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障害者支援施設での惨烈な事件について(声明)

2016年7月29日 一般社団法人全国知的障害者施設家族会連合会

相模原市の障害者施設で入所者19人刺殺

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障害者支援施設での惨烈な事件について(声明)
2016年7月29日
一般社団法人全国知的障害者施設家族会連合会
理事長 由岐透


 7月26日未明、神奈川県相模原市の障害者支援施設で起こった惨烈な事件は日本全国に大きな衝撃が走りました。とりわけ障がいのある当事者や家族、関係者の受けた衝撃、深い悲しみと非道な行為に対する憤怒の念が込みあげてきます。
 犠牲となった知的障がいのある当事者、そのご家族に哀悼の意を表するとともに、重軽傷を負った方たちの一日も早い回復を祈ります。
 容疑者が衆議院議長公邸宛に書いた手紙には「障害者は人間としてではなく、動物として生活を過しております。」、「私の目標は重複障害者の方が家庭内での生活、及び社会活動が極めて困難な場合、保護者の同意を得て安楽死できる世界です。」と書いています。この文章は知的障がい者を人間と認めず、社会的生存権を否定し、家族に安楽死の同意を求めています。
私たちはどんなに重い障がいをもっていても、この社会に人間らしく生きる権利をもっていると考えます。我が国は憲法もそれを保障しているのです。また、障がい者権利条約に2007年に賛成署名をし、2014年2月批准しています。障がい者の安楽死を認めよとは言語道断の身勝手なドイツのヒットラーにも似た考えです。 
 重度心身障がい児(者)の父と言われた糸賀一雄先生は「この子らに光を」ではなく、「この子らを光に」と言われました。それはこの子らは存在によって人間性の在り方や社会の歪みを写し出し、友愛に満ちた社会の実現を声なき声で願っているからでしょう。世界中どこの国にも貧富の差や身分の上下に関わりなく、障がい者は生まれ存在しています。アメリカの有名な障がい者であったヘレン・ケラーは「障害をもつことは不自由であっても不幸ではない。不幸にしているのは社会の差別だ」との名言を残しています。
 この事件は、精神異常者よる殺人事件であるかもしれませんが、人の命の大事さを実感できる障害者支援施設で働いていたにも関わらず恐るべき社会観が醸成された計画的大量殺人の実行であることを直視し、政府、政治家・障がい者とその家族や一般国民にも警鐘をならしていると考えます。
 私たち知的障がい者の家族は、わが子らに支援をしていただく方々のご協力を得ながら必死にその命を守っています。
 最後に今回の容疑者のような危険思想が社会に生まれ、蔓延してはならないことを願う次第です。

*作成:桐原 尚之
UP:20160811 REV:
相模原市の障害者施設で入所者19人刺殺  ◇全文掲載
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