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「設立趣意書」

認知症医療の充実を推進する議員の会 201405 

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last update: 20160221


「認知症医療の充実を推進する議員の会」設立趣意書

2014年5月
 わが国においては、人類史上未曾有の超高齢社会が進行しつつあり、これまでの不十分な認知症有病率調査データに基づいた推計以上の高齢者認知症の大幅な増加が予測されています。このため、高齢者認知症に対する医療介護は国民にとって極めて喫緊かつ重大な問題となっています。しかしながら、生産年齢人口の減少による地域介護労働力の低下、高齢者夫婦のみ・単独所帯の増加、家事を担ってきた女性の就業率上昇による家庭の介護力の低下などにより、地域・家庭の介護は困難となりつつあり、とくに家庭の介護負担は過酷となりつつあります。
 一方、高齢者認知症は進行性の神経変性疾患であり、また身体合併症の頻度も高く、急性憎悪や在宅生活を困難にする重度の症状と問題行動など地域ケアのみでは治療困難である場合も多くみられ、入院医療のサポートがなければ持続可能な地域ケアは成立しません。介護施設においては処遇困難な重度患者の入所がみられることがあり、これが高齢者虐待の温床となっています。また、良質でない業者の参入による火事などの事件、事故の頻発がみられます。
 さらに、2007年に愛知県大府市で、認知症患者が自宅を出て徘徊中に電車にはねられて死亡した事例で、本年4月24日に名古屋高裁において、自宅で介護を行っていた妻に対し「監督義務者」としての損害賠償が認めるとする控訴審判決がなされました。単なる一事例にとどまらずわが国の認知症対策のあり方を根底から考えるべき、まさに国民的課題であると言えます。
 地域包括ケアシステムが成り立つためには、疾患の本質を正確に認識し、介護に偏重せず、早期診断、早期介入から始まる医療と介護、施設ケアと地域ケアをシームレスにつなぐ循環型医療介護システムの確立が必要です。「医療から介護へ」・「施設から地域へ」というスローガンはそれぞれ不可分なケア相互の補完性を軽視しており、シームレスな医療と介護の連携を阻害する可能性があることが懸念されます。すなわち、認知症に対するニーズの増大とサポート力の低下の状況にあっては、その質の向上と効率化を図りながら入院医療と地域医療介護との連携を図る循環型医療介護連携システムが求められます。
 これまでの介護に偏重した認知症施策を是正し、国民とりわけ認知症患者に被害を及ぼさない政策立案を目指し、「認知症医療の充実を推進する議員の会」を立ち上げることとします。
 本趣旨をご理解の上、是非ともご入会を賜りますよう、心からお願い申し上げます。
◆2015/08/25 第4回総会
http://www.ishii-midori.jp/nts/2015/08/post-857.html


*更新:小川 浩史
REV: 201510, 20160221
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