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「「生存学」創成拠点事業推進担当者より (3)」
小泉 義之
20100923 「生存学」創成拠点メールマガジン第6号.
last update:20110801
グローバルCOEプログラム「生存学」創成拠点では、事業推進担当者として教員計17人が活動しています。今回は、2009年度から本学大学院先端総合学術研究科長を務める小泉義之のメッセージを掲載します。
雑誌『生存学』の編集担当をしており、現在は特集「精神」の準備のために、執筆予定者との研究会などを進めています。この間、ちょっと驚いたのは、精神の病や心の病に関する思想水準が著しく低下していることです。
これは、メンタルな病をめぐる議論が、心理系・福祉系・社会系に傾いてきたことだけが原因ではなさそうです。学界全体・言論界全体の水準が低下しているのです。
例えば、前からうすうす感じてはいたのですが、引きこもりや発達障害などをめぐる言説は、やはり思想的にはひどく貧しいと言わざるをえません。ところが、厄介なのは、この低レベル化は必ずしも悪いことではないと見ることもできてしまうことです。
この辺りを突っ込めば、90年代リベラリズムやゼロ年代思想批評をめぐる評価に関しても、意外なところから切り込むことができるでしょう。次号の『生存学』をお楽しみに。
◇小泉義之(こいずみ・よしゆき) 本学大学院先端総合学術研究科教授。 専攻は哲学・倫理学。近著に『倫理学 ブックガイドシリーズ 基本の30冊』 (2010年10月刊行予定、人文書院)がある。
◇関連リンク
* 拠点事業推進担当者の一覧
http://www.arsvi.com/a/s.htm
* 個人のページ(本拠点内)
http://www.arsvi.com/w/ky01.htm
*作成:
大谷 通高
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