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レビュー:《FOuR DANCERS vol.60》

村上 潔 2017/01/20

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last update: 20170120


*以下、当日の公演順。

◆山口惠子
発語と音の複数性が主題。
擬音と指示語がともに徐々に数を増していくにつれ、一致と不一致の混在が露わになる。
意味は相対化され、言語不在の不安と葛藤が主体を蝕む。
言語からの自立性を模索する方向性は見出せるが、最終的には意味を求めてしまう姿勢も窺わせる。
整合性をつけようとせず、徹底的に言語・意味を突き放して終わってもよかったかと思う。

◆帰山玲子+やぶくみこ(音)
東アジアを思わせる嫋やかな調べ。大陸的な流れの揺れ動き。
少しのインターバルののち、より「地」を意識させる姿勢に。
古層に引き寄せされるように。
軽い酩酊感をともないつつ。
だんだんと身体の中に力を閉じ込めていく。
全体として自我を感じさせないストレートな展開が潔い印象。

◆今村達紀
雑踏のなかでの足運び・着地点探しを局所的にリプレイしているかのようなムーブ。
無自覚的なスペースのとりかたの作法を意識化して・可視化して・解析してみせる。
人工と野生の境界領域をトレースするような試み。

◆木村英一+めめとウエッコ
1920年代のパリの下町・裏通りの酒場に飛び込んだような心地。
終わりから逆算して見る愛おしい夢物語の断片。
新年の喧騒もとうに過ぎた平日の夜にひそやかに楽しむヴォードヴィル。
マッチの灯のごとき暖色の追憶。

■FOuR DANCERS vol.60
2017/01/17 (tue) at UrBANGUILD
・木村英一+めめとウエッコ
・今村達紀
・帰山玲子+やぶくみこ(音)
・山口惠子
http://urbanguild.net/ur_schedule/


*作成:村上 潔MURAKAMI Kiyoshi
UP: 20170120 REV:
全文掲載
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