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「障害者相談支援事業」

厚生労働省 20060801 平成23年度改正版

萩原 浩史 20191210  『詳論 相談支援――その基本構造と形成過程・精神障害を中心に』,生活書院,資料

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last update:20200719


厚生労働省
平成18年8月1日
平成23年度改正版

(別添1)
障害者相談支援事業

1 概要
 市町村は、障害者等の福祉に関する各般の問題につき、障害者等からの相談に応じ、必要な情報の提供及び助言その他の障害福祉サービスの利用支援等、必要な支援を行うとともに、虐待の防止及びその早期発見のための関係機関との連絡調整その他の障害者等の権利擁護のために必要な援助(相談支援事業)を行う。
 また、こうした相談支援事業を効果的に実施するためには、地域において障害者等を支えるネットワークの構築が不可欠であることから、市町村は相談支援事業を実施するに当たっては、地域自立支援協議会を設置し、中立・公平な相談支援事業の実施のほか、地域の関係機関の連携強化、社会資源の開発・改善等を推進する。

2 実施主体
 市町村(必要に応じ複数市町村による共同実施、運営については常勤の相談支援専門員が配置されている指定相談支援事業者への委託可)
 (注1) 指定相談支援事業者に委託する場合においては、事業運営の中立性・公平性を確保する観点から、地域自立支援協議会において、委託事業者の事業計画等について、事業評価を行う等の措置を講じることが適当である。

3 事業の具体的内容
 (1) 福祉サービスの利用援助(情報提供、相談等)
 (2) 社会資源を活用するための支援(各種支援施策に関する助言・指導等)
 (3) 社会生活力を高めるための支援
 (4) ピアカウンセリング
 (5) 権利の擁護のために必要な援助
 (6) 専門機関の紹介
 (7) 地域自立支援協議会の運営 等
  (注2) 市町村は、障害者相談支援事業を委託した指定相談支援事業者に対し、障害程度区分に係る認定調査の委託が可能。

4 相談支援体制の例
 相談支援体制については、地域自立支援協議会を中核としつつ、地域の実情に応じ、適切な形で整備を進めることが適当である。
 なお、想定される例としては、下記のとおり。
 (1) 障害種別に対応する総合的拠点を設置する。
 (2) 障害種別に応じて複数の拠点を設置し、相互に連携する。
 (3) 介護保険法に基づく地域包括支援センターと一体的に総合的な相談窓口を設置する。

5 権利の擁護のために必要な援助の例
 障害者等に対する介護者等からの虐待を発見した場合は、迅速に保護のための措置を 行うよう努めること。また、成年後見制度の利用が必要と認められる場合は、関係機関 と連携の上、成年後見制度を利用することができるよう必要な支援を行うこと。
 なお、2親等以内の親族の存在が明らかであっても、当該親族による支援が見込まれ ない場合は、市町村長が、知的障害者福祉法第28条又は精神保健及び精神障害者福祉 に関する法律第51条の11の2に基づき、民法第7条(後見開始の審判)、第11条(保佐開始の審判)、第15条第1項(補助開始の審判)等に規定する審判の請求を行うことができるので、成年後見制度を利用できないことがないよう、その活用に努めること。

6 地域自立支援協議会
 相談支援事業をはじめとする地域の障害福祉に関するシステムづくりに関し、中核的な役割を果たす定期的な協議の場として、市町村が設置する。
 (構成メンバー)
 地域の実情に応じ選定されるべきものであるが、想定される例としては以下のとおり。
 ・相談支援事業者、障害福祉サービス事業者、保健・医療関係者、教育・雇用関係機関、企業、障害者関係団体、当事者、学識経験者 等
 (主な機能)
 ・中立・公平性を確保する観点から、委託相談支援事業者の運営評価等を実施。
 ・困難事例への対応のあり方に関する協議、調整(当該事例の支援関係者等による個別ケア会議を必要に応じて随時開催)
 ・地域の関係機関によるネットワーク構築等に向けた協議
 ・地域の社会資源の開発、改善
 ・市町村相談支援機能強化事業及び都道府県相談支援体制整備事業の活用に関する協議
 ・権利擁護等の分野別のサブ協議会等の設置、運営 等



*作成:松本 彩見
UP:20191129 REV:20200719
萩原 浩史  ◇『詳論 相談支援』  ◇精神障害/精神医療  ◇精神障害者の権利/権利擁護  ◇施設/脱施設  ◇全文掲載

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