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「精神保健福祉法改正案に対する声明文」

特定非営利活動法人こらーるたいとう, 20170408.

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last update:20170409


2017年4月8日

精神保健福祉法改正案に対する声明文

特定非営利活動法人こらーるたいとう

特定非営利活動法人こらーるたいとうは、精神障害本人を中心にした自立生活センターを設置運営している団体です。DPI日本会議、全国自立生活センター協議会に加盟しています。
私たちは、精神保健福祉法改正案に反対し、政府に強く抗議します

1.精神保健福祉法改悪案は精神障害がある人々への政府からのヘイトクライムです。
 今回の改正案は、『相模原障害者殺傷事件』のような事件の再犯防止を理由にしている。事件2日後、安倍首相は、関係閣僚会議を開いて「措置入院のあり方を検討」するよう指示した。そして厚生労働省内に「検討会」が設置された。然しA被告は「完全なる責任能力がある」として2017年2月24日起訴された。この事件は何故起きたのかということを政府は真正面から究明することを回避している。著しく精神障害者の人権を侵害し、精神障害者に対する差別・偏見を助長するものだ。
 大阪教育大学付属池田小学校児童殺傷事件を契機に、精神医療保健福祉が社会防衛に傾いた為に心神喪失者等医療観察法は成立した。しかしB被告はこの法律の対象者ではなく、死刑判決が下り、死刑が執行された。実に今回の「相模原障害者殺傷事件」を契機に、精神保健福祉法を改悪したい政府のやりかたに酷似している。だからこそ、昨年7月26日からこうなることを恐れて、『相模原障害者殺傷事件』の本当の原因である『優生思想』と私たちは多くの人々と連帯して闘ってきたのである。

2.精神医療を治安目的に利用することは絶対に許されません。患者と治療者との治療関係・信頼関係を根底から崩すものです。私たちはどこで精神病や精神障害を治療したらよいのですか。
 措置入院制度を強化し、精神医療を治安目的に利用し、精神医療の強制化・監視化を強めるものである。強制入院を原則として禁止する障害者権利条約に違反している。また「精神保健を根拠とした拘禁あるいは精神保健施設への監禁、そして当事者の自由なインフォームドコンセントなしの精神保健分野におけるいかなる強制的介入あるいは障害者の施設収容を正当化している法制度は改正または廃止されなければならない」という世界の流れに逆行するものだ。安心して治療を受ける権利が患者にはあり、治療者は患者の人権を守らなくてはならない。「精神保健福祉法は精神障害者本人の利益を図るもの」という精神保健福祉法の根幹をも瓦解するものである。

3.社会的入院者の地域移行・定着支援こそ推進する責任が国にはあります。私たちは「重度かつ慢性の基準化」は断じて容認できません。
 「精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築に向けての入院需要および基盤整備量の目標」として厚生労働省は「平成37年までに『重度かつ慢性に該当しない』長期入院精神障害者の地域移行を目指す」と明言している。これは「重度かつ慢性に該当する」精神障害者は一生精神科病院に入院させる」ということに他ならない。その人数は入院者の6割とも推定される。30万人の精神科入院者のうち20万人が1年以上の入院となっており、年に1万人の患者が死亡しているというわが国の精神科医療の実態を放置する政府の極めて重大な責任のがれを断じて許してはならない。こうした多くの精神障害者の人生といのちの切捨てようとする政府の動向にこそ、「津久井やまゆり園事件」が発生した原因があるのではないだろうか。政府の動向とA被告の犯罪は、重なって見える。

特定非営利活動法人こらーるたいとう
〒131−0033
墨田区向島3−2−1向島パークハイツ1階
電話:03−5819−3651
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メールアドレス:koraru@mub.biglobe.ne.jp


*作成:伊東香純
UP:20170409 REV:
精神障害/精神医療:2017  ◇障害者と政策:2017  ◇介助・介護  ◇病者障害者運動史研究   全文掲載
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