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Zine Reviews(2015/12〜2016/01)

村上 潔MURAKAMI Kiyoshi) 2017/02/17

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last update: 20170218


■kiyoshi murakami(@travelinswallow)
https://twitter.com/travelinswallow

◆2015年12月15日
◇おとといのジンギャザでお迎えしたジンたちを、これから少しずつレビュー(というか紹介というか感想メモというか)していきますね。
[posted at 22:23:21 https://twitter.com/travelinswallow/status/676754420521021441]
◇【ジンレビュー】Mayumi GO『TORA DAYS』:寅さんとの出会い、寅さんに惹かれる理由、おすすめ作ベスト3など、寅さん愛あふれる小品。さくらのルーティンなアクションに愛情を読み取る作者の鋭感が印象的。「どうしようもないパンクな寅さんだけど愛があるんだよな」に涙腺緩む。
[posted at 22:42:57 https://twitter.com/travelinswallow/status/676759351038578688]

◆2015年12月16日
◇【ジンレビュー】Yoshida Hazuki『記憶 Street View』:感情の記録ではなく、暮らしていた空間を記憶から再構築する試み。記憶地理学。図像の定着・平板化とは正反対の行為。「あった空間」に人と営みを再配置する。失われた土地の記憶を取り戻す。生かし続けるために。>続
[posted at 21:20:40 https://twitter.com/travelinswallow/status/677101032913039360]
◇【ジンレビュー】Yoshida Hazuki『記憶 Street View』:続>土地と人と営みが失われた/奪われた哀しみと困惑が、この地理的実践の背景にはある。「大企業の思想と土・水・草木・獣らに培われた土地の思考が繋がらない」との指摘は白眉だ。土地を取り戻す摸索は個の抵抗だ。
[posted at 21:25:22 https://twitter.com/travelinswallow/status/677102212808503296]

◆2015年12月17日
◇【ジンレビュー】碧衣スイミング『めざせ、毎週ハーゲンダッツ――ラインのスタンプ案!!』:ラインやってないので使用価値はいまいちわかりません。すみません。好きなスタンプは40番の「ラインでする話か?」、使いたいのは11番の「はいはい」です。無事リリースできることを祈ってます。
[posted at 18:53:30 https://twitter.com/travelinswallow/status/677426382763257856]
◇【ジンレビュー】夕タン『よっちの降車駅』:電車の走行音が「ゴトリゴトリ」で、何か不穏なことが起きそうな予感が引き起こされるが、特にそんなことはない。第15話、並走する電車が分岐していく俯瞰に、少し感傷的になる。でもきっと明日の朝の電車に乗る頃にはそんなことも忘れているんだろう。
[posted at 18:59:50 https://twitter.com/travelinswallow/status/677427977148207104]
◇【ジンレビュー】夕タン『健忘よっち』:なんといっても“鮒唄”の歌詞がよい。口ずさみたくなる。リンスを買い忘れるくだりでは、太田裕美“葉桜のハイウェイ”の「かどのお店でシャンプー買わなきゃ」を思い出した。裕美はちゃんと買えたのだろうか。あと冷蔵庫のメモ貼りが最下部にあるのは画期的。
[posted at 19:05:21 https://twitter.com/travelinswallow/status/677429365567676416]

◆2015年12月24日
◇【ジンレビュー】夕タン『よっちのおべんとう』:まず表紙写真のキャラ弁、よく見るとディテールがすごい。めっちゃ手間かけて作ったお弁当を無造作にファッションブランドの紙袋に入れちゃうところとか、リアリティがある。休日の朝起きて昨日の(食べなかった)お弁当を広げてご満悦、の場面が好き。
[posted at 02:18:35 https://twitter.com/travelinswallow/status/679712718492811267]
◇【ジンレビュー】『なでスポ』12月13日号:メジャーへの対抗心としてでなくインディーの選手・興行への愛着を自然に表現している。女子レスラーでも「プ女子」でもないかたちで、女性がどうプロレスの世界に日常的にコミットしていけるのか、という課題設定は、普遍的に難題だがゆえに貴重なもの。
[posted at 23:30:23 https://twitter.com/travelinswallow/status/680032777106927616]

◆2015年12月31日
◇【ジンレビュー】haney.d『心の庭とその番人 VOL.3』:鑑賞した舞台の感想、自分の病気、人の服装から感じた些細なこと、いなくなった人への追想。ページをめくるたび話題は変わるが、低めの平熱な語り口が一貫している。イラスト入り人間観察録「高円寺は夜の7時」には心が温かくなる。
[posted at 23:36:54 https://twitter.com/travelinswallow/status/682571133984440320]

◆2016年1月1日
◇【ジンレビュー】haney.d『心の庭とその番人 VOL.4』:全体的に前号より混沌とした構成になったが、逆に流れるようにスピーディーな展開として読める。演劇を観ているような感覚だ。著者の一人語りなのに、散らばった言葉が複数の誰かの台詞のように見えてくる。街の小さい囁きの重なり。
[posted at 00:31:41 https://twitter.com/travelinswallow/status/682584922289127427]

◆2016年1月2日
◇【ジンレビュー】haney.d『心の庭とその番人 VOL.5』:今号はファンジン的色彩が強くなっているものの、追いかけるアーティスト自体の情報よりも、そのアーティストに惹かれアプローチする自分の心構えや葛藤の反芻のほうに重きが置かれている。「ファンジンを作ること」の実験のような。
[posted at 00:03:11 https://twitter.com/travelinswallow/status/682940135747420160]

◆2016年1月3日
◇【ジンレビュー】『SATURDAY SUNDAY』vol.1:自分の絵日記のダイジェストを、補足記述+追加イラストを加えつつ提示するスタイル。自分の行動や思いを振り返り、再確認し、客観視するツールとしてジンが機能している。と同時に、それがきちんと他者が楽しめる読み物となっている。
[posted at 22:51:14 https://twitter.com/travelinswallow/status/683646805892968448]
◇【ジンレビュー】『ぼんぽるか』最終回:詩・エッセイ・小説・イラスト・漫画がアンソロジー的に混在する形態。随所に言語論的実験精神が発揮されるが、そうした前提なしの投げかけも、後ろのページである程度回収が図られている点は興味深い。[わたし−あなた]の「対話」を脱人称化する試みの一環。
[posted at 22:59:02 https://twitter.com/travelinswallow/status/683648767266914304]

◆2016年1月6日
◇【ジンレビュー】『한국이 원조?!(韓国にルーツがある?!)』:九州の名物料理や方言のルーツを図解で解説。日韓両国語併記で、韓国語にはカタカナがふってある。楽しい単語帳感覚。裏表紙には、対馬を中心にして、西を上にした、九州−朝鮮半島が横に並ぶ地図。網野善彦氏的理解の地域交流概念。
[posted at 01:45:04 https://twitter.com/travelinswallow/status/684415325442449408]
◇【ジンレビュー】呉真由美『Diary and Drawing』:3年分の日記からの抜粋。手書きの日記帳の写真を収録。「誰かに伝えるためではない絵や言葉」の並びゆえ、読者は自然と著者が各日を選んだ際の感覚に思いを寄せる。何気なく過ぎた日常と身近な人への愛着を再認識した痕跡が仄かに。
[posted at 02:13:49 https://twitter.com/travelinswallow/status/684422562151968773]


*作成:村上 潔MURAKAMI Kiyoshi
UP: 20170217 REV: 20170218
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