 「[Zine Talk]イギリスにおけるジン・フェスト/ジン・ライブラリー/ジン関連プロジェクトの概要」
16:00〜16:30 於:三島市民生涯学習センター 5F 手芸室
*作成:村上 潔(MURAKAMI Kiyoshi)
UP: 20170313 REV: 20170314, 23, 0403, 18, 22, 25, 26