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障害者の自立と政治参加をすすめるネットワーク通信
2011年8月号 東京大会特集号


cf.
  2011/07/30 緊急フォーラム「被災被害者支援をどうする」

■目次

日程
緊急フォーラム「被災被害者支援をどうする」は60名超の満席で成功裡に終る
研修(1) 緊急フォーラム「被災被害者支援をどうする」
  ◇ パネルディスカッション「被災障害者支援をどうする」
研修(2) 緊急フォーラム「政治ネット総会」
研修(3) 障がい者制度改革推進制度本部の議論


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◇ 日程

7月30日(土) 於:中野サンプラザ
12:30 中野駅北口にて緊急フォーラムの街頭啓発
14:00 緊急フォーラム「被災障害者支援をどうする」
17:00 政治ネット総会
19:00 交流会

7月31日(日) 於:中野区勤労福祉会館
09:30 障がい者制度改革推進本部の議論(金政玉さん)
12:00 閉会


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◇ 緊急フォーラム「被災被害者支援をどうする」は60名超の満席で成功裡に終る

写真:中野駅北口にて緊急フォーラムの街頭啓発
中野駅北口にて緊急フォーラムの街頭啓発

 7月30日(土)〜31日(日)、猛暑のなか、東京都中野区に22名が集まり、緊急フォーラム「被災障害者支援をどうする」に向けて街頭啓発活動を行いました。フォーラムには、60名を超える参加があり、満席で成功裡に終わりました。
 続いて、政治ネット総会を開催し、新規会員の紹介、防災政策の共有などについて確認し、統一自治体選挙を総括しました。
 次回は、来年1月末に熊本市で開催することになりました。
 2日目は、障がい者制度改革推進会議事務局の金政玉さんを講師に招き、障害者基本法改正のポイント、障がい者制度改革の大きな流れを概説いただいたうえで、「障害者総合福祉法(仮称)骨格提言素案」について集中討議しました。

2011年7月 障害者の自立と政治参加を
すすめるネットワーク東京大会参加者一同


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◇ 研修(1) 緊急フォーラム「被災被害者支援をどうする」

基調講演「東日本大震災被災障害者の復興支援」

写真:ゆめ風基金理事の八幡さんの基調講演
ゆめ風基金理事の八幡さんの基調講演

 被災障害者支援NPO法人ゆめ風基金理事の八幡隆司さんから約1時間、東北の被災障害者の現状を聞いた。まず、今回の被害の特徴を概説。被災地を南北に走る鉄道や高速道路以東の沿岸部が大きな被害を受けた。また、震災の発生時刻が作業所などの終る時間であったため、帰宅することができず、作業所等が避難所となった。行政からの福祉避難所設置の要請があったためではない。さらに、在宅福祉よりも入所施設型福祉の利用が多い地域で、移動支援事業等が極めて少ないため、八幡さんたちが直接支援に入っている。被災障害者を継続して支援するには信頼関係の構築が最も重要と力説された。
 また、今回の津波の被害では要援護者名簿に基づく安否確認はできなかった。被災者は家屋自体がなくなり、確認できない状況。

1.主な活動内容
  被災障害者の状況調査
  物資の提供
  ヘルパー派遣
  移送サービス
  相談事業
  障害者拠点への資金援助

2.活動の方針
 障害者一人一人の個別支援を中心
 長期の支援を行う
 災害以前よりも豊かな福祉サービスを提供できる街づくりを目指す
 地元の活動を大切にし、連携を図る

3.災害時における障がい者支援の難しさ
@安否確認の難しさ
 避難所に避難せず、施設を頼る、あるいは親戚を頼る、自宅が住みにくい状況でも自宅にとどまるなど被災障がい者の存在がわからない場合が多い
Aニーズの把握の難しさ
 当事者側 がまん、あきらめ
 支援者側 ふだんの交流が少ないため、障がい者が何を求めているかを聞き出すことに、時間が必要
B地元サービスの欠乏と長期支援の難しさ
 阪神大震災ではニーズも多くあり、地元サービスやヘルパーなどもたくさんあったが、今回は入所施設中心であるため、地域生活が充実していくことが難しい。
C仮設住宅についての課題
 構造や立て方など、障がい者や高齢者についての配慮がない。入口までのスロープはあるが、室内では動けない構造になっている。
   バリアフリーは建物構造だけでなく、アクセス、生活支援など全ての面で考える必要。
 物理的な困難をどこまで補えるかが課題
 アパート仮設は居住性は良いが、一人一人の支援についてどう考えていくのか
 高齢者用グループホームに比較し、障がい者のためのケアホームなどが非常に少ない

4.今後の支援の方向性
4期に分けた活動
第1期…災害発生後から仮設住宅建設が始まるまでの、緊急な支援活動を行った時期。
第2期…仮設住宅建設が始まり、ほとんどの人が入居を終えた時期。
第3期…仮設住宅の入居が完了し、震災後1年目を迎えるまでの時期。
第4期…震災後1年目を迎えてから2年目を迎えるまでの1年間で、復興住宅へ避難者が移るまでの時期。

【基調講演のまとめ】被災地での教訓を生かしつつ、災害時要援護者のための防災・減災活動なども重視すべきだと思う。

パネルディスカッション「被災障害者支援をどうする」

写真:パネルディスカッションの様子
パネルディスカッションの様子

 被災障害者に向けて医療器具、衛生用品を送り続けていた前中野区議会議員の佐藤 浩子さん、ALS患者支援団体の川口 有美子さん、障害当事者で計画停電を経験されたさいたま市議会議員のでんだひろみさん、基調講演された八幡さんから意見発表があった。
 佐藤さんからは、都市部の帰宅困難になった障害者のこと、停電に対応するため中野区の在宅の医療機器利用者の実態調査を行ったことなどが報告された。川口さんからは、生命に関わる医療器具、衛生用品を調達し、被災地に届ける難しさが報告された。さらに被災地の拠点に届けても、拠点から医療的ケアが必要な方の自宅へ運ぶためにガソリンが必要なことも報告された。さらに、仙台市でのみ製造している経管栄養剤の製造がストップし、海外からの調達に難航。命の綱渡り状態を支援する日々の報告を聞き、改めて医療的ケアが必要な方々の災害時支援の難しさを痛感した。
 続いてでんださんからは、3月11日当日の恐怖、余震が起こるときの一人暮らしの恐怖、計画停電による毎日の生活への影響が報告された。計画停電の地域が明確ではなく、インターネットで確認した。ネット環境がない方々は困ったであろうとのこと。また、電動ベッドを使用するため朝に計画停電の時は朝4時に起き、身支度を整え、夜に計画停電のときは入浴時間を調整したとのこと。
 今回、久しぶりの公開フォーラムを開いた。会場の中からは多くの質問が出され、あっという間の2時間半であった。これを機に、各地で防災政策を充実する必要がある。


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◇ 研修(2) 緊急フォーラム「政治ネット総会」

1.報告事項
(1)新規加入者の紹介
・石坂わたる(中野区議)
・北本節代(玉名市議)
(2)会計報告
本大会前の繰越金は、
現金(22,803)+通帳(85,567)=108,370
本日会費を徴収したが、必要経費も発生。
財政的に厳しく、今後事務局で協議
2.協議事項
(1)緊急フォーラムの総括
以下の諸点を参加者で確認した
・今後も継続して防災政策に取り組む
・防災についての必要な情報はメーリングリストで共有するとともに、他のメーリングリストや各会員の周囲の方々へ広げるよう努める。
・今後数年間は、政治ネット大会の視察研修内容の1つに防災関連を盛り込む。
(2)統一自治体選挙の総括
・全体的に厳しい選挙戦
・投票率の低下、特に若年層の政治離れが顕在
(3)12月の政策研究会について
・今年で解散の予定 ・石橋宏昭氏が参加予定
(4)次期大会について
・開催地:熊本市
・日程案:@12年1月21日(土)〜22日(日)
     A12年1月28日(土)〜29日(日)
・研修案:@熊本県条例と推進会議の動き
A各地の防災対策


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◇ 研修(3) 障がい者制度改革推進制度本部の議論

 障がい者制度改革推進会議事務局の金政玉さんを講師に招き、障害者基本法改正のポイント、障がい者制度改革の大きな流れを概説いただいたうえで、7月26日の総合福祉部会で公表された「障害者総合福祉法(仮称)骨格提言素案」のうち、「2.障害(者)の範囲」、「3.選択と決定(支給決定)」、「4.相談支援」を中心に 基調講演頂いた後、全般にわたって意見交換した。
障害者基本法改正のポイント
 以下の文言が明記された。
・目的のなかに「全ての国民が、障害の有無によって分け隔てなく」。(政治判断)
・障害者の定義に「身体障害・知的障害・精神障害(発達障害を含む)その他の心身の機能の障害がある者」
・基本原則に以下のことを明記
 @「言語(手話を含む)」
 A「合理的配慮」
 基本的施策の中で
・複数箇所で「可能な限り」との文言あり
・以下の項目の新設
@防災・防犯(政治判断)
 A消費者としての障害者の保護
 B選挙等における配慮
 C司法手続きにおける配慮等
 D国際協力
※評価すべき改正点
 「障害者政策委員会」の設置
 ・中央障害者施策推進協議会を改組
 ・地方機関:都道府県、政令市は必須
総合福祉法骨格提言素案のポイント
※決定ではなく、今後も話し合われる。
・障害の定義を「身体的または精神的な機能障害」とする。国際的にも知的障害は精神障害に含まれている
・支給決定は障害程度区分は廃止。本人が策定したサービス利用計画に基づき支給
・相談支援には「一般相談」と「特定相談」を設ける。「一般相談」では、障害に関するあらゆる相談に対応する。「特定相談」では、本人のニーズに応じた福祉ニーズに結びつけるための相談に対応する。
・一定の圏域ごとに、地域相談支援センター(人口3〜5万人に1ヶ所)、総合相談支援センター(15万〜30万人の圏域を単位)、特定専門相談支援センター(都道府県を単位として設置され、障害特性に応じた専門相談)を配置。


UP:20110818 REV: 0823
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