「希望の家」50年の歩み――14日に集い 冊子まとめ披露へ
2010/02/04
『京都新聞」: 20
「希望の家」50年の歩み――14日に集い 冊子まとめ披露へ 南区の福祉センター
京都市南区東九条を拠点に独居高齢者への配食や学童保育などに取り組む「地域惹くしセンター 希望の家」が設立から50周年を迎え、14日、記念の集いを開く。在日コリアンが数多く住み、歴史的に貧困や差別に直面してきた地域と歩みを重ねた軌跡を冊子にまとめ、お披露目する。
希望の家はキリスト教系社会福祉法人が運営。1959年に東九条に隣接する下京区崇仁地区で米国人神父が創設し、65年に現在地へ移った。未就学児の支援から活動を広げ、今では学童保育や児童館事業を展開したり、高齢者を対象に見守りを兼ねた配食サービスや文化教室なども行う。
前川修所長(52)は「火事で焼け出された人が身を寄せ、地上げが問題化すれば集会を開き、地域と支え合ってここまでこれた」と振り返る。高齢化や人口減少を背景に孤独死寸前の住民を救うこともあるといい「公的制度ではフォローできない支援こそ求められる」と話す。
記念冊子を作製中で、設立以来の資料や写真を集め、古株の職員や利用者に聞き取りを重ねて50年の歴史をまとめている。編集に協力する立命館大研究員の山本崇記さん(30)は「地域の情報と記憶が詰まった場所だと実感した」という。
記念の集い(参加費千円)は同家を会場に午後2時〜4時。冊子を配るほか、職員や地元の利用者、転居した後も施設とかかわる元住民などが思い出を語り、施設と地域の歩みをまとめたDVDも放映する。問い合わせは同家TEL:075(691)5615。
2010/02/04 『京都新聞』:20