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2010 年 度 政 策 要 望 書

民主党難病対策推進議員連盟 会長 岡崎トミ子 2010/06/16

「難病 nambyo」

last update:20140205


厚生労働大臣 長妻昭 殿
2010 年 6 月 16 日
民主党難病対策推進議員連盟
会長 岡崎トミ子

2010 年 度 政 策 要 望 書


このたび、厚労省内に「新たな難治性疾患対策の在り方検討チーム」が設け
られたことは、政治主導で難病対策を部局横断的に見直していくものであり、
強く支持し、大変期待しています。
また内閣府に設置され厚労省が庶務を担っている障がい者制度改革推進会議
総合福祉部会に難病患者団体の代表が構成員に任命されたことも、マニフェス
トにある谷間のない障害者福祉の実現に向けた一歩として評価しています。
私たち民主党難病対策推進議員連盟としても、野党時代から様々な患者家族
団体とともに難病対策の抜本改革を主張し、検討してきた経緯から、政府のこ
れらの動きと連携して、私たち自身の役割を果たしてまいる所存です。
今般、議連総会及び役員会を開催し、患者家族の皆様から今後の難病対策の
あり方について様々なご要望を受け取りましたので、ぜひ省内検討チームでの
検討の俎上に載せていただきたく、添付の通り、提出いたします。
なお、議連としては別紙の通り 15 項目を要望いたしますので、今年度の厚生
労働省の施策の実施並びに来年度の概算要求において、政務三役のリーダーシ
ップによりこれらを実現していただきますよう、お願い申し上げます。
【検討のあり方並びに制度改革全般について】
1.「新たな難治性疾患対策の在り方検討チーム」においては、できるだけ早期
に、様々な難病・慢性疾患患者の声を丁寧に聞く場を設けていただきたい。

2.上記省内チームと厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会、そして障
がい者制度改革推進会議総合福祉部会の三者間の風通しを良くし、情報の共有
と連携が図られ、整合性のある結論が得られるよう、大臣から事務方に指示し
ていただきたい。

3.難病・慢性疾患患者の声を聞くだけでなく、当事者自身が制度改革の議論
に実質的に参画できるよう、それぞれの会議体の事務方が十二分に意を用いて
いただきたい。

4.旧政権が行ってきた小幅改善の繰り返しによって各制度が複雑になってし
まっていることを十分反省し、患者にとっても自治体にとっても簡素でわかり
やすい制度に改めていただきたい。

5.事業の実施主体である自治体の政策理念や財政力によって、過度な地域格
差が生じないよう、制度設計上、配慮されたい。

【障がいの範囲、福祉、雇用について】
6.現行制度のもとで障害者手帳の給付を受けられない難病・慢性疾患患者の
福祉のニーズや雇用の実態調査を早急に行っていただきたい。

7.難病・慢性疾患患者に対する福祉サービスが、地域によって極端にばらつ
きがある現状を早急に改善されたい。具体的には、介護保険、障害者自立支援
法、難病居宅生活支援事業の対象になっていない難病・慢性疾患患者が必要に
応じて家事支援・身体介護を受けられるしくみを創設されたい。

8.難治性疾患患者雇用開発助成金の拡充に努めると同時に、中途で難病にな
った者への就労継続支援についても、障害者雇用納付金に基づく中途障害者の
雇用継続支援に関する助成金を参考に、モデル事業としての予算化を検討され
たい。


【高額療養費制度の改革について】
昨今、特定疾患治療研究事業や小児慢性特定疾患治療研究事業による医療
費の助成の新規要望や制度改善の要望が増えている。早急に対応が可能な改善
を遅滞なく行うことが必要だが、財政的にも自治体の事務手続きの負担上もこ
れ以上の疾患の追加は容易でないことから、またいわゆる「キャリーオーバー」
の問題を解決するためにも、根本的には高額療養費制度の抜本的な見直しが必
要である。

9.高額療養費制度について、すでに国会においても累次の意見・要望が出さ
れているが、別紙の患者団体からの改善要望も踏まえ、これらのうち早急に対
応できることについて整理し、スピード感を持って改善を進めていただきたい。

10.特定疾患治療研究事業や小児慢性特定疾患治療研究事業による医療費助成
を受けていない患者が、治療費、薬代が払えずに受診抑制をしている実態が一
部にあるとの指摘も受けている。現行の高額療養費制度の制度設計が、その趣
旨に照らして、現在の社会経済状態においても妥当であるかどうか、慢性疾患
患者の生活実態を把握する調査を実施していただきたい。

11.上記調査を踏まえ、また、特定疾患治療研究事業や小児慢性特定疾患治療
研究事業の現状を直視し、疾患の別なく全ての難病・慢性疾患患者が、自らの
所得に適切に応じた医療費負担をし、受診抑制することのないような高額療養
費制度に抜本的に改善していただきたい。【特定疾患治療研究事業と小児慢性特定疾患治療研究事業について】

12.高額療養費制度の抜本改革までの間、両事業の存続を左右するまでに深刻な
問題となっている自治体の超過負担を早急に解消すべく、必要な予算を確保し
ていただきたい。


【新薬の開発・承認・保険適用等に関して】
昨今、ドラッグラグの解消に向け、小児への効能拡大等、未承認薬、適応
外薬問題の改善に省を挙げて積極的に取り組んでいることは評価したいが、
まだまだ不十分な面がある。

13.医薬品医療機器総合機構の体制充実や、小児用医薬品の優先審査の導入など
審査システム全体を見直して、合理的かつ迅速に審査・承認・保険適用が進
むよう、さらなる改善に取り組んでいただきたい。また、新薬の承認や保険
適用に関する最新の情報を待ち望む患者に迅速に必要な情報が伝わるよう、
十分な広報活動に努められたい。

14.遺伝性疾患の遺伝子検査の保険適用や、遺伝カウンセリング体制の充実、
新生児のタンデム・マススクリーニング検査の全国実施についても要望を受
けているので、検討されたい。

15.他方、成長戦略の一環として内閣府において混合診療の原則解禁が議論さ
れていることについて、国民皆保険の崩壊につながるとの懸念が寄せられて
いるので、そのような懸念を十分に踏まえ、厚生労働省として慎重に検討さ
れたい。

以上


*この頁は平成24・25年度 厚生労働科学研究 難治性疾患克服研究事業「患者および患者支援団体等による研究支援体制の構築に関わる研究」の一環として、その資金を得て作成されています。
*作成:長谷川 唯
UP: 20140203 REV: 20140205
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