3. 2 カレン・ヒルに見られる専門職──SHGそれぞれの問題点
カレン・ヒルの『患者・家族会のつくり方と進め方』は日本では1988年だが、原著のHelping You Helps Me: A Guide Book for Self-Help Groupsは1984年に刊行されている。彼女はこの中の4章に多くの部分を割き、専門職とSHGとの関係性を考察している。
彼女の主張を要約すれば、専門職の問題点とは、SHGを支配しやすく、それゆえ支援者は支援するときに支配しないように気を配る必要があるということ。さらにSHG側の問題点とはSHGの世話人が専門職に「従う」ことを好んでしまい、当事者の経験的知識よりも、専門職の組織的な支援や科学的言説に巻き込まれてしまうという指摘をしている(Hill 1984=1988: 166-168)。
結論的に、ヒルは専門職とSHGとの関係は、依存関係になりやすく、専門職側に対して「SHGがこのままいけば失敗するように見えても、それでもグループからの強い要請がないかぎり援助しないことがたいせつです」と説いている(Ibid: 169)。
専門職側に対してのSHGへの援助技法の言説の増大は日本ではこのヒルの著書が出版されたに増大していくことになる。