厚労省は先ごろ11月11日を介護の日とすることを決定した。また、NPO法人全国在宅医療推進協会(神津仁理事長)が介護者とかかりつけ医の双方を表彰する「ファミリーケア大賞」を創設するなど、このところ介護や介護者への理解を深める啓発に向けた動きが続いている。
14年前から毎年6月に実施されている英国の「介護者週間」については2007年6月号の当欄で紹介したので、「介護の日」制定を機に米国ではどうか調べてみた。英国ほど大きな規模ではないが、National Family Caregivers Association(NFCA:全国家族介護者協会)が毎年奇しくも同じ11月に「家族介護者月間」を開催している。
「家族介護者」として連帯を
夫の介護体験からNFCAを創設したMintz氏だけあって、そのサンプル記事は、なかなか鋭く読み応えがある。特に興味深いのは、専門家によって常用されてきた「インフォーマルな介護者」という呼び方は時代遅れで気に入らないと書いていることだ。理由は「フォーマルな介護者」である専門職との間にヒエラルキーを匂わせるものだから。Mintzさんは「家族介護者」という共通の言葉に統一して、その言葉の元にみんなで連帯し、介護負担を軽減する支援、医療のあり方やメディケアの仕組みの変革を訴えていこうと呼びかける。
また「家族介護者は外に向かって助けを求めにくいものだから、身近な人が押し付けがましくない、ちょっとした心遣いで手助けをすることが必要」だと、日本でも専門家の間で「インフォーマルなサービス」と呼び習わされている支援について、具体的な提言を行っている。例えば週に一度食事を差し入れる、庭の芝を刈ってあげる、ちょっとの間介護から解放してあげる、移動時の運転手を買って出るなど。いずれも介護者がアテにできるように、いつ何をしてあげるかを事前にはっきり告げておくことが肝要。A little bit of help can go a long way. (ちょっとした手助けが大いに役に立ってくれるものなのです。)