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「(声)「全盲なのに快挙」ではない」

『朝日新聞』大阪朝刊:18 20090616
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last update:20100426

 大学院生 安田真之(京都市中京区 22)
 米国の国際ピアノコンクールで優勝した辻井伸行さん。10日の天声人語に「全盲ゆえの賛辞は、実力を曇らす『二つ目のハンディ』だったかもしれない」とあったが、生まれつき全盲の私も同感である。
 以前、音楽やスポーツをしていて「見えないのにすごい」と自分の実力以上に周囲に評価され、悔しい思いをした経験がある。その時、私の目に浮かんだのは私以上にその道を極めている人々の顔であった。
 様々な報道で「全盲」に焦点が当たっていた。全盲は決して辻井さんの評価を規定しないし、快挙を強調する材料でもない。そこに焦点が当たる限り、彼の演奏が世間一般にきちんと評価されるとは考えにくい。
 今回の快挙を機に私たちが問い直さなければならないのは、「全盲なのにすごい」と思ってしまうことの根底にある「障害はマイナスで、克服すべきもの」といった考え方ではないか。


*作成:安田 真之
UP:20100426 REV:
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