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移動に困難のある重度身体障害者の職業生活に関する研究

星加 節夫(障害者職業業総合センター) 20090926-27
障害学会第6回大会 於:立命館大学


◆報告要旨
◆報告原稿

■報告要旨

T背景:我が国は、共生社会の実現に向け、障害者、高齢者等はじめ誰もが自立して暮らせる生活環境の整備推進をしており、それは障害者施策の中心を構成している。リハビリテーションにおいても職業生活を通したQOL の向上を目指したものに軸足を移してきている状況である。2006 年には通称「バリアフリー新法」を制定し、“移動の面的な広がり”を配慮した総合的なバリアフリー化の推進が図られることとなった。しかし一方では、移動に困難のある重度身体障害者は通勤に公共交通機関を利用できないという理由で雇用に至らないケースや雇用継続が困難になるケースは決して少なくない現状があり、バリアフリー化の進展が重度身体障害者の就業の可能性を高めることには必ずしもなっていない。
  U調査方法:移動に困難のある四肢に麻痺のある障害者に対して通勤と就業に関する聴き取り調査を実施した。通勤と就業を可能にしている事例を通して、職業生活のあり方をA)〜D)の類型別に検討する。A)公共交通機関の利用によるケース B)自家用車通勤によるケース C)職住近接の居宅を構えて通勤するケース D)在宅就業のケース
  
V結果:移動に困難のある重度の身体障害者にとって、通勤と就業は毎日のことであり、身体的負担を伴うが、通勤と就業は個人の努力により、半ばリスクを伴いながら時差通勤等により辛うじて可能にしている状況である。バリアフリー新法施行後、生活環境の整備・改善は進展しながらも依然として、通勤環境や就業環境は重度身体障害者には非常に困難を伴う状況である。しかしながら施設設備が未整備でありながらも障害特性を活かした継続的な就業を可能にしている事例もあり、いずれの事例からも職業生活を通して生活にハリが出ている様子が窺われ、生活状況が好転していることが明らかになった。



UP:20090624 REV:
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