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神奈川県相模原市障害者施設殺傷事件に対する声明

日本精神科病院協会 2016/08/04

7.26障害者殺傷事件

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神奈川県相模原市障害者施設殺傷事件に対する声明

 平成28年7月26日未明、神奈川県立津久井やまゆり園において、入所中の知的障害者が元職員に襲われ19人が死亡し20人を超える方々が負傷するという痛ましい事件が発生しました。お亡くなりになられた方々に対して衷心よりご冥福をお祈り申し上げますとともに、負傷された方々に心よりお見舞いを申し上げ、一日も早い回復をお祈りいたします。
 現時点においては事件の全容は明らかではなく、今後の捜査を待たなければなりませんが、報道によると容疑者は昨年末障害者の殺害をほのめかす発言があり、本年2月には14日、15日の両日にわたり衆議院議長公邸を訪れ、やまゆり園を名指しした今回の事件の犯行予告ともとれる内容の手紙を手渡しています。さらに2月18日には施設職員に「重度障害者を殺す」との発言を行い、津久井署員の通報により2月19日に緊急措置入院、2月22日に措置入院に至り、その後「他人を傷つける恐れがなくなった」との指定医の判断で措置解除がなされ、退院となっています。
 平成28年7月29日、厚生労働省は措置入院をめぐる経緯を調査するため、被疑者が措置入院していた病院に対し立ち入り調査を行い、検証と再発防止の検討を行う意向を示しています。
 今回の事件に対してさまざまな立場から多くの意見表明や議論がなされていますが、日常的に措置入院患者を受け入れている日本精神科病院協会としては今後二度とこのような悲惨な事件が生じないように、十分に人権擁護に配慮した措置解除後のフォローアップ体制の充実を含め制度の見直しが早急に必要であると考えます。
 現在、精神障害者の地域移行の推進のために精神科病院はさまざまな努力を行っています。今回の事件が地域移行の流れを阻害し、精神障害者への偏見を助長することのないように、そして精神障害者と地域がともに安心かつ安全な生活を実現するために、厚生労働省をはじめ当事者、障害者団体、精神保健医療福祉関係者、マスメディア等の団結が望まれます。

平成28年8月4日
公益社団法人 日本精神科病院協会
会長 山崎 學


UP:20160813 REV:
7.26障害者殺傷事件  ◇日本精神科病院協会  ◇全文掲載
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