私たち、全国「精神病」者集団は、精神障害者個人及び団体で構成される全国組織です。このたび、相模原の障害者施設で発生した連続殺人事件で亡くなられた方に心からご冥福をお祈りするとともに、被害に合われた方々が1日も早く回復されることを願っております。
相模原の施設で発生した殺人事件について、マスメディアは容疑者に措置入院歴があったことを報道し、政府は措置入院見直しのための有識者会議の設置を決めました。これに対して容疑者に精神障害があったかなど事実関係の把握を待たない設置の判断が軽率であるとの批判が高まりました。しかし、政府は当該検討チームを予定通り設置し、かつ当該検討チームの中で事実関係の把握をおこなうこととしました。措置入院の見直し・施設管理の見直しという方向性が既に決められている結論ありきの状態で、一体どのようにして事実関係の把握が可能になるのか全くもって理解できません。また、当該検討チームは非公開とされていますが、事実関係の把握も含めて私たちに知らされないまま私たちのことが決められていくことに強く懸念します。
当該検討チームの設置は、措置入院からの退院を困難にし、精神障害者を治安の対象とみなす社会が促進されることで、地域で暮らす精神障害者への差別、偏見が助長されるのではないかと深刻に憂慮します。
私たちは相模原市の障害者支援施設における事件の検証及び再発防止策検討チームの設置とその持ち方に対して、強く遺憾の意を表します。
2016年8月10日
全国「精神病」者集団
〒164-0011 東京都中野区中央2―39―3絆社気付
*作成:桐原 尚之