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新聞記事「ALS 24時間ケア――大津 待望の介護事業所」

『京都新聞』朝刊
2010/10/19

last update:20101023

ALS 24時間ケア――大津 待望の介護事業所
筋肉が徐々に動かなくなる難病の筋委縮性側索硬化症(ALS)の患者や家族らがつくる「日本ALS協会滋賀県支部」が中心となってつくった24時間対応の訪問介護事業所「もも」が10月から大津市で営業を開始した。夜間もケアが必要な患者に対応するのが目的で、滋賀県によると、患者団体が中心となって訪問介護諸を設立するケースは県内では珍しいという。同事業所は「患者や家族が少しでも楽になればうれしい」としている。

看護師ら登録し訪問
同支部や看護師などが事業所を運営するNPO法人「ALSしがネット」を設立し、8月にNPO認証を受けた。同ネットによると、夜間介護へのALS患者のニーズは高い一方、圏内には24時間対応できる事業所が少ないという。
ももでは、看護師やヘルパーなどの資格を持つ10人が登録制で大津市を中心に訪問介護にあたっている。利用書は大津市などに住むALS患者3人で、職員は体の位置をずらしたり、ほぐしたり、たんを吸引するなどしている。患者の一部は、文字盤を目で追い、意思を伝えるため、職員は慣れないコミュニケーションに戸惑いながらも懸命に仕事をこなしている。
大津市石場の自宅の倉庫を、ももの事業所に提供したALS患者の吉田幸雄さん(79)の妻の道子さん(74)は「自宅療養は呼吸器などを絶えず気にしていなければならず、時間のゆとりがない。私自身も高齢なので今後のことを考えれば事業所があると安心」と話す。
同ネットの葛城貞三理事長(71)は「家族だけで介護するのは大変で訪問介護諸の設立は私たちの念願だった。今後はALS患者はもとより、必要とされている方にサービスを提供したい。充実に向けてヘルパーも増やしたい」と意気込む。問い合わせはももрO77(535)0055。


UP: 20101021 REV:
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