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「竹原真一阿久根市長、障害者の存在を否定した発言に対する抗議文」

青い芝の会
20091214 Word文書〔DOC〕


竹原真一阿久根市長、障害者の存在を否定した発言に対する抗議文

2009年12月14日
日本脳性マヒ者協会「全国青い芝の会」会長 金子和弘
事務所 山口県周南市周陽2-2-55 電話0834-34-5080


 私たち「全国青い芝の会」は脳性マヒ者の生存権、生活権の確立を目指し37年間に渡り活動をしてきた団体です。
 特に今までの歴史の中で脳性マヒ者を始め重度障害者は「旧優生保護法」に見られるように「本来あってはならない存在」とされ差別と偏見と抑圧を受け続け命までも奪われてきた社会に対して厳しく対峙し様々な問題提起を行ってきました。
 さて阿久根市長の貴方が今年の11月8日のブログで医師不足の問題に関して何を血迷ったのか理解に苦しむ下記の発言をされました。
「医者を大量生産してしまえば問題は解決する。全ての医者に最高度の技術を求める必要はない。できてもいない。例えば昔、出産は産婆の仕事。高度医療のおかげで以前は自然に淘汰された機能障害を持ったのを生き残らせている。結果 擁護施設に行く子供が増えてしまった。「生まれる事は喜びで、死は忌むべき事」というのは間違いだ。個人的な欲でデタラメをするのはもっての外だが、センチメンタリズムで社会を作る責任を果たすことはできない。社会は志を掲げ、意志を持って悲しみを引き受けなければならない。未来を作るために。」
この発言はどう考えても障害児、障害者の存在を否定し命をも奪ってもかまわないと言う意味の発言であり私たち障害当事者として絶対に許せないし強く抗議をいたします。
発言について一つ一つ反論するのはむなしいが、あえて言うなら昔も出産の時に産婆さんの手によって仮死状態で生まれ60年70年と生きている私たちの仲間は多くいるし、そして生きていくときに甘いセンチメンタルリズムで生きられる環境なんて全くないし、絶えず社会との闘いをしなければなりません。
それなのに貴方はその上になおも厳しい社会を私たちに押しつけようとして優生思想を高めようとしているのです。これはとても人間としての感性ではなく弱肉強喰の動物的感情だと言わざるをえません。人間社会は色々な人がいてそれを認めあってこそ人間社会なのです。
貴方のような人が政治の場にいることは本当に恐ろしい事です。
私たちとしては阿久根市民のためにも全障害者のためにも即刻、発言を撤回し辞任される事を要求するし全国的な運動に働きかけて行きます。


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UP: 20100202 REV:
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