◎「認知症はターミナルな病気」
The New England Journal of Medicine誌の10月号で米国国立衛生研究所(NIH)の研究「終末期における末期認知症ケアのための選択、姿勢、そして戦略(CASCADE)」の結果が報告されている。ボストン地域のナーシングホームで認知症が進行した患者を18ヶ月にわたって調査したところ、約6割が調査期間中に死亡。認知症が肉体的な症状を伴う病気であること、末期には合併症が起きることへの認識が十分でないために、本人の利益にならない過剰な医療が行われていることが明らかになった。そこで強調されるのが「認知症はターミナルな病気である」。その事実を医師も家族も法定代理人も、みんなでしっかり認識して、無益な医療を求めるのではなく緩和ケアを選択するように、というのが趣旨のようだ。
しかし「認知症の末期には合併症が起こることを理解しておこう」と言うことと「認知症はターミナルな病気であると認識しておこう」と言うことの間には、ずいぶん非科学的な飛躍があるのではなかろうか。