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レビュー:《FOuR DANCERS vol.59》

村上 潔 2017/01/10

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last update: 20170110


■kiyoshi murakami @travelinswallow

《FOuR DANCERS vol.59》北島章子+江南泰佐:シャープな陰影を強調した、モダン・ノワールな導入。その過剰な耽美的形式主義が、ひずんだノイズ・環境音が持続する時間を媒介として、徐々に日常性へと接近していく。ヒューマニティの裏道を通して進めるパーソナリティへの回帰。
(2017年1月10日0:39 https://twitter.com/travelinswallow/status/818482264191270912)

《FOuR DANCERS vol.59》池端美紀+遠藤僚之介:追う・追われる/抜く・抜かれる、つねに横並びで前後を競い合う激しく動的な関係。それが一転し静的な平行関係となることで、肉体の反応における差異が一際明確に提示される。並列・共時性=親密性と、断絶の線とが共存して浮かぶ。
(2017年1月10日0:48 https://twitter.com/travelinswallow/status/818484591312801792)

《FOuR DANCERS vol.59》黒子沙菜恵:借り物のような奇妙な息遣いと声、意味をもたない言語。動きや意味よりも音を発すること自体が重視される。それは、いなくなってしまったある音楽家の所作の記憶をたぐり寄せ、過去に同じステージに鳴った音を、いま踊り手が鳴らす行為だった。
(2017年1月10日0:57 https://twitter.com/travelinswallow/status/818486946758467584)

《FOuR DANCERS vol.59》Heidi S. Durning+ryotaro:アンビエントな音の奏でに乗り、モダニスティックにサンプリング・リエディットされた能/舞踊のムーブが駆動する。水の流れのような、緩やかな反復。ミニマルでありながら茫洋たる豊かさを湛えた表現。
(2017年1月10日1:08 https://twitter.com/travelinswallow/status/818489510170198016)

《FOuR DANCERS vol.59》:4組の公演から共通して見出せた点は、混乱と喪失の渦中にあり、その環境に翻弄される個人が、取り巻くノイズを外部化しつつ、自己と関係性に内在する無の状況をあぶり出し自覚化する意志と過程の重要性だった。この年の始まりにふさわしい内容であった。
(2017年1月10日11:20 https://twitter.com/travelinswallow/status/818643753443303424)

■FOuR DANCERS vol.59〜no smoking〜
2017/01/09 (mon) at UrBANGUILD
・Heidi S. Durning + ryotaro(sound)
・黒子沙菜恵
・池端美紀 + 遠藤僚之介
・北島章子(SOUP) + 江南泰佐
・照明:今村達紀
http://urbanguild.net/ur_schedule/


*作成:村上 潔MURAKAMI Kiyoshi
UP: 20170110 REV:
全文掲載
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