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「訪問介護:24時間対応、難病患者家族ら事業所開設 「夜間支援」人材不足 /滋賀」

毎日新聞朝刊滋賀版 2010/11/09

last update:20101112

 ◇県が実態調査開始
 難病の筋萎縮(いしゅく)性側索硬化症(ALS)の患者を介護する看護師や遺族らが、大津市内に24時間対応の訪問介護事業所を開設し、家族から好評を得ている。難病に限らず、夜間介護は重度障害や末期がん患者らにとっても必要だが、ヘルパー不足からサービスを提供できる事業所は乏しい。県は訪問介護の実態調査を始め、ニーズの把握に乗り出した。
【安部拓輝】

 設立された事業所は大津市石場の「もも」(077・535・0055)。患者宅の倉庫を事務所とし、看護師や社会福祉士ら10人が登録。家族らの要請に応じてヘルパーを派遣し、たんの吸引や体位を変えるなどの介助をする。

 野洲市の会社員、江畑眞一さん(57)は妻明美さん(57)を介護しており、就寝後も2時間に一度は寝返りを手伝う。疲れて起き上がれないこともあったが、10月から週2回の夜間支援を受けるようになり、「妻を支える余裕ができた」と喜ぶ。文字盤で意思を伝える明美さんも「家族が休めると私も安心できる」と話す。

 ただ、ヘルパーは京都市内から車で1時間かけて通っており、負担は大きい。ももに登録している社会福祉士の葛城貞三さん(71)は「どこの事業所も人材不足。地域でヘルパーを確保するには、重度障害など他の要介護者を支援する事業所との連携が重要だ」と語る。

 運営には採算を維持するだけのニーズも不可欠だ。実態を把握しようと県は先月21日から各地の訪問介護の事業者と意見交換会を開始。介護が必要な高齢者宅や在宅介護を希望する入院患者らにも対象を広げ、ヘルパーが効率よく訪問できる体制づくりを進める方針だ。県医療福祉推進室は「障害や疾患を超えて介護資源を活用できるネットワークを作りたい」と話している。

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 ■ことば
 ◇ALS
 運動神経の疾患。意識ははっきりしていても呼吸不全になったり手足が不自由になる病気。日本ALS協会滋賀県支部によると、患者数は全国で約8000人、県内には90人以上。訪問看護などを利用していても、夜間や休日は家族が付き添うことが多い。



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UP: 20101112 
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