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「「生存学」創成拠点事業推進担当者より (1)」

西 成彦 20100723 「生存学」創成拠点メールマガジン第4号.

last update:20110801

グローバルCOEプログラム「生存学」創成拠点では、事業推進担当者として教員計17人が活動しています。創刊号では拠点リーダーの立岩真也の挨拶を掲載しましたが、今回からは各事業推進担当者のメッセージを掲載していきます。
トップバッターは、2006年度〜2008年度の本学大学院先端総合学術研究科長を務めた西成彦です。


「ままならない身体」とは「生きている身体」のことだ。死んでしまった身体は少しも「わがまま」ではない。反対に、「生きている身体」はどこまでも「わがまま」で、「ままならなさ」のなかであがくかと思えば、「ままならなさ」へとわざわざ自分を追いこもうとする。欲望ひとつをとってみても、欲望の「まま」に生きているときでさえ、私たちは欲望という強い「拘束」の下で生きている。ぼくは「抵抗」でない「生存」などないと思っている。

◇西成彦(にし・まさひこ)
本学大学院先端総合学術研究科教授。専攻は東欧文学、比較文学。近著に『エクストラテリトリアル 移動文学論・2』(作品社、2008年)、『耳の悦楽 ラフカディオ・ ハーンと女たち』(紀伊国屋書店、2004年)。編著に『異郷の死――知里幸恵、そのまわり』(人文書院、2007年。共編者に崎山政毅)ほか。訳書にヴィトルド・ゴンブローヴィッチ『トランス=アトランティック』(国書刊行会、2004年)などがある。

◇関連リンク
* 拠点事業推進担当者の一覧 http://www.arsvi.com/a/s.htm
* 個人のページ(本拠点内) http://www.arsvi.com/w/nm07.htm




*作成:大谷 通高
UP: 20110801 REV: 更新した日を全て
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