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「開会あいさつ」

増田 英明 2012/03/31
権藤 眞由美・野崎 泰伸 編 20120331 『医療機器と一緒に 街で暮らすために――シンポジウム報告書 震災と停電をどう生き延びたか〜福島の在宅難病患者・人工呼吸器ユーザーらを招いて〜』,生存学研究センター報告18,192p. pp.23

last update: 20131015



本文


増田 英明

東日本大震災のすぐあと、私のパソコンのメールに「ガソリン缶ないですか? こちら(関東)はまったくありません。困っています」。
 仲間達のSOSに私はいてもたってもいられず……
 ▽ホームセンターに電話させたが 「どこの店舗もありません」
 ▽ネットショップで検索したが 「在庫無し」
 ▽知人達に探して貰ったが 「無いです!」
 遠く離れた関西でこの状況でした。私は役に立てませんでしたが東日本大震災という“危機”を身近に感じました。被災地ではいったい何が起こっていたのでしょうか?
 その後、原発事故で電力不足の問題が起こりました。私のような在宅で生活する人工呼吸器装着者は電力に頼って生きています。
 吸引器や電動ベッド、エアマット、リフトなども電気を使用します。停電は即“命”に関わります。私達自らも非常時に備えた考えや行動を起こす必要があります。
 今の在宅生活には、ヘルパー不足や医療面、福祉制度などで大きな困難と不安に日々向き合っています。行き場をなくし孤立している人達がいます。平時から安心できる暮らしを築かないとなりません。
 私は、京都での停電弱者の横のつながりを築いていきたいと思っています。本日は震災や停電を体験された方に、遠く福島や千葉からお越しいただいています。その経験を学ばせていただきたいと思います。


UP: 20120622 REV: 20131015
災害と障害者・病者:東日本大震災  ◇人工呼吸器(ベンチレーター)  ◇生存学創成拠点の刊行物  ◇全文掲載 
 
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