HOME > 全文掲載 >

「大切な人が脳卒中を起こしたら介護者として心得ておきたい15の知恵」

児玉 真美 200906 介護保険情報 2009年6月号

last update: 20110517

大切な人が脳卒中を起こしたら介護者として心得ておきたい15の知恵

1. 知らないことは尋ねましょう。あなたの大切な人が飲む薬について、副作用も含めて、きちんと把握しておきましょう。疑問に思うことは医師や看護師、セラピストに尋ねましょう。脳卒中の直後や回復期の医療について、またリハビリテーションについても、はっきりと説明を受け、資料をもらいましょう。
2. 脳卒中を繰り返さないためリスクを減らしましょう。一度脳卒中を起こした人が治療の注意を守らなければ再び脳卒中を起こす確率が高くなります。健康的な食事、運動、正しい服薬、定期的な検診が大切です。
3. 回復は様々な要因で変わります。脳卒中が起きた部位、脳が受けたダメージ、患者さんの意欲や介護者のサポート、リハビリテーションの質と量、脳卒中を起こす前の健康状態など、回復には様々な要因が関わっています。脳卒中はどれ1つとして同じではなく、脳卒中サバイバーも1人として同じではありません。回復を他の人と比べないようにしましょう。
4. 回復は短期、長期の両方で考えましょう。通常、最初の3〜4週間で最も早い回復は起こりますが、中には発作後1年または2年が経った後になって、まだ大きな回復を見せる人もあります。
5. 症状によってはリハビリテーションを。次のような兆候があったら、理学療法士または作業療法士の支援が必要と考えましょう:めまいがある。バランスを崩して転倒する。日常生活で歩行や移動が困難。止まって休憩しないと6分以上歩き続けられない。それまで楽しんでいた娯楽や家族との外出を楽しまなくなった。日常生活動作に手助けが必要となった。
6. 転倒をあなどらないで。脳卒中の後での転倒は誰にでもあることです。ひどく転んだ時や、転んだ後に強い痛み、あざ、出血があったら、救急病院で診てもらいましょう。怪我のない、ちょっとした転倒でも、半年間に2回以上あるような場合には医師や理学療法士に相談しましょう。
7. 機能の回復具合を測るとリハビリ内容を変えることができます。機能回復の度合いによって、急性期リハをどれだけ受けられるかが変わります。急性期リハでは、機能的自立度計測スコア(FIMS)によって機能回復の程度を測り、ポイントを毎週上げることが求められているのです。項目には日常動作や移動、意思疎通スキルも含まれており、通常は一日に1〜2ポイント上げるのが目標となります。
8. 能力に変化があればサービスも変わります。脳卒中前よりも身体機能が低下していればメディケアでリハビリテーションを受けられます。前回のリハビリを受けて後に運動機能、言語機能、自助能力が改善しても、また、その逆に低下しても、その後のサービスを増してもらえる可能性があります。
9. 態度や行動の変化をチェック。ご本人が自分の感情をコントロールできにくくなっていないか、気をつけてチェックしましょう。そういう兆候があれば、医師に相談して対応するための計画を立てましょう。
10. ウツは回復の敵。そうなる前に止めましょう。時期のばらつきはありますが、脳卒中後にウツ状態になる人は3〜5割もいると言われており、よくあることです。しかし脳卒中後のウツ状態は回復やリハビリテーションに大きく影響します。ウツかなと思ったら医師に相談して対応するための計画を立てましょう。
11. 支援を求めましょう。脳卒中サバイバーや介護者支援グループなど、地域には家族やあなた自身を支援する資源があります。地域の情報を得るためには、ケース・マネージャー、ソーシャルワーカー、退院支援担当者との繋がりを切らないようにしましょう。
12. 保険の支払いについて把握しましょう。医師やケース・マネージャー、ソーシャルワーカーに相談して、リハビリテーションがどのくらいの期間に渡って保険で支払われるか把握しましょう。リハ・サービスは症例によって大きく違うことがあります。あなたの保険ではどのくらいの期間支払われるのか、自費でどのくらい支払うことになるのか、把握しておきましょう。
13. 必要なら協力を求め、自ら行動を。「医療上の必要」の不足を理由に保険会社がリハビリテーションを拒否した場合は、主治医に介入を求めましょう。保険者に記録を送ってもらい、必要なら自分で保険会社に電話をしましょう。
14. 自分の権利を知っておきましょう。あなたの大切な人の受ける医療とリハビリテーションの記録を公開してもらう権利が、あなたにはあります。カルテの記述や脳の画像も含め、医療記録のコピーをもらう権利もあります。
15. 自分を大切にしましょう。他の家族や友人、近所の人に協力を求めて自分自身のための時間を作り、介護からの休憩を取りましょう。きちんと食事をとり、毎日運動やウォーキングで体を動かして、ちゃんと休みましょう。


*作成:堀田 義太郎
UP:20100212 REV: 20110517
全文掲載  ◇児玉 真美
TOP HOME (http://www.arsvi.com)