トランスジェンダーとの出会い
まず、自己紹介も兼ねて、私がどのような経緯で、トランスジェンダーとしての活動を始めたか、トランスジェンダーとしてどのような問題に出会ってきたかをお話しします。
先ほどポリガミーでパンセクシャルのFTM(Female to Male)TXジェンダークイアと紹介されましたけど、それだけ言われても、全然わかんない人が多いんじゃないかと思います(*9)。私は幼稚園に上がる前から、女じゃないという意識があって、でも自分が男だという確信はなかったんですね。幼稚園がカトリック系で、紺色のスカートに白いタイツ、ピンクのスモックという制服でした。それで自分が女と決定付けられるんだと思って、「僕」という一人称をそれまで使っていたんですけど、使えなくなりました。小学生のときに、たまたまインターセックスのマンガを読んで、インターセックスは半陰陽、身体的に男と女の中間にいる人のことですが、直感的に自分はインターセックスなんだと思いました。それで、インターセックスと思っていたんですけど、初潮が高校一年生の時に来て、本当に女ということが決定付けられて、ショックでした。
それで、25歳のときに、MTF(Male to Female)TS(男から女に性転換する人)レズビアンの麻姑仙女さんという人と、たまたま会いました。その時、私はバイセクシャルの彼女と一緒にいたんですが、麻姑仙女さんは襟にレズビアンマークのバッチをつけていて、私に「あなたこちらの人ですか」と聞いてこられたので、「いちおうそうです」と答えたんです。女の子も好きだったんで、レズビアングループに参加するようになって、でも自分がレズビアンとは思えなかったんですね。
20代後半のとき、KENNさんという、MTFになりたいけど、でもゲイとして24時間男装をして生活しているという人がいて、その人の影響もすごく受けました。それでこういう人たちがいるなら、とトランスを始めました。