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生存学 E-mail Magazine No.25

2012年08月31日
[Korean]


立命館大学生存学研究センターでは、メールマガジン韓国語版を定期的に配信し、情報発信、研究交流に努めていきます。

□目次

1 【長瀬修・生存学研究センタ 特別招聘教授からのメッセージ】
2 【研究センター関連の刊行物・書籍】

【1】長瀬修・生存学研究センタ 特別招聘教授からのメッセージ】

生存学研究センターでは、生存学のさらなる発展に向けて新たなスタッフを迎え入れています。今回は本研究センター特別招聘教授長瀬修のメッセージを掲載します。

内閣府の「障がい者制度改革推進会議」のメンバーを2年半にわたって務め てきた。自慢できることがひとつある。それは私の研究・実践の大きな テーマである「障害者の権利条約」にならって、国際協力を改正障害者基本 法に盛り込むことに成功したことである。もちろん、他のメンバー、特に 松井亮輔さん(法政大学名誉教授)や中西由起子さん(アジア・ディスアビ リティ・インスティチュート代表)たちとの共同の取組の成果である。

しかし、意外だったのは、国際協力の主な所轄官庁である外務省による抵抗 だった。そのために肝心の「開発協力」という言葉は入らなかった。外交や 援助においてフリーハンドを確保しておきたいという外務省の姿勢の反映 だったようだ。政策のありとあらゆる面における障害者の権利実現への課題 の大きさを感じさせられた。

「完全参加と平等」を掲げた国際障害者年が実施されたのは私がまだ学生 だった1981年だった。それから四半世紀を経て、障害者の権利条約が2006年 に採択され、国際社会の関心は同条約の国際的・国内的実施に向いている。

肝心なのは当然ながら、地域での優れた実践である。それが国レベル、そし て国際レベル・国際協力につながるというのは私の持論である。障害学の優 れた実践や研究成果を国際的に共有する本センターの”Ars Vivendi Journal”、他に私の関係しているところでは、リーズ大学の “Disability & Society”やハワイ大学の”Review of Disability Studies” などが、国を超えた知の共有ネットワークとして果たす役割は大きい。

こうしたネットワークをさらに活かして、過去には障害者NGOスタッフ (DPI)、国連事務局員、障害学会事務局長(初代)、そして現在は知的障害者 本人と家族のNGO(Inclusion International)の理事や日本障害フォーラム (JDF)の国際委員という形で取り組んできた障害学や障害分野の国際協力の 展開に、研究と実践の両面でいっそう取り組んでいきたい。

◇長瀬 修(ながせ・おさむ)
本学衣笠総合研究機構・生存学研究センター特別招聘教授。国際育成会連盟 (Inclusion International)理事。専攻は障害学。編著にCreating a Society for All(共編、2012年)、Disability and Society(共編、 2009年)、『障害者の権利条約と日本――概要と展望』(共編、2008年)、 『障害学を語る』(共編、2001年)ほか。

◇関連リンク
・個人のページhttp://www.arsvi.com/w/no01.htm

【2】研究センター関連の刊行物・書籍

村上 潔 2012/03/31 『主婦と労働のもつれ――その争点と運動』,洛北出版,334p.

以下、著者である本学大学院先端総合学術研究科研究指導助手の村上潔による紹介です。

私は、2004年に先端総合学術研究科に入学した当初は、《主婦》にも《労働》 にもさして関心はありませんでした。それが、京都での偶然の(そして幸運 な)人との出会いの重なりから、「主婦論争」という題材や、先鋭的な女性 運動のなかで「主婦性」にこだわり続けた女性たちの存在を知り、その魅力 に惹かれていくことになりました。その長いゆるやかな延長線上に生まれた のが、本書です。

《主婦》は、《労働》から、そして《労働》という課題から、逃れることは できません。さりとて、それを「労働問題」や「労働運動」とすることもで きません。さらに女性労働問題や多くの女性運動では、「自立できるだけ働 いていない主婦」は克服課題として扱われます。

この奇妙な、しかし実は必然の、《主婦》と《労働》との関係は、歪んでい て、混線していて、やっかいな――でもそうであるがゆえに少しだけ魅惑的 な――ものです。私はそれを《もつれ》という言葉で表現しました。

働く/働きたい/働かざるをえない/働けない/十分には働けない/働かな い――そうした女性たちの、多様であると同時に連関した立ち位置の意味に ついて興味がある方々に、本書を手にとってもらえたらとてもうれしいです。

◇関連企画
・2012年度立命館大学大学院先端総合学術研究科主催公開合評会企画
 村上潔『主婦と労働のもつれ――その争点と運動』を読む
http://www.r-gscefs.jp/?p=2414

・その他の生存学が関わっている催しについては、下記をご覧下さい。
http://www.arsvi.com/a/e2011a-k.htm
・韓国語メールマガジンは前月の第10号から arsvi-korea@hanmail.netで発送されています。
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・過去のメールマガジンについては、下記を御覧ください。
http://www.arsvi.com/a/emk.htm

監修: 堀田義太郎
編集担当: 安孝淑・李旭
立命館大学生存学研究センター資料更新: 鄭喜慶・ クァク・ジョンナン ・ 林徳栄・ 安孝淑・李旭
刊行: Research Center for Ars Vivendi, Ritsumeikan University
56-1 Kitamachi, Tojiin, Kita-ku, Kyoto, Japan 603-8577


UP:20120831  REV:
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