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沖山 稚子「職業的困難度からみた視覚障害者の雇用問題――障害種類間の格差」

障害学会第6回大会・報告要旨 於:立命館大学
20090927


◆報告要旨
 沖山 稚子(障害者職業総合センター)
 「職業的困難度からみた視覚障害者の雇用問題――障害種類間の格差」

  障害者雇用施策において障害者福祉施策の障害程度の基準を借用して現在に至り、既に50年間が経過しているが、支援ニーズに焦点を当てた障害認定にはなっていず不備があることが叫ばれて久しい。
  従来の国際障害分類(ICIDH)が個人因子と環境因子の視点を加えて、国際生活機能分類(ICF)として改訂されるまでに多くの期間を要したが、障害者に対して就業支援を行う実務の現場では、実態としての職業的困難度に注目して業務を進めてきた。ICFのモデル図にもあるように、障害者だけでなく雇用が想定される事業所の状況や、その際に使える支援や制度などをふまえた相互関係の中で職業上の困難を評価し、その結果をもとに就職支援するのは就職支援の現場では日常的なことであった。
  これまでの障害学会大会において、30年間の就職支援の実務経験から報告者自身の問題意識をもとに、2007年には先行研究等の紹介を通して、2008年には障害者の就業支援現場担当者の意識調査の結果から、職業的困難度からみた雇用問題について報告した。今回は、少し視点を変えて最近行った2つの調査結果(注)から、障害者雇用にあたり障害種類間に格差があることに注目し、視覚障害者の職業的困難について紹介する。
  1996年に総務庁は労働省に対して職業機関独自の職業的困難度の認定を行うように勧告したが、具体的な対応はまったくなされていない。「就職したい」と希望し、就職活動を繰り返しながらも就職できずにいる障害者こそ就職困難者であるという視点から職業機関独自の職業的困難度の評価がなされ、それが就職支援に反映されるよう職業的困難度を巡る関心が関係者の間で広まることを期待する。
(注)「中高年齢障害者の雇用に関する事業所実態調査」(2008年9月)
「ハローワークにおける求職視覚障害者の就職に対する意識調査」(2008年5月)

*作成:
UP:20090906 REV:
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