*以下、http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2009012500023&genre=C4&area=K00全文
性同一性障害や「トランス・ジェンダー」(性を移行した人)らの現状を知ってもら
おうと、立命館大(京都市北区)で開催中の写真展が、大学側から無断で撤去されたこ
とが、24日分かった。企画した大学院生らは「表現の自由を踏みにじる行為」と抗議
している。
写真展は、性同一性障害と診断された人ら立命大生を含む5人をモデルにした「身体
と性−この曖昧(あいまい)な点と線」。立命館大の院生プロジェクト「クィア・スタ
ディーズ研究会」が企画し、19日から文学部と産業社会学部のラウンジに計90枚を
趣旨文とともに展示。会期は30日までだった。研究会によると、文学部は20日に無
断ですべて撤去し、抗議すると事務局は「過激で、公共の場にふさわしくない」と説明
した。また産業社会学部は23日に撤去した。
展示されていたのは、「男性の上半身」とも「女性のヌード」ともいえない身体を生
きる人たちのポーズ写真で、男か女かの性別2元論を問う内容。モデルには、勇気を出
して被写体になったことが性同一性障害手術後のリハビリだった人もいた。
企画した立命館大院生のヨシノユギさん(26)は「性の領域で不当に尊厳を奪われ、隠
されてきた人の存在を問題提起しようとしたのに、タブー視することは許しがたい。不
快と感じる人はいるかもしれないが、戦争被害を伝える時に、被害者の写真が表現とし
て成立するのと同じ」と訴えている。
立命館大広報課は「内容が不適切と判断したのではない。メッセージや研究趣旨が伝
わる展示になるよう、話し合っていきたい」としている。
◆2009/01/25シンポジウム「ナルシストランス宣言」/同時開催写真展「身体と性――この曖昧な点と線
於:立命館大学衣笠キャンパス