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生存学 E-mail Magazine No.27

2012年10月31日
[Korean]


立命館大学生存学研究センターでは、メールマガジン韓国語版を定期的に配信し、情報発信、研究交流に努めていきます。

□目次

1 【上野千鶴子・本学大学院先端総合学術研究科特別招聘教授からのメッセージ】
2 【2012 障害学国際セミナーin Korea】
3 【研究の現場】

【1】上野千鶴子・本学大学院先端総合学術研究科特別招聘教授からのメッセージ

生存学研究センターでは、生存学のさらなる発展に向けて新たなスタッフを迎え入れています。今回は本学大学院先端総合学術研究科特別招聘教授、上野千鶴子のメッセージを掲載します。

長い間、ジェンダー研究をやってきました。それから福祉に足を踏み入れました。ジェンダーの分野ではパイオニアですが、福祉業界では新参者でした。驚いたことのひとつが、福祉の分野の多くは女性の手によって支えられているのに、ジェンダーの視点があまりないことでした。他方、福祉の世界に入ってみたら、高齢者は障害者についてよく知らず、障害者は高齢者についてよく知らないこともわかりました。障害者のあいだでも、身体、知的、精神と細分化していました。

社会的弱者と言われるひとたちはたくさんいるのに、思いのほかそのあいだに交流が少なく、また行政のタテワリに劣らずたこつぼ化している状況があります。マイノリティ同士が連帯するというのは、口で言うほど容易ではなさそうです。それでも障害者も高齢化しますし、加齢に伴う病気にもなります。だれでも高齢化は避けられませんし、そのなかには、半身麻痺や言語障害、視覚障害などの中途障害もあれば、認知症のような知的障害も含まれています。

「マイノリティは互いにもっと学びあえるはず...そう考えて『当事者主権』(中西正司と共著、岩波新書、2003年)を書きました。「当事者」というキーワードは、研究の性格も変えていくはずなのです。そのためには立命館大学先端総合学術研究科という場は、ベストの環境だと信じています。

◇上野 千鶴子(うえの・ちづこ)
本学大学院先端総合学術研究科特別招聘教授。NPO法人ウィメンズアクションネットワーク理事長。専攻は社会学。著書に『上野千鶴子 生き延びるための思想』(講談社、2011年)、『おひとりさまの老後』(文藝春秋(文春文庫)、2011年)、『ケアの社会学』(太田出版、2011年)、『不惑のフェミニズム』(岩波書店(岩波現代文庫)、2011年)、『女ぎらい』(紀伊国屋書店、2010年)など。

◇関連リンク
・個人のページ  http://www.arsvi.com/w/uc01.htm
・WAN http://wan.or.jp/
・中西正司・上野千鶴子 『当事者主権』(岩波書店、2003年)

【2】2012 障害学国際セミナーin Korea

「障害学国際セミナー」は、2009年度より開始された生存学研究センターと韓国DPI(障害者インターナショナル)の組織である障害学研究会との連携関係を基礎とし、2010年度は韓国ソウル特別市、2011年度は立命館大学を会場として、両国の障害学関連の研究者・当事者の参加を中心として継続されてきた国際研究交流です。今回は、「差別禁止法」をテーマに、韓国ソウル特別市を会場として、「障害学国際セミナー」が開催されることとなりました。

今回、日本からは21名が参加予定であり、長瀬修(本研究センター特別招聘教授)、立岩真也(本学大学院先端総合学術研究科教授)が障害者権利条約、障害者差別禁止法に関連したセッションを行い、また障害学をテーマとする分科会では日本から2組の口頭報告、16本のポスター報告を行なう予定です。

日時:2012年11月22日(木)~11月24日(土)
会場:ソウル特別市イルムセンター

◇関連リンク  http://www.arsvi.com/a/20121123.htm

【3】研究の現場

生存学研究センターは毎月「研究の現場」 というコーナーで、生存学に関わる 院生の研究を紹介しています。今月は、韓国からの留学生である李旭氏の文章が掲載され、その内容を簡単に紹介します。

日本では2000年4月から、韓国では2008年7月から「介護の社会化」というスローガンのもと介護保険制度が施行されました。日本、韓国ともに急速な高齢化を背景に介護保険制度が創設・運用されたことで介護労働市場が形成・拡大されてきましたが、そのような介護労働市場の変化のもと、ケアの実践はどのように変化したのか。その担い手であるケアワーカーの働き方はいかに変わったのか。そうしたケア実践・ケア労働に対する介護保険制度のインパクトの差異について日韓比較を通じて考察するのが私の研究です。

2010年度かは生存学研究センターの研究成果などを韓国語に翻訳し、研究センターホームページとメールマガジンを通じて韓国の人々に紹介しています。また、日韓障害学セミナーなどの国際セミナーでは通訳を務めています。このような役割を通じて、私の研究成果とともに日本と韓国の架け橋として生存学研究センターの国際研究活動に少しでも貢献したいと思います。

◇関連リンク
・研究の現場 http://www.ritsumei-arsvi.org/news/read/id/493
・個人のページ  http://www.arsvi.com/w/lw01.htm


・韓国語メールマガジンは arsvi-korea@hanmail.netで発送されています。
このメールへのご意見、購読は、arsvi-korea@hanmail.net までお願いします。
・過去のメールマガジンについては、下記を御覧ください。
http://www.arsvi.com/a/emk.htm

監修: 堀田義太郎
編集担当: 安孝淑・李旭
立命館大学生存学研究センター資料更新: 鄭喜慶・ クァク・ジョンナン ・ 林徳栄・ 安孝淑・李旭
刊行: Research Center for Ars Vivendi, Ritsumeikan University
56-1 Kitamachi, Tojiin, Kita-ku, Kyoto, Japan 603-8577


UP:20121031  REV:20121108
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