| >HOME 配布資料 ○田島 明子・坂下 正幸・伊藤 実知子(立命館大学大学院先端総合学術研究科) 野崎 泰伸(立命館大学衣笠総合研究機構GCOE生存学研究拠点ポストドクトラルフェロー) 200806** 福祉社会学会第6回大会 於:上智大学 →抄録はこちらから 資料1 79文献の年代とタイトル 【1980】6 1森幹郎「老人のリハビリテーション」14-7:450-454 2藤本利明「老人患者の心理的問題」14-7:455-461 3浜田晋「老人の痴呆」14-7:463-466 4宮地敬、奥井良子、林義孝「施設老人に対する理学療法の現状と意義」14-7:467-471 5岩崎テル子「在宅老人に対する作業療法」14-7:473-479 6酒井喜代司、福田修「高齢者における長期臥床患者の理学療法」14-12:865-866 【1981】1 7福屋靖子「片麻痺・寝たきり老人のための生活機器」15-1:181-191 【1982】16 8大友英一「高齢患者の医学的側面」16-2:82-85 9今泉寛、高島耕「高齢患者における外科的術前術後管理−理学療法士の立場から−」16-2:87-95 10江藤文夫「高齢者の排尿障害」16-2:97-102 11長嶋紀一「障害老人の心理的側面」16-2:103-106 12秋元波留夫「精神病院人口の高齢化現象」16-2:107-110 13古市圭治「老人保健法(案)について」16-2:111-113 14入来正躬「老人 1.老化と生理機能」16-3:183-188 15大森健一「老人 2.老人の精神衛生」16-4:267-272 16井上勝也「老人 3.老人と生きがい」16-5:347-350 17奥山正司「老人 4.高齢者の生活構造とその実態」16-6:419-424 18皆川靱一「老人 5.老人の社会参加−特に米国・スウェーデンの実情を通して−」16-7:503-508 19吉沢勲「老人 6.老人と家族病理」16-8:569-574 20下斗米傑「老人 7.高齢者の就労実態」16-9:635-639 21小倉襄二「老人 8.老人福祉への発想−現状の考え方とシステムの開発−」16-10:695-698 22浅野仁「老人 9.生活施設の課題とその対応−TotalInstitionの観点から−」16-11:769-774 23佐藤善夫「老人 10.福祉労働の現状と従事者の社会的生活−老人福祉施設を中心に−」16-12:845-853 【1983】6 24河本のぞみ「脳卒中 老人片麻痺患者への手工芸の適用」17-2:89-95 25河本のぞみ「老人における作業活動の意義−その効果と限界−」17-2:119-126 26丸山仁司、金子直子、中山影博、金子美奈子、浅利禎子、清水政夫、遠藤教子、池谷義道、秋山純和、高島耕、福田敬三「ナーシングホーム入寮者の日常生活動作能力(第2報)」 27芳賀敏彦「老人保健法(1)」17-3:206 28芳賀敏彦「老人保健法(2)」17-4:264 29内山伸治「褥創 老年者の褥創に対する医学的管理」17-9:589-596 【1984】7 30柄澤昭秀「プログレス 老年期痴呆の薬物療法」18-6:411 31飯島昌夫「あんてな 老人保健法施行後、健康管理センターにおけるリハビリテーション活動」18-6:414 32小山秀夫「老人保健事業の現状と展望 老人保健事業のかかえる問題点」18-8:533-539 33土居眞「老人保健事業の現状と展望 老人保健事業の将来展望」18-8:541-546 34内田恵美子「老人保健事業の現状と展望 老人保健事業における保健婦の役割と現状−埼玉県富士見市の場合−」18-8:547-554 35井口恭一「老人保健事業の現状と展望 老人保健事業、主に機能訓練事業への行政の理学療法士の立場からの取り組み」18-8:555-560 36松下起士「老人保健事業の現状と展望 老人保健事業へのとりくみ−日本作業療法士協会老人問題専門委員長の立場から−」18-8:561-566 【1985】7 37江藤文夫「とびら 老人のリハビリテーション雑考」19-1:1 38中村重信「痴呆 1.痴呆の病態生理」19-1:53-58 39本間昭「痴呆 2.老年期の痴呆性疾患」19-2:125-130 40出席者:駒沢治夫、三好春樹、松下起士、山崎一朗、(司会)松沢博「座談会 老人分野におけるPT・OTの将来」19-3:160-170 41播口之朗「痴呆 3.老人の痴呆とボケの日常生活上の行動障害」19-3:171-178 42井上勝也「痴呆 4.老人のボケと痴呆の心理的背景」19-4:245-250 43笠原洋勇「痴呆 5.老人の痴呆とボケへの対応」19-5:325-330 【1986】10 44徳田哲男「歩行(基礎から臨床まで)3.高年齢者の歩行」20-5:347-352 45松沢博「老健法による機能訓練事業実施にむけて」20-6:416-417 46岩崎テル子「老人のためのリハビリテーション施設体系−居宅主義の理念から見直す−」20-10:671-680 47今井幸充「痴呆を合併する患者の理学療法・作業療法 痴呆の病態とケア」20-10:728-733 48中村英男、小西広志、早山祐司「痴呆を合併する患者の理学療法・作業療法 痴呆老人と家族の実態−デイホーム事業の報告−」20-11:735-740 49高口聡、斎藤靖夫「痴呆を合併する患者の理学療法・作業療法 痴呆を合併する障害老人の理学療法」20-11:741-746 50寺内智子「痴呆を合併する患者の理学療法・作業療法 痴呆老人に対する作業療法」20-11:747-751 51小宮勇、高野静子「痴呆を合併する患者の理学療法・作業療法 ぼけ老人の意義−介護者への援助の視点−」20-11:752-757 52三好春樹(インタビュイ)「インタビューPT・OTの世界 老人の生活ケアをめざして」20-11:774-775 53朝長正徳「プログレス アルツハイマー病とアルツハイマー型老年痴呆の新知見」20-12:847 【1987】5 54深山牧子「プログレス 老年者の感染症」21-2:21 55高瀬昭「プログレス 老人の結核」21-3:189 56宮森達夫(インタビュイ)「インタビューPT・OTと職域拡大 快適な老人ホームづくりに励む生活コーディネーター」21-5:342-343 57洲崎俊男、浅井仁、奈良勲、立野勝彦、曽山敏一「地域老人福祉センターの活動状況ーADL・生活時間などからみたQOLを中心にー」21-5:345-3537 58一村知成「老人保健法と老人保健施設 1.老人保健事業実施経過と第2次5カ年計画」21-7:463-471 【1988】4 59太田隆、源菜穂子「老年者の骨折事故と理学療法」22-7:414−419 60河本のぞみ「元気に仕事するために;地域で老人とかかわる療法士へ」22-10:673-674 61丸田和夫「脳血管性痴呆のとらえかたと対応」22-11:706-711 62進藤伸一「重度障害老人の全身持久力におよぼす離床の影響」22-12:827-830 【1989】 作業療法ジャーナル12 63岩田敏郎「特集 老人施設の作業療法 現代のキーワード「老人施設」と「リハビリテーション」」23:35-39 64村上重紀「特集 老人施設の作業療法 特別養護老人ホームの作業療法」23:41-45 65田村修二「特集 養護老人ホームにおける作業療法」23:46-50 66高橋進一「特集 老人施設の作業療法 老人保健施設でのリハビリテーション」23:51-56 67中川良裕「あんてな 老人保健施設の動き」23:324-325 68山口隆司、佐々木珠代、野見山直子「痴呆患者に対する作業療法の現状」23:397-402 69前田大作「特集 痴呆患者の作業療法 痴呆性老人対策の今後の方向」23:412-416 70大国美智子「特集 痴呆患者の作業療法 痴呆患者のトータル・マネージメント」23:417-421 71広沢美佐子、和才慎二、大田千鶴「特集 痴呆患者の作業療法 痴呆性老人に対するOTアプローチ」23:423-431 72三好春樹「特集 痴呆患者の作業療法 "問題老人"が人気者になるとき」23:432-436 73笹森貞子「特集 痴呆患者の作業療法 「ぼけ老人」をかかえた家族の問題・悩み 「ぼけ老人てれほん相談」より」23:437-443 74近藤敏「ショートレビュー 痴呆老人に対する作業療法」23:754-756 理学療法ジャーナル5 75和才嘉昭「クリニカル・ヒント 寝たきり患者への基本的対応策」23(1):54-55 76藤沢しげ子「クリニカル・ヒント 高齢者の理学療法;その運動量について」23(3):184-185 77田所作太郎「痴呆の治療薬」23(10):721 78新妻晶「下肢切断の理学療法 高齢切断者に対する義肢装着訓練」23(10):680-681 79中田昌敏・丹羽滋郎・小林章雄「中・高齢者の運動と筋力増強強化」23(11):757-762 >TOP 資料2 42文献のタイトル、データNo、内容について 【1980】 1森幹郎「老人のリハビリテーション」14-7:450-454 昭和36年から始まった老人リハビリについて。昭和36年に厚生省に設置された「リハビリテーション省内研究会」で検討されたリハビリは医学的リハビリが中心であり、特に一般老人に対するリハビリは触れられていなかった。老人福祉法が施行されたあたりまで厚生省内で老人リハビリに対する理解はあまりなく、これまで20年間の老人リハビリは、機能回復を重視したため、回復不能な老人たちが取り残される結果となってしまった。機能回復を重視しない、老人のためのリハビリ、地域や関係者とのリハビリの連携、訪問リハビリの制度化などが望まれる。 2藤本利明「老人患者の心理的問題」14-7:455-461 老人の心理的問題は、身体障害、脳血管障害、老年心理を含めた総合的なアプローチを必要とする。機能訓練プログラムの各段階における老人の心理的傾向と、各知能・身体機能の低下と情緒の関連を踏まえつつ、老人リハビリを実行する際にPT・OTが考慮すべきことなどについて述べている。 3宮地敬、奥井良子、林義孝「施設老人に対する理学療法の現状と意義」14-7:467-471 大阪市立弘済院養護老人ホーム・特養老人ホームにおける老人へのサービスと理学療法の実施例。老人に対し理学療法を行う際の注意点と、効果として考えられるものについての簡単な考察を行っている。 4岩崎テル子「在宅老人に対する作業療法」14-7:473-479 デイ・サービス実施から1年経過した時点での、現状のデイ・サービスの実態と問題点について。現状のデイサービスは提供者によってだいぶ差があり、施設規模や自治体の姿勢によって活動内容も影響を受ける。現状のデイ・サービスはまだ実験段階にあり、今後各施設の実情が明らかになっていくに従い、真に老人の役に立つデイケアとは何かを検討していく必要がある。 【1981】 5福屋靖子「片麻痺・寝たきり老人のための生活機器」15-1:181-191 障害のある老人、寝たきり老人のための生活機器は、使用法さえ間違えなければ有用である。主に片麻痺・寝たきり老人の姿勢保持、体位変換。移動動作に注目し、そのための生活機器の有効な利用法と、各機器の特徴、使用についての注意点について紹介している。 【1982】 6江藤文夫「高齢者の排尿障害」16-2:97-102 高齢者の排尿障害について、主に尿失禁について述べている。排尿の仕組みと失禁の種類をふまえた上で、治療や管理方法についての提示。尿失禁患者のほとんどは治療・改善が可能なので、医学的治療の組み合わせ、心理的支持、補助具を適切に選択することなどが正しく行われなければならない。 7長嶋紀一「障害老人の心理的側面」16-2:103-106 障害老人の心理的側面についての概略。障害老人の役割概念、心理的特徴をふまえた上で、どのように接し、対応していくべきかを考察している。 8古市圭治「老人保健法(案)について」16-2:111-113 老人保健法の概要。この法律は昭和53年から進められてきた老人モデル事業を全国的に推進しようとするもので、医療従事者は老人の属する地域社会に配慮し、適切なサービスを提供できる体制を作っていくことが求められる。 9井上勝也「老人 3.老人と生きがい」16-5:347-350 老人のいきがいについて、ふたりの老人の生きがいの例を考察しながら、生きがいとは何か、また「暖かい人間関係」が生きがい喪失状況を生み出してしまう可能性があることについて分析している。 10吉沢勲「老人 6.老人と家族病理」16-8:569-574 老人を取り巻く家族病理について。老人の家族病理は、老人の願いが満たされないところに生じるが、それは過去の状態と現在の状況とが複雑に絡み合って生じている。不和の原因を少しずつねばり強く取り除く必要がある。 11小倉襄二「老人 8.老人福祉への発想−現状の考え方とシステムの開発−」16-10:695-698 老人福祉と現在の老人福祉についての考え方について、江国滋のエッセイを手がかりに考察していく。現状の一例として、京都における民間、行政の老人福祉サービスを挙げ、多系列で弾力性の高い発想による政策形成を求める。 12浅野仁「老人 9.生活施設の課題とその対応−TotalInstitionの観点から−」16-11:769-774 老人ホームをゴフマンのtotal institutionの概念から分析し、そこから老人ホームにおいて生じている問題のおおもとがどのようなところにあるのか、入所者のニードと入所者の処遇内容、職員の業務課題などから考察している。 13佐藤善夫「老人 10.福祉労働の現状と従事者の社会的生活−老人福祉施設を中心に−」16-12:845-853 老人福祉の従業者についての分析。老人福祉の従業者の範囲と量は可変的で、専門職とその他の雑多な職種が混在している。就労意欲は「生活のため」という現実的なものと価値的なものに分かれ、それらのことは老人ホームの現状にも影響を与えている。 【1983】 14芳賀敏彦「老人保健法(1)」17-3:206 老人保健法の留意点。対象者、一部負担金、健康保険サービスなど。 15芳賀敏彦「老人保健法(2)」17-4:264 老人保健法の留意点。機能訓練と訪問指導について。訓練内容、対象者、実施する側が注意すべき点など。 16内山伸治「褥創 老年者の褥創に対する医学的管理」17-9:589-596 褥創について、形態、要因、関連する感染症などの概要をふまえた上で、褥創の管理方法について言及する。老年者の診療において、褥創に対する医学的管理の意義は大きく、褥創の要因に対して総合的対策をとることで、褥創を中心に展開される悪循環を断つことが肝要であると強調する。 【1984】 17小山秀夫「老人保健事業の現状と展望 老人保健事業のかかえる問題点」18-8:533-539 老人保健法に基づく老人保健事業の機能訓練と訪問指導の実施基準、マンパワーの問題点、地域リハビリにおけるPT・OTの役割を考察。その上で、当面の課題を提示している。法による実施基準が曖昧なことや、PT・OTの人材不足の現状において、ひとりでも多くのPT・OTの事業への参加が望まれること、地域リハビリの確立なしに老人保健事業の成功はありえないことなどを指摘している。 18土居眞「老人保健事業の現状と展望 老人保健事業の将来展望」18-8:541-546 老人保健法に基づく老人保健事業の中でもリハビリ事業に焦点を当て、老人保健法の課題について述べる。リハビリの現状をふまえた上で、今後のリハビリのあり方、展望について検討を加えている。リハビリの理念は「人間らしく生きる権利の回復」であり、この理念に沿ったリハビリ活動が生活の場で実践されていく必要がある。病院での機能訓練を充実させるとともに、老人の社会参加を可能にする家族条件、地域リハビリ活動の充実が求められる。 19内田恵美子「老人保健事業の現状と展望 老人保健事業における保健婦の役割と現状−埼玉県富士見市の場合−」18-8:547-554 埼玉県富士見市における老人保健事業の立ち上げに際し、保健婦が果たした役割と、事業実施後の実績についての報告。医療と老人との橋渡し的な役割や、老人のニーズの発掘などの点で、保健婦が果たした役割は大きい。個人・家族・地域との相互性、統合性を持ちながら働くことができる保健婦の存在は重要である。 20松下起士「老人保健事業の現状と展望 老人保健事業へのとりくみ−日本作業療法士協会老人問題専門委員長の立場から−」18-8:561-566 OT協会老人問題委員会設置からこれまでの活動状況と、老人作業療法の現状、作業療法の意義、問題点と将来の展望について。老人の作業療法はまだ発展途上にある。老人に対して、PT・OTが貢献できることは多くある。リハビリの枠や病院だけにOTの活躍の場を限定せず、OTの老人分野への展望と発展を期待する。 【1985】 21出席者:駒沢治夫、三好春樹、松下起士、山崎一朗、(司会)松沢博「座談会 老人分野におけるPT・OTの将来」19-3:160-170 特養ホームにおいて、理学療法・作業療法を実施していく上で気付いた点;・病院と異なり、生活に密着したアプローチができる。・PT・OTの卒後教育について。学校教育の中で老人について取り上げる必要性。・地域、家族とのコミュニケーションの必要性。地域、病院、保健婦、自治体との協力が必要。・老人作業療法の体系化の必要性。医療ではなく、別の面からのアプローチ法はたくさんある。工夫が必要。 22播口之朗「痴呆 3.老人の痴呆とボケの日常生活上の行動障害」19-3:171-178 痴呆患者の日常生活上の行動評価についての概要。痴呆状態は様々な要因によって変化するため、確実に評価する方法は今のところないものの、治療効果を妥当に評価するため、また痴呆の早期治療のために、痴呆の評価法の開発が求められる。 23井上勝也「痴呆 4.老人のボケと痴呆の心理的背景」19-4:245-250 老化性痴呆とボケは区別されるべきであるが、実際は混同して使われている。ここでは、ボケの範疇に入らない加齢上の軽度知的低下を「正常老化」とし、それと痴呆についての経年変化を俯瞰し、両者に影響する要因について細かく見ていく。特に健康状態、性差、教育的背景、ストレスなどと痴呆の関連はまだ未解明の部分が多い。これらの解明は、痴呆の防止、痴呆の心理的背景を明らかにする点で重要な意味を持つと思われる。 24笠原洋勇「痴呆 5.老人の痴呆とボケへの対応」19-5:325-330 痴呆への対応、対処の方法について、痴呆の要因、症状などの患者の状態、そこから発生する問題点などをふまえた上で、痴呆老人へのアプローチを心理・医学の立場から検討する。治療段階から介護段階まで、痴呆老人への対応は個別的であり、様々な方法があるため、ケースに合わせ工夫することが大切である。 【1986】 25岩崎テル子「老人のためのリハビリテーション施設体系−居宅主義の理念から見直す−」20-10:671-680 現状の老人福祉施設における問題点と、居宅主義から見た現状の施設体系についての検討。本来なら効率よい福祉を提供しようと慎重に計画するはずの自治体が、器作りに走ってしまい、老人に必要なサービスを提供しにくい状態になってしまっている。老人のニーズに沿い、現存のサービスを見直していく努力が必要である。 26今井幸充「痴呆を合併する患者の理学療法・作業療法 痴呆の病態とケア」20-10:728-733 痴呆患者について、痴呆の実態、病理をふまえた上で、どのようなケアが望ましいかを挙げている。痴呆を正しく診断した上で、家族に患者の痴呆を理解させ、介護を指導すること、痴呆の経過によって起こる症状に適切に対応していくことが重要である。 27高口聡、斎藤靖夫「痴呆を合併する患者の理学療法・作業療法 痴呆を合併する障害老人の理学療法」20-11:741-746 痴呆のある老人に対する一般病院での理学療法のアプローチ例。実際に病院で行った取り組みについてと、統計と症例の紹介。訓練室だけでなく、他の医療スタッフと連絡しつつ、病院内のあらゆる場所の環境を整え、場面を設定しながら訓練をする。世界・社会の一部としての療法士の自覚を持つべき。 28寺内智子「痴呆を合併する患者の理学療法・作業療法 痴呆老人に対する作業療法」20-11:747-751 痴呆老人の作業療法について実施内容および得られた結果の報告。痴呆老人についての考え方、老人への評価、実施した作業療法への評価、実際の症例とその結果など。施設の中で暮らし始めた老人には、医学の中だけではとらえきれない生活上の援助が必要であり、援助を行うには対象者およびその住環境、人間関係などを理解することが必要。作業療法士の持つactivitiesが、その人の持つ能力を十分に発揮する機会を保障することで、問題の一部を解決できるだろう。 29小宮勇、高野静子「痴呆を合併する患者の理学療法・作業療法 ぼけ老人の意義−介護者への援助の視点−」20-11:752-757 横浜市の「老人精神衛生相談(ぼけ相談)」における、実際の相談ケースの例と、その経験を通じて得られた介護者への援助に必要性について。ぼけ老人だけでなく、老人の介護を行う側にも抱える悩みや問題は多い。老人、介護者の関係者や家族の理解とともに、地域全体の介護力を高める必要がある。在宅ケアに向けての地域の取り組み例などを紹介している。 30三好春樹(インタビュイ)「インタビューPT・OTの世界 老人の生活ケアをめざして」20-11:774-775 三好春樹氏へのインタビュー。老人ホームでの理学療法士としての経験についてと、リハビリ研究所を立ち上げてからの活動、地域リハビリとPT・OTの専門性を生活の中に位置づける必要性などについて。 【1987】 31深山牧子「プログレス 老年者の感染症」21-2:21 理学療法等の適応患者によく見られる感染症について、発生要因や状態、必要とされる対応などの概略。 32一村知成「老人保健法と老人保健施設 1.老人保健事業実施経過と第2次5カ年計画」21-7:463-471 老人保健法に基づき、本格的な保健事業が実施されるように、厚生省は昭和57年を初年度とする保健事業の5ヵ年計画を策定して保健事業の段階的・計画的な推進をはかってきた。その後の状況等を踏まえて、厚生省公衆衛生審議会(老人保健部会)から提出された「保健事業の見直しに関する意見」で提示された、昭和62年度以降の第2次5ヵ年計画における重点的な検討課題の内容についての概説。 【1988】 33太田隆、源菜穂子「老年者の骨折事故と理学療法」22-7:414−419 骨折を機に寝たきりになる老人は多い。老人はなぜ骨折を起こしやすいのか、どうすれば予防できるのか、また骨折した場合の治療法はどのようにすべきかなどの点について、理学療法との関連から検討している。また、骨折の治療に関連して取り組むべき訓練や対応の仕方について、例を挙げて解説・紹介している。 34丸田和夫「脳血管性痴呆のとらえかたと対応」22-11:706-711 脳血管性痴呆の医学的概要ととらえ方について述べた上で、脳血管性痴呆患者への対応の仕方、目標とする理念、具体的に行うべきと思われる訓練・療法等について、実施の際に配慮すべきことなどについて述べている。 35進藤伸一「重度障害老人の全身持久力におよぼす離床の影響」22-12:827-830 重度の障害老人の全身持久力に対して、離床がどのような影響をおよぼしているかについての調査と結果に基づく検討。安静心拍数等の計測から、重度の障害老人の全身持久力は、「座っている」だけの作業であっても、毎日5時間程度離床させるだけで維持することができるという結果を得た。 【1989】 作業療法ジャーナル 36岩田敏郎「特集 老人施設の作業療法 現代のキーワード「老人施設」と「リハビリテーション」」23:35-39 老人の「人生の質」を向上させるためにも、老人施設において、医療職であるPT、OT、STなどの役割、そして、各専門職間のチームアプローチの重要性が述べられていた。 37村上重紀「特集 老人施設の作業療法 特別養護老人ホームの作業療法」23:41-45 特養ホームにおいて、OTは、寮母、指導員、看護婦と共同し、時に医療に拮抗しながらの生活に着目したケアや、心や身体、人と人との関係をよりよいものにしていく専門家であらねばならない、とする。 38高橋進一「特集 老人施設の作業療法 老人保健施設でのリハビリテーション」23:51-56 当院で経験した老健施設モデル事業の1年間の取り組みの紹介。医療から在宅ケア、包括医療の視点転換が必要となるなか、老健では、「治療」ではなく、あ日常生活への「適応」がリハビリで求められる。 39前田大作「特集 痴呆患者の作業療法 痴呆性老人対策の今後の方向」23:412-416 痴呆性老人のための社会的対策について筆者の私見が述べられている。例えば、夜間デイケアや、ホーム・デリバリー(訪問指導・看護、家事援助など)、福祉施設における長期ケア、など。 理学療法ジャーナル 40和才嘉昭「クリニカル・ヒント 寝たきり患者への基本的対応策」23(1):54-55 老人を寝たきりにしない、あるいは重度の寝たきりになることを予防する3つの基礎訓練の紹介と、寝たきり老人に対する基本的な対応についての配慮と注意点の紹介。 41藤沢しげ子「クリニカル・ヒント 高齢者の理学療法;その運動量について」23(3):184-185 高齢者の理学療法を行う際に気をつけること。老人は身体機能が低下しており、"ねたきり状態"になりやすい。適度な運動が大切だが、多すぎる運動量は危険であるので、至適運動量を決めることが重要。 42新妻晶「下肢切断の理学療法 高齢切断者に対する義肢装着訓練」23(10):680-681 高齢者に施した義肢装着の実例の紹介と、実施の際に注意すべき事柄について。義肢装着には、高齢者自身への配慮とともに、家族など受け入れる側の理解と配慮が必要であり、退院後の生活設計まで検討した上でのプログラム設定が必要になる >TOP 資料3 対象文献数、分析対象とした文献数の推移
>TOP 資料4 結果 1 寝たきり老人の実態調査(6) ◆14【1981-5-182】 筆者の訪問指導を担当している中野区の寝たきり老人の90%がベットを使用し、23%が屋内で車椅子を使用している ◆42【1984-17-537】 現在25万人以上のねたきり老人が家庭で生活している537 ◆43【1984-18-542】 ねたきり老人の現状はどうであろうか。昭和56年の厚生行政基礎調査によると、65歳以上の寝たきり老人数は約44万人で、その内27万人(63%)が1年以上、ねたきりになっている(表1)。ねたきり老人の現況をみると、入院しているものは13万人、在宅のものは31万人であり、その介助の状況をみると、入浴時に介助が必要なもの76.5%、衣服の着脱69.2%、排便59.8%、屋内移動55.6%、食事46.5%となっている ◆45【1984-19-548】 (埼玉県富士見市における)また同年(S56:追記)末現在の60歳以上ねたきり者は106人(60歳以上老人人口比、3.6%) ◆95【1989-38-51】 2 『寝たきり老人実態調査』の実施 このような(筆者追記:要介護老人の増加と介護力の低下)状況に対応するため、昭和60年10月長野県農協大会は要介護老人施設の設置を正式に決定した。決定に基づき、「寝たきり老人」及びその介護人の要望をできるだけ反映し、要望に応えられる施設づくりをするために南佐久郡、佐久市(一部地域)の『寝たきり老人実態調査』を病院と組合の共催で行った ◆97【1989-38-56】 長野県社会福祉協議会の調査によれば、病院で機能訓練を受けた老人の内、約80%は退院後家庭で訓練を継続していない。その結果、病院内で杖歩行の患者の多くが「寝たきり」に戻っている まとめ 80年代全般を通して、寝たきり老人の生活状況についての調査報告結果が見られる。特に中盤から後半にかけては、各地域レベルで、様々な組織によるより詳細な実態調査がなされるようになってきたようである。 2 寝たきり老人は失禁患者になる(1) ◆17【1982-6-100】 尿失禁は極めて不快な症状であるが、老年者のためのトイレに関する配慮を欠く場合が多く、とくに入院患者や施設入所者で介護労力の不足と転倒を恐れるあまり、おむつの使用の例が増加する。寝たきり患者が即失禁患者となる重大な原因としてあげることができる まとめ 入院や施設入所の際の介護力不足によるおむつ使用が、寝たきり患者の失禁化を助長する。 3 寝たきり老人からサービスが遠のく(3) ◆1【1980-1-453】 このように老人のリハビリテーションは後退機能の回復ということに重点をおいて推進してきたから、その可能性のない老人や少ない老人についてはただペットに放置されるということになってしまった。リハビリテーションが華やかに人々の関心をひけばひくほど、これらの老人はねたきり老人、おしめ老人として顧みられることもなかったのである。そして、リハビリテーション室で訓練にいそしむ老人との対極化が著しくなってきたのである。リハビリテーションの歩みの中にみられる取り返しのつかない誤りといったら言い過ぎだろうか ◆30【1982-12-773】 入所者が完全ねたきりになったり、末期状態になると、その入所者への職員の足がしだいに遠のくことはよくみられることである。その理由のひとつは、その入所者の聴力や会話能力が著しく低下している場合、意思の疎通が非常に困難であり、また死の近い入所者に対するあアプローチは職員にとって決して容易なことではないからである。このような理由から、受動的にしか対人関係を保持することのできない、所属・愛情欲求をもっとも必要とする入所者に対して職員の積極的態度と処遇がことさら必要なのである ◆71【1986-30-775】 一期の受講者、特養ホームの職員などに聞くと「てっとり早く現場で役立つ知識を求めていた」というのが本音のようです。ねたきりの人をできるだけおこしたい、オムツをはずしたい、意欲のない人を生き生きとさせたいと心で思っても、ホームでは"老人だから"と逃げていた、それを何とか変えたいそんな熱心な受講生が多いです まとめ 機能回復を主眼におくリハビリテーションは、その可能性の少ない寝たきり老人を放置しがち。聴力や会話能力の低下した寝たきり老人は、意思疎通が困難なことから、職員の足が遠のきがちになる。しかし本来であれば、そういう人たちこそ職員の積極的処遇が必要。 4 同じ寝たきりでも重症度により身体相に異なりがある(1) ◆101【1989-40-54】 一口に寝たきりの状態の患者といっても、その病体の種類と程度には、法的にもまた臨床的にも、かなり様相の違いがあり、対応は容易ではない。つまり命名尺度や程度尺度に一考の要があるのが実情である。いまわれわれが過去に寝たきり患者の命名尺度と程度尺度の、表示のために行った調査結果での区分をここに紹介すると、命名尺度としては「寝たきり」「ねたきり」「ネタキリ」の軽症、中症、重症の三段階とし、それぞれの四肢体幹運動機能、セルフ・ケア、身の回り、皮膚、内臓病態、さらにコミュニケーションなどの如何よりみた程度尺度の得点では、正常臥床時を1とすると、「寝たきり」では80.1%、「ねたきり」では63.3%、「ネタキリ」では23.7%と、約20〜40%の減少得点となり、病体は軽症から重症に進むにつれて、倍増的に悪化している まとめ 一口に「寝たきり」と言っても、その病態の種類と程度には、法的にも臨床的にもかなりの様相の違いがあると指摘、「寝たきり」状態を運動機能、ADL機能などで、軽症、中症、重症の3相に分けている。 5 家族との関わり(8) 1)家族の愛情が寝たきり老人の生きがい感に与える影響 ◆23【1982-9-348】 たとえ"寝たきり"になっても、たとえば「どんな姿でもいいから、一日でも長生きしてほしい」という家族の強い愛情で支えられたら、人はやはり自分の生きていることに価値や意味を見出し、強い生きがい感を持つにちがいない ◆25【1982-9-350】 「暖かい人間関係」は確かにひとに生きる意味や価値を感じさせるものである。「どんな姿でもよいから一日でも長生きして欲しい」という気持ちは、寝たきりの人に生きる勇気を与え、大きな生きがいとなるだろう。しかし場合によっては、まさにその「暖かさ」が、ひとの生きる勇気をそう喪せしめることもあり得るのである 2)家族のストレス・負担 ◆26【1982-10-572】 親子不和の兆候 6)病理行動の出現 老人ばかりでなく子供も含めて、自殺、家出、夫婦不和(老若いずれも)、孫の非行、殺人、精神障害などが発生する。ねたきりで死亡寸前の老母を市役所の玄関前に捨てた事例も知っている ◆27【1982-10-573】 親子不和の原因 8)老人の心身の病気による家族のストレス ねたきり老人をかかえた嫁は、ディスカバー・ジャパンどころではない。オムツカバー・ジャパンの毎日。夫がよくサポートしないとトラブルは波及してゆく ◆44【1984-19-547】 ねたきり老人を抱えた場合住居、家族の負担増など老人をとりまく環境は整備されたとは言い難い現状にある 3)家族の介護の誤解が寝たきりを助長 ◆62【1986-27-742】 プログラムのゴール達成のためには障害老人と家族との新たな関係が充実できるか否かが重要な位置を占めると言えるだろう。それには、まず家族に痴呆とは何かを理解してもらう。介護の誤解によって痴呆症状を増悪させたり、寝たきりを助長させたりする 4)家族が施設入所の決定者 ◆91【1989-36-36】 特別養護老人ホームへの入所は、疾病を有したから、あるいは身体的、精神的機能が低下したからという理由だけでは入所には至らない。その経路は、障害老人、寝たきり老人を抱えた家族が、在宅で介護が非常に困難になった時点で福祉事務所へ入所申請する 5)家族が老人ホームを作り、自分たちの手で在宅ケア ◆56【1986-25-671】 東京山の手のある住宅地に、新しい老人ホームを作る会が生まれた。59年8月のことである。発起人は、家で世話をしていたねたきりの母を自分自身の手術のため、止むを得ず入院させて死なせた主婦である。もし近所に短期間預けられる施設があったら、母は死なずに済んだかも知れない。何故なら家に居た時母は病状が安定していたのだから。この痛恨の思いが一層彼女を老人の住宅ケアへ駆り立てた まとめ 「寝たきり老人」にとって、家族の「生きてほしい」という思いは生きる支えになる一方、家族が施設入所の決定者となり、生活の主体性を奪ったり、寝たきりを助長させる存在となりうることも指摘。一方、「家族」にとっては、ストレス・負担な存在であるとともに、自分達で「在宅ケア」を作ろうと思うきっかけとなることも。 6 痴呆と寝たきりの関連(13) 1)痴呆→寝たきりを防ぐために人間的交流を持つ 55【1985-24-329】 痴呆老人では孤立化、寝たきりなどにより症状の憎悪することがよく知られている。できるかぎり人間的交流をもたせ、日常生活の水準を維持させることが重要である 2)精神病院での寝たきり老人の処遇は職員に過度の負担 ◆68【1986-29-755】 ぼけ状態の観察では、@全身状態を観察し他疾患の有無、身体症状の出現の状況を見極め、ぼけ症状と関連づけ判断する。そして医療にに結びつくこと、生活行為の基本的な部分である排泄、食事、清潔、睡眠等のさせ方についてまた、ねたきり状態の場合はそれ等に加えて、じょくそうの処置や機能維持訓練(移動能力の低下を防ぐ)等の方法を具体的に助言する ◆99【1989-39-415】 (筆者追記:精神病院における痴呆症の老人の処遇は)職員の配置も同様の前提に立って行われているため、身体的に虚弱、あるいは場合によってはほとんど寝たきりのような老人を入院させると、医師や、看護部に過度の負担をかけてしまう 3)痴呆の悪化により寝たきりに ◆49【1985-22-172】 痴呆老人では、寝たきりの者から少しは動く者までの非活動的な者が54.7%を占めており、痴呆が重症になるほど非活動的になる傾向を示している ◆51【1985-23-248】 長谷川らは、前述の長谷川式をもちいて、より一般的な健康状態の悪化(ADLの低下)と、知的状態との関連を調べたが、図6にみる如く、長谷川式の得点が低下するに従い、"寝たきり"状態が急速に増加する傾向が認められたことを報告している ◆53【1985-24-327】 ADLからみると痴呆老人や特養ホーム老人が在宅の痴呆を認めない老人に比較して寝たきり、寝たり起きたりが多く活発に外出するものが少ない。痴呆老人の心身機能がかなり低下したものであることは表3の介護の程度からも分かる。移動、食事、排尿、入浴、着衣などを総合して介護の程度との関係をみると、痴呆老人では41%が全介助を必要としており、特養老人の部分介助が半数に達することを考えると痴呆老人の介護の負担は生易しいものではない ◆54【1985-24-328】 身体的欠陥を伴なう痴呆は45%であるが、いわゆる寝たきりあるいは著しい視聴覚障害を伴なう痴呆老人で、寝たきり、失禁、じょくそう、四肢麻痺などの程度の強い身体合併症を有し、車椅子、歩行器などを使用する場合もあるが概ね医学的管理のほかに全面的介護を必要とする ◆61【1986-26-731】 痴呆老人では全般的日常生活動作(ADL)の低下を伴なうことが非常に多い。痴呆老人の約30%が寝たきりで、寝たり起きたり、および起きているが動きの少ない老人を含めると約50%以上ある。痴呆の程度が高度になると寝たきりの老人は増加を示すが、特に脳血管性痴呆では寝たきり老人が多く、アルツハイマー型痴呆の約2倍を示している 4)痴呆への処遇は寝たきり老人に比べ遅れている ◆69【1986-29-757】 ぼけ老人の看護についてはまだまだ体験が浅く、「ぼけ老人の理解」もおぼつかない状態であることに気付いた。従ってここで述べたことはほとんどが「寝たきり老人への看護」から学んだことの域を出ていないと思う ◆98【1989-39-414】 わが国の場合、寝たきり老人のための短期保護事業は国の保護事業となっており全国的に広く実施されているが、痴呆性老人の短期保護事業は、まだ極く一部の都道府県で行われているだけであり、早急に全国的に普及することが望まれる 5)痴呆老人の身体機能維持が大切・痴呆が機能回復の効果を妨げる原因に ◆3【1980-2-459】 脳血管障害後の痴呆は、リハビリテ−ションの阻害因子の1つであり、たとえ身体機能のゴールが高くても呆けが強いとADL自立が困難になる場合が少なくない。発症後かなりの期間寝たきりになっていた患者に、見当識の低下を見ることは珍しいことではない ◆64【1986-28-748】 痴呆老人で問題があると言われる人のほとんどは、身体機能は非常によく保たれている。この心身機能のアンバランスが痴呆老人の問題行動である徘徊や生活リズムの乱れを引き起こすのではないかと考える。しかし、障害という面から捕えれば、知的活動は障害されているが、身体機能は残存能力として維持することは、骨折やねたきりなどの二次障害を防止するためにも大切なことであると思われる ◆84【1988-34-707〜708】 脳卒中の理学療法において早期治療が必要であることは述べるまでもない。脳卒中患者では運動機能障害の軽重の差はあっても、その多くは残存能力に応じて自立した生活を営める程度に機能回復を図ることができる。したがって、痴呆患者の場合でもやはり早期治療は重要であり、できる限り寝たきりにならないように機能回復を促進することが痴呆の悪化防止につながる可能性があるとされている。しかし、その反面痴呆はむしろ機能回復の効果を妨げる最大の阻害要因であることも否定できず、情意の障害や高次脳機能障害による影響が大きく関与している まとめ 痴呆の人の身体機能の維持がリハビリテーションの重要な課題となることが言われる一方で、痴呆の悪化が寝たきり化を作ることや、痴呆がリハビリテーションの阻害因子となることも指摘。また、痴呆の人への処遇の方法論進展や事業が寝たきり老人に比べて遅れていること、寝たきり化した痴呆老人の処遇が職員にとって過度な負担であることが指摘。 7 寝たきりになる原因(12) 1)骨折が契機に ◆52【1985-24-326】 痴呆を認めない老人が骨折で長く寝たきりでいたり、時には感冒のために数ヶ月寝こんでいる老人にもの忘れがみられ軽い痴呆を認めることがあるが、感冒例などでは、感冒の軽快とともに痴呆症状が消失することがある。つまり身体疾患によって惹起された脳障害では、身体管理は痴呆の治療上重要な意味をもつ ◆82【1988-33-414】 人口の高齢化に伴ない疾病を有する老人の増加、特にいわゆる寝たきり老人の問題は医療、社会の問題となっている。これらの寝たきり老人の発生の原因としてもっとも多いのが脳血管障害であるが、骨折を契機に寝たきりになるケースが多いことは一般によく知られていないと思われる ◆83【1988-33-417】 大腿骨上端部骨折例と脊椎圧迫骨折例とは長期にわたり臥床を強いられ、治療がうまくいかないと寝たきりの原因ともなり老年者においては重要な問題である 2)高齢者は廃用性で寝たきりになりやすい ◆11【1981-5-181】 人間の体には、正常でも、無動により廃用性筋萎縮、骨萎縮、関節拘縮等が起こり、寝たきりになっていると心肺機能やその他の自律神経反射も寝た状態で間に合う程度にしか働かなくなってくるという生理的メカニズムがある ◆103【1989-40-54】健康者でも長期間ベット上に釘づけ状態にされると、上記身体三面に退行現象が現れるが、これが病気や怪我などの病態に悩まさている患者や老人の場合には、なおさら拍車がかかり、すぐさま寝たきり状態に陥ってしまう ◆106【1989-41-184】 これら高齢患者に共通することは廃用性症候群を引き起こしやすいことである。つまり、"寝たきり"になりやす ◆107【1989-42-680】 (筆者追記:股離断)術後228日目に(筆者追記:屋外歩行可能となり)自宅近医へ転院。再手術されたものの、当初より義足歩行の意欲があり訓練は順調だった。ただし、親子関係が悪く家族の介護拒否あり、引き取り先に問題が生じた。転院先では両松葉杖にて院内のみ自立していたが、4年現在では、全身状態が悪化し、同院で寝たきりの生活を送っている 3)疾患;脳卒中、パーキンソン症候群、交通災害など ◆10【1981-5-181】 寝たきり老人の半数以上が脳卒中や動脈硬化症で占めているのが現状である ◆37【1983-16-593】 〈症例1〉68歳男性、パーキンソン症候群 61歳で発症し、67歳で屈曲性対麻痺となり寝たきりで、じょく創が出現 ◆38【1983-16-593】 〈症例3〉81歳男性、パーキンソン症候群 寝たきり状態で敗血症を繰り返した。両坐骨結節部にじょく創(図4D)を認める。一見浅いようであるが中心部は壊死となり黄緑色に変色し浮動感を伴なう。切開により手しょう大に拡がる膿瘍を認め排膿を行った ◆92【1989-36-37】 3回目の発作(筆者追記:脳梗塞)の後はまったくの寝たきりの状態となり・・・ ◆100【1989-40-54】 交通災害や老人人口の増加に伴ない、それらに起因する寝たきりの状態の患者対応を余儀無くされるに至っている まとめ 骨折や廃用性、疾患では、脳卒中、パーキンソン症候群、交通災害などにより寝たきりになることが多い。 8 寝たきりになるとは本人にとってどういうことか(9) 1)寝たきりによって主体的に生きられないことの苦悩、寝たきりを防ぎいかに主体的に生きるか ◆22【1982-9-347〜348】 このように幸福な生活の中で生きがいを喪失している人々がいる反面、大きな「不幸」によって生きがいを失っているもう一群の人々がいる。われわれの調査によれば、この人々は、身体的にか経済的にか、あるいは人間関係においてか、さらにはそのすべてにおいて「不幸」な状況におり、そしてその「不幸」に圧倒され、疲れ果てており、結局その不幸な状況から抜け出そうとする意欲や気力までも失ってしまっている人々であった。この人々は、典型的には生活の主要場面がベット上に限られる"寝たきり老人"であったり[省略]この人々の行動傾向は、持続性がなく刹那的であり、投げやりであった。自由になる金銭がほとんどないか、あっても(寝たきりなどで)使い途がないかであった ◆24【1982-9-349】 生きがいを喪失しているある老婆は、世界一周旅行を夢みて、中年期から貯えをはじめたが、予定の貯えが出来た丁度その時点で脳血管性の障害に見舞われ、寝たきり状態となり、結局世界一周旅行という目的それ自体を放棄してしまっていた。そして彼女には、そのことに共感し、慰めを言ってくれる相手もいなかった ◆50【1985-22-177】 (痴呆における)問題行動や問題症状は中等症や軽症の段階で出ることが多く、家庭や周囲の人達に大変な迷惑をかけ、施設や病院での治療看護上の重大問題となっている。しかし、この状態はねたきり患者や植物人間よりもはるかに人間らしい状態であることを認識すべきである。実際に、この状態のかなりの部分は痴呆患者の身体・心理状態の悪さや環境の劣悪さによることが多く、行動異常の内容を部分析すれば、予防したり治療することが可能であることを、まず銘記すべきであろう ◆70【1986-30-774】 例えば、60歳で片麻痺になっても20年以上も平均余命があり、残された時間は長いです。この長い時間、一体どうやってねたきりを防ぎ主体的に生きてもらうかと ◆105【1989-40-55】 寝たきり患者の最大の苦悩の1つに、用便行為を他人の介助に頼る悲しさがある 2)寝たきりをめぐる心理 ◆9【1980-4-476】 (デイ・ホーム利用者)の健康状態を表4aの総合評価でみると床から離れられないでいるか、離れてもあまり動かないいわゆる一部介助監視群が71.6%もいる。ねたきりの4人というのは機能的に動けないのではなく動く意欲を無くして寝込んでいた者である(表4b) ◆108【1989-42-686】 心因性の疾患別は若年者と異なり、予後は寝たきりになると思い込み、生活不安が恐怖となり、症例4のうつ病や症例8の胃潰瘍にまで発展することがあるため、精神面でもより配慮が必要とされた 3)寝たきり老人の心理 ◆18【1982-7-105】 何らかの障害をもち、寝たきりあるいは行動の自由を阻害されている障害老人は、的確な自己認知、状況判断が困難なこともあり、治療者や訓練者に対してどうしても依存的になりやすい。依存的あるいは依存的行動には@ともにあることを求める、A注意を向けてもらうことを求める、B助力を求める、C保証を求める、Dこころの支えを求めるなどが含まれるとされる ◆67【1986-29-755】 Aさんはねたきりになったが、薬をやめたせいか以前より意識もしっかりとし、おだやかな日々を過ごしている まとめ 「寝たきり」になるとは、目的を放棄せざるを得ない、主体的に生きられない苦悩があり、寝たきりを防ぎいかに主体的に生きるかが大切である、動く意欲が失われた状態、「寝たきり」になることの不安、という記述がある一方で、「寝たきり」であっても、投薬をやめ、意識が清明になり、穏やかな日々を過ごしている、という記述もあった。 9 老人をめぐる様々な諸相の問題(2) ◆31【1982-13-845】 老人問題は、今日、ますます拡がり、深刻化している。それは、寝たきり・痴呆(ボケ)老人、一人ぐらし老人などの問題として、主として考えられることが多い。しかし、そうした問題も、その内実を吟味していくと、世話・介護力の脆弱化あるいは欠如、社会関係の希薄化(孤独、孤立)、本人または世帯員の生計維持の困難など、いくつかの共通した内容を持っていることが明らかになる ◆32【1982-13-846】 社会福祉が対象とするさまざまな生活問題は、たとえば高齢者を例にとると、現象としては、一人暮らし、寝たきり、痴呆(ボケ)などの形で現れる。しかし、その問題は、具体的には、生活困窮、家族関係の不調和、孤独・孤立、疾病、要介護などさまざまなものから成り立っている まとめ 「寝たきり」も、一人暮らし、痴呆とならぶ、老人問題の1つととらえられる。その内実としては、介護力の脆弱化、社会関係の希薄化、世帯員の生計維持の困難、家族関係の不調、など。 10(特老・老人保健施設などの)施設のあり方について(9) 1)介護・看護・医療・機能訓練を併せた施設の必要性 ◆58【1986-25-674】 2)ねたきり老人の増加と施設の役割 我が国のねたきり老人は、昭和59年度調査によると、478000人(寝たきり出現率は総人口比4.0%)である。この内入院99000人、特養入所112000人、在宅267000人となっている。今後のねたきり老人の見通しは表3の通りである。21世紀には重介護老人は100万人を突破することになる。介護者の状況をみると、在宅と入院のねたきり老人の世帯構成は、3世帯同居(老人と子供夫婦と孫)が45.8%と最も高く、次いで老夫婦とその未婚の子の世帯が15.7%である。主たる介護者は、嫁34.4%、配偶者31.5%の順である。これをみても特老待機の理由が推測されよう。厚生省は特老の大幅増設をうたっているが、一施設平均100人定員が普通であり、建設費補助、措置費を考慮すると、待機者全てを入所させることは不可能である。ここから在宅ケアの方針が必然的に生まれてくるのであり、在宅処遇を原則とした上での利用施設としての中間施設構想が生まれた理由である。しかしながら、重度痴呆老人を含む重介護老人を家族が世話し続けるには自ずと限界があり、肉体的理由(老いた配偶者、超高齢の親をみる老年期の嫁や娘など)経済的理由(夫婦共働きの必要)、家屋構造等により、たとえ在宅サービスが現在より充実し得たとしても、特老の必要性はなくならないであろう ◆59【1986-25-675】 特老・・・在宅での介護が困難なねたきり老人を収容して生活の場を提供することを目的とした福祉施設(家族機能の代替としての生活サービスの提供が主な目的とした福祉施設(家族機能の代替としての生活サービスの提供が主な目的)。老人保健施設・・・病状が安定しているねたきり老人に対し、看護・介護・機能訓練・一定範囲の検査投薬処置等医療サービスを提供すると共に、併せて日常生活サービスを目的とした医療ケアの濃い施設) ◆86【1988-33-710〜711】 当ホームにおいては痴呆性老人のケアを重点目標にして毎日試行錯誤を繰り返しているが、重度の動く痴呆から寝たきり痴呆に至るまでの過程で必要となる介護(care)と治療(therapy)を含めた特別養護老人ホーム(skilled nursing facility)としての役割を果たしていかなければならないと思っている ◆90【1989-36-35】 老人ホーム、特に特別養護老人ホームと家庭との大きな違いは、前者が集団生活の場であり、老人のための設備上の配慮がなされ、専門職員が置かれている介護施設であることである。したがって、ねたきり老人や痴呆性老人の処遇にあたっても、この点が前提になるだろう 2)施設の問題 ◆48【1985-21-164】 山崎 もうすでに一通りの治療過程が終わってプラトーに達した段階の老人でも行き場所がないためにそのまま医療機関にとどまっている人もいますよね。そうすれば、かえってある程度回復した機能も逆にまた落ちていくんです。急性期のリハビリはよかったけれども、途中で挫折して、かえって落ち込んでしまう事態になる。そして、1回落ち込んだ老人が、特養に入ってくるんです。それも本格的なリハビリの理念のある特養ホームであれば老人に本来必要な『処遇』ができると思うんですけど、従来から言われています生命維持のためだけを主にしているホームになりますと、かえって「寝たきり生産工場」のような感じになるんですね ◆57【1986-25-674】 政府は昭和59年度より養護に小規模特老(30〜40人規模)を併設出来ることとした。加齢による疾病・臥床に対応出来るサービスの流れが1つの施設の中になかったこと自体問題である。ねたきりになってからの施設替え(養護から特養へ)は、老人の適応力を著しく弱めるからである ◆66【1986-29-754】 初めての家族から離れての施設入所は当然のことながら不安状態をひきおこした。ねたきり老人のぼけ症状への対応は出来ていたが、いわゆる"ぼけ"の老人への対応あは初めての経験でもあって、本人への対応が不慣れのため、不安感が爆発し暴力という形で出てしまい、施設側にも家族にも不安感が高まった 3)地域独自の施設機能 ◆8【1980-4-475】 筆者の勤務するセンター(信愛デイ・ケア・センター;サービスエリア:東大和市、東村山市、清瀬市、小平市、東久留米市)では、併設の病院で老人のリハビリテーションを行っており、特別養護老人ホームも持っている関係上、老人の医療と福祉に対して一貫した方針がある。寝たきり老人をつくらないための地域教育も5年の歴史がある475 ◆47【1985-21-161】 松下 私の勤務する施設(筆者註:四天王寺悲田院)老人施設、特別養護老人ホームが100床と、養護老人ホームが300床、ほかに小児施設として、肢体不自由児と精神薄弱児の通園施設あわせて1100名。保育所が90名と、それから、児童センターが併設されている複合福祉施設です。また、市の委託事業として、地域の老人に対して、老健法という機能訓練事業と、入浴サービス、食事サービスを中心にしたデイ・サービス事業を併せて行ってます。寝たきり老人に関しても、当院のPT・OT、寮母で1週間に1回訪問指導に行っています まとめ 介護・看護・医療・機能訓練を併せ持った施設の必要性が言われたり、各地域レベルでの独自の先駆的な取り組みが紹介されたりしているが、一方で、施設が「寝たきり生産工場」となっているや、寝たきりになってからの施設替えは本人にとっての負担となること、施設職員の不慣れな対応が、施設・家族ともに不安を呼び起こすなどの指摘がなされている。 11 寝たきりに対するリハ・工夫(18) 1)日中座位時の延長・確保→全身耐久性向上 ◆12【1981-5-182】 V日常生活活動の定め方5)日中できるだけ家族と一緒に居間で過ごす時間を長くすること。三度の食事が座位でできるようにまずもっていき、食事の前後に座位時間を延ばし、耐久性をつけ、日中の座位時間の延長へと導く。寝たきりの防止には座位時間の確保、延長が指標になるのである ◆15【1981-5-184】 重度障害者にとっては、日中の臥位時間をいかに少なくするかが廃用性症候群、ひいては寝たきりを予防する重要なポイントとなる ◆87【1988-34-827】 積極的な運動負荷を課すことのできない、寝たきりに近い重症の患者や障害老人の体力増進のプログラムについては、「座っているだけでも体力低下は防げる」として、目標とすべき離床時間の目安が示されないまま、臥床時間の短縮が強調されるにとどまっているのが現状である。筆者はこの点に注目し、活動性の低い重度の障害老人の全身耐久性に対して、離床がどのような影響をおよぼしているかを検討した ◆88【1988-34-829】 以上のことから、積極的なトレーニングを課すことのできない重度の障害老人の全身持久力を増進させるには、現在の離床時間に加えてさらに5時間前後離床させれば可能であり、また現在ほとんど寝たきりの老人でも5時間前後離床させるだけで、全身持久力は維持されると考えられた ◆89【1988-34-830】 3)したがって、「座っているだけ」あるいは「座って作業する」程度の離床でも、現在の離床時間に加えて5時間前後離床させれば全身持久力は増進し,現在ほとんど寝たきりの老人でも5時間前後離床させるだけで、全身持久力は維持されると考えられた 2)集団療法は体動できず、かえって苦痛に ◆85【1988-34-710】 [・・・]集団療法ではどうしても解決できないものがある。それは@神経痛、関節痛、筋肉痛のような整形外科的疼痛、A寝たきり、座ったきりによる体動できないための倦怠感および苦痛、B内臓や中枢性の疼痛などがある 3)可能な限り参加促し、介護必要性減らす ◆4【1980-3-469】 片麻痺患者以外にもこの種の訓練(集団体操;回復期、慢性期の片麻痺患者を対象として考案。座位用と臥位用の2種があり運動量の配分も考慮してある。座位では頸部および上肢の運動と座位バランスを、臥位では体幹および下肢の運動を主としている。一応全身の運動が含まれ、関節可動範囲および筋力の維持、増強を目的としている。患者の転倒事故を防止するため、約30uの広さの訓練用マットで実施。座位、臥位の両方で約30分かかる)を必要とするものに、パーキンソン病、寝たきり老人があり、可能な限り参加するよう指導している ◆5【1980-3-471】 ゴール設定に伴なう問題5)重度障害(心身障害、寝たきり老人)に対しても、自立あるいは実用的なADL改善とは切りはなした理学療法を求められることが多い。この場合は介護の必要度をできるだけ減らすということになる ◆60【1986-25-675】 ねたきり老人、あるいは半ねたきり老人の状態を知る者は、介護と看護・治療が、いつも渾然一体となり切り離すことの出来ないものであることを知っていよう。しかもこれらの人々には、心身の活性化のためにリハビリテーションが不可欠である。ねたきりという状態にありながら体の調子が良い時には、生活サービスと規定されているような援助が必要なのである ◆93【1989-37-43】 老人が入院した時には、寝たきりにならないように注意深く見守っていくこと ◆102【1989-40-54】 今理学療法士として特に関係深い身体相を例に上げて、これら寝たきり状態の患者に対して、早期より実施すべき必須基本訓練の手技ならびにその理由についてふれてみよう ◆104【1989-40-55】 「寝たきり患者へのその他の基本的対応としては、次のような項目が考えられる」55 4)OTアプローチの重要性;ADLの維持、不安取り除く ◆63【1986-28-747】 OTアプローチも知的能力という部分的な障害に捕らわれるのではなく、できる限り不安をとり除き自己能力を十分に発揮できる機会を提供することで、健康な部分を引き出し二次障害(例えば、骨折や感染に対する抵抗力の低下、寝たきりといった不活動症候群への移行など)を防止し、その人らしく自立的に過ごす時間を作り、生活のリズムをつけ、介護負担を少しでも軽減することに主眼を置いている ◆72【1987-31-21】 各種疾患、ことに神経・運動器疾患に対する理学療法・作業療法は寝たきり状態に陥りがちな老年者の日常生活能力を維持し、高める点で重要な役割を果たす ◆94【1989-37-43】 一般に過度の安静が往々にして悪循環を呼び、結果として寝たきりをつくってしまうことはよく知られている。そのためにも看護婦やOTは老人の状態をよく見極め、なるべく早く適切な方法で離床をはからなければならない 5)福祉機器などの利用・適用 ◆13【1981-5-182】 ベットと杖と手すりと腰掛け式便座があれば独りで安全に便所で用がたせる人が、畳上のふとんで寝ていると尿器と差込み便器で用をたすしか安全な方法がなくなってしまう。2か月後にこの両者を比べてみると、便所を使用していた人は外を散歩できる程度になっているかもしえれないし、寝たままで便器を使用していた人は、歩くことが独りではできなくなっていることは十分に考えられる ◆16【1981-5-184】 電動ギャッジベット 起き上がりが独力ではできない人で、安全に操作できる人に適用となるが、片麻痺・寝たきり老人では、何らかの方法で起きあがれることが多く、それができない人では安全に操作ができなかったり、適用となることが少ないように思う ◆96【1989-38-53】 「寝たきり」老人の足としてこのケア車(筆者追記:在宅ケア車)を利用し診療所で定期検診を受け、老人センターで機能訓練、レクリェーションなどに参加できるようにしている まとめ 日中の座位時間の延長・確保が全身耐久性の向上につながることの実証的研究がなされていた。また、リハの目的としては、可能な限り参加を促し、心身の活性化、介護の必要度を減らすこと、OTアプローチとしては、その人らしく過ごす時間の提供、生活のリズム作り、介護負担の軽減、日常生活能力の維持、離床を図ることなどが、あげられていた。福祉機器については、寝たきり老人の足としてのケア車の紹介、寝たままの便器の活用が歩行機能の低下を招く怖れがあるとの指摘などがなされていた。 12 地域・保健サービスの充実(26) 1)老人保健法に基づく保健事業の目的・具体的作業 ◆39【1984-17-533】 保健事業のねらいは、国民の死因の過半数を占め、老人医療費に大きなウェイトを示している脳卒中、心臓病、ガンなどの成人病の予防、早期発見、早期治療と、脳卒中などの後遺症に悩む人々を寝たきりにせず、家庭で自立した生活ができるよう促進、援助することである。後者はリハビリそのものを意味し、リハビリが老人保健法の眼目のひとつとなった ◆73【1987-32-463】 昭和58年2月からスタートした老人保健法に基づく保健事業は、がん、脳卒中、心臓病などの成人病が、国民の死因の過半数を占め、国民医療費においても大きな割合を占めていることに鑑み、壮年期からの健康づくりとこれらの成人病の予防、早期発見、早期治療を図るたとともに、脳卒中の後遺症などを有する者ができるだけ寝たきりの状態にならずに家庭で生活できるようにし、その自立を促進、援助することを主眼としている ◆74【1987-32-463】 第2次計画の策定に当たって重点的な検討課題を次のように提示している。(1)疾病構造の変化等に対応した保健事業の目標設定、(2)住民の多様なニーズに対応しうる保健事業の質的充実、(3)寝たきり老人、痴呆性老人対策の強化、(4)保健事業関連分野との連携強化、(5)保健事業実施体制の強化 ◆77【1987-32-466】 (3)寝たきり老人および痴呆性老人対策の強化を目指し、健康審査の充実のほか、保健所における老人精神衛生相談指導、機能訓練および訪問指導の積極的推進を図ること ◆78【1987-32-467】 重点健康教育の課題は、ア肺がん予防健康教育、イ乳がん予防健康教育、ウ寝たきり予防健康教育、エ歯の健康教育、の四課題であるが、市町村はこの中から地域の実情、他の保健事業の実施状況などを勘案し、重点課題を選定して実施することになっている 2)機能訓練の目的・意義 ◆35【1983-15-264】 機能訓練 これは医療終了後と継続して訓練を行う必要のある者に対し日常生活動作の自立、寝たきりまたはその準備状態になることの予防として行われる。これは病院入院中は機能の回復が上向きであっても一度自宅に帰ると維持すら出来なくなり下向線をたどることが多いのでそれを防ぐためである ◆46【1984-20-563】(W.老人保健法における機能訓練の意義)(1)運動機能の維持 老人、特に障害老人は家庭内にあってもは、低運動の状態に陥り易く、そのため運動機能の低下をきたし、寝たきりに移行しやすい 3)老人福祉法制定後行われた老人健康審査の効果 ◆19【1982-8-111】 高齢者に対する保健医療の諸施策は「老人福祉法」に基づいて昭和38年から老人健康診査が行われ、さらに昭和48年1月から70歳以上の老人を対象に、同年10月からは65歳以上の寝たきり老人なども含めて老人医療費支給制度が発足して次第に整備されてきた ◆75【1987-32-465】 (4)脳卒中について、表7にみるように、近年の死亡率の漸減傾向、基本健康審査の拡大による脳梗塞、のハイリスク者の把握割合の向上などを勘案して、第1次5か年計画初年度以降の10年間で、発生率を半減させ、脳卒中による寝たきり老人の発生率を20%程度減少させることとしている ◆76【1987-32-466】 昭和44年から3年間にわたる脳卒中特別対策事業の成果によれば受診率が80%程度の循環器検診を行った結果、脳卒中発生率が半減したとされており、また、脳卒中に起因する寝たきり者の発生率については、受診率が80%程度の場合、7年間で脳卒中による寝たきりの出現率は半減したとの調査報告があり、これを今回目標とする受診率との関係でみると脳卒中の半減および脳卒中による寝たきり老人の発生率を少なくとも20%は減少させることができるとされている 4)老人福祉法制定後20年の地域サービスの充実 ◆2【1980-1-453】 老人福祉法の制定の当時、在宅老人へのサービスは@家庭奉仕員の派遣と、A老人クラブへの助成との2つにしか過ぎなかった。以来20年ほどの間に、在宅サービスのメニューは実に多彩をきわめるにいたり、昭和54年度の事業についてみても、上の2つのほか、B日常生活用具の給付・貸与、C福祉電話の設置、D介護人の派遣、E老人ホームにおけく食事サービス、Fねたきり老人の短期保護、Gデイ・サービスの実施、H就労の斡旋、I能力の活用推進、J生きがいと創造の事業などあわせて十指を超える ◆6【1980-4-473】 ホームヘルプサービス(老人家庭奉仕員制度)は、昭和40年の発足で、52年度は全国市町村の97%が実施している。しかし、これらサービスの対象は、現状ではねたきり老人や、老人のみの世帯の障害のかなり重い老人で、しかもきびしい所得制限がつけられている。最低限生き続けるために必要なサービスを何とか提供しているにすぎないと言っても過言ではない。従って、特別養護老人ホームに入る程重い障害があるわけではないが、さりとて日常生活の用が自力だけでは果たせない老人、とりわけ家族の世話を受けながら生活している障害老人は、その世話のために家族がいかに困っていようと、また世話が行き届かない場合でもほとんど何のサービスも受けることができないできた ◆7【1980-4-474】 東京都はようやく今年3月「ケア・センター事業実施要綱」を制定し、補助事業を明確化した。それによると、ケア・センターは、おおむね65歳以上の在宅のねたきり老人とひとりぐらし老人等に、次にあげるような各種サービスを総合的に提供することによって、老人の介護の充実、自立的生活の助長、心身機能の維持向上を図るとともに、家族の身体的、精神的な労苦の軽減を図ることを目的としている。さのサービスの内容とは、ア.ショートステイサービス、イ.入浴サービス、ウ.デイ・ホームサービス、エ.食事サービス、オ.各種相談、カ.その他(老人の教養の向上、レクリエーション、老人クラブに対する援助、ボランティアの育成等) ◆29【1982-11-697】 京都市には、中央老人福祉センターが行政機関として開設されている。相談事業や介護指導、ボランティアの拠点などがあるが、ここを、センター行政の中枢と考えて、たとえば、京都市老人問題シンポジウムとして、ねたきり老人問題についてのシンポジウムはセンターの"事業"ではなく1つの重要な機能として実施している 5)−@ 訪問指導・多職種の連携の必要性 ◆33【1982-13-846】 例えば、表1に示すように、「寝たきり老人に訪問介護」一つをとってみても、その処遇(サービス労働)に際し、さまざまな職種(具体的有用労働)が結合されていることがわかる。その結合のされ方(分業や協業)は必ずしも論理的ではないが、そうした結合・集合労働の必然性は、対象のもつ要救護敵生活状態そのものから、必然的に導かれる ◆34【1983-14-206】 第6は訪問指導で在宅ねたきりまたは健康診査の結果必要と認められた人に保健婦中心に家庭訪問するが、ここにも理学療法士、作業療法士が援助する部分が多いので次回詳述する ◆36【1983-15-264】 訪問指導 これは通所訓練も受けられない、いわゆる寝たきりまたはこれに準ずる者および健康診査でその必要がある40歳以上の者が対象となる。直接訪問をするのは保健婦または看護婦であるが訪問して行う業務の内容には家庭における機能訓練、特にベット(ふとん)の上での寝返り、座位へのアプローチから大小便の有効な仕方など日常生活動作を含むもので、理学療法士や作業療法士の協力を得ないと出来ないものがある ◆41【1984-17-534】 訪問指導の目的は、「家庭において寝たきりの状態にある者またはこれに準ずる状態にある者に対し、保健婦等を訪問させて本人およびその家庭に対して必要な保健指導を行い、これらの者の心身機能の低下の防止と健康の保持増進を図ること」とされている。この中で心身機能の低下防止策として、日常生活動作の訓練が行われることになる。訪問担当者は「保健婦または看護婦とし、必要に応じ栄養士・理学療法士・作業療法士の協力を得るもの」となっている。このことは訪問して日常生活動作訓練を行うため栄養士、PT・OTも訪問担当者になるのか明らかではないが、PT・PTの訪問指導を妨げるものではない 5)−A 訪問指導の目的・対象・回数 ◆20【1982-8-113】 (6)訪問指導 対象者 40歳以上の在宅のねたきり者及び健康診査等の結果、訪問始動が認められる者とする ◆21【1982-8-113】 イ.訪問回数は、在宅ねたきり者については概ね月1回、その他の者には概ね2か月に1回とする ◆28【1982-11-697】 京都市の行政としての新しいサービスとしては、各行政区の保健所をステーションとする在宅看護指導事業があって、ねたきり老人などへの介護、看護の指導を保健婦のサービスとして実施している。この程度の対応がほとんどであって、在宅とか、地域福祉の枠組みでといっても格別に積極的なサービスの展開があるわけではない ◆40【1984-17-533】訪問指導は「家庭において寝たきりの状態にあるものまたはこれに準じる状態にあるものを対象」とし「保健婦または看護婦等により対象となるものを訪問して行う」となっている。指導の内容としては、ア.清潔保持、体位変換、じょくそうの予防等家庭における看護方法、イ.栄養、日常生活等家庭における療養方法、ウ.食事、衣服の着脱等家庭における日常動作訓練方法、があげられている ◆65【1986-29-752】 横浜市が訪問看護婦を委嘱し、保健所を拠点としてねたきり老人の訪問看護を始めたのは昭和50年である。訪問看護事例の中で"ぼけ"に注目し始めたのは6〜7年前で昭和57年の初回訪問患者でぼけ症状を呈する者は36.3%あった。その割合は現在もあまり変わらない。初回訪問後継続訪問が必要な者に対し訪問看護を行ってきたが、その時点では、ねたきり老人とその介護者の問題が主で、ぼけの介護としては前面に出て来なかった。いわゆる"ぼけ"が問題となり相談事例が多くなって来たのは、昭和57年横浜市が「老人健康実態調査」を行ったこと、「家族の会」などが県下に発足して社会的関心が高まって来たこと等に加え、昭和58年老人保健事業の1つとして、「老人精神衛生相談(ぼけ相談)が行われるようになってからである。 ◆79【1987-32-466】 ウ寝たきり予防、寝たきり者の看護および介護の方法ならびに寝たきり者のための各種サービスの概要 ◆80【1987-32-469】 寝たきり予防教育については、寝たきり老人数が今後さらに増加が見込まれ、家庭における寝たきり老人介護技術の普及により在宅ケアの基盤を強化し、寝たきり予防のための日常生活上の指針を普及させることを目的としている。例えば、寝たきり状態の評価、寝たきりの予防、寝たきりの在宅での看護と処遇などである ◆81【1987-32-471】5)訪問指導 寝たきり者などに対する在宅対策の重要な柱である訪問指導は、昭和61年度には、寝たきり者全員に対する訪問回数を年2回以上に充実し、在宅の寝たきり者に対する指導の充実を図ることとし、雇上保健婦は、昭和61年度の3399人から3655人と大幅な増員を図ることとしている まとめ 1つには、老人保健法に基づく「予防」「自立」をキーワードとした保健事業の目的や、保健事業の1つである、「機能訓練」の目的・意義、「老人健康審査」の効果、老人福祉法制定後20年における「家庭奉仕員の派遣」や「老人クラブへの助成」など地域サービスの充実、「訪問指導」については、NSだけでなく、PT、OT,栄養士など、多職種の連携の必要性などが記述されていた。 >TOP 資料5
社団法人日本作業療法士協会 1991「――日本作業療法士協会25周年記念――作業療法白書1990」10-Suupl.1. より 早期リハへの診療報酬点数のコストシフティングについて 1980前半 第一次保険・医療改革 1981 PT・OTを配置する承認施設へのコストシフティング(承認、複雑160点→300点) 1987 厚生省「国民医療総合対策本部中間報告」脳卒中の早期リハの推進(※1) H04(1992)リハビリテーション総合承認施設新設(診療報酬改定)、CVA発症後6ヶ月を超えた患者に対するPT・OTの併用禁止(※2) H10(1998) 維持期リハビリテーションのあり方に関する検討委員会報告 H12(2000) 介護保険制度導入、回復期リハビリテーション病棟(診療報酬改定) H13(2001) ICF(国際障害分類)がWHO総会にて採択 H14(2002) 「リハビリテーション(総合)実施計画書」(ICFに沿った様式)の義務付け H16(2004) 高齢者リハビリテーションのあるべき方向 H18(2006) 医療制度改革関連法――医療法、健康保険法、老人保健法等の法改正 ・医療費抑制 ・リハビリテーション算定日数上限の導入(慢性期・維持期患者の保険診療におけるリハの禁止) ・総合承認施設が3種類の疾患群別の施設基準に H19(2007) 全国回復期リハビリテーション病棟連絡協議会編「回復期リハビリテーション病棟の現状と課題に関する調査報告書(2007年調査)」 H20(2008) 回復期リハビリテーション病棟の「質に応じた評価」の「試行的」導入 だが、海外では、プライマリケアの「プロセス」に導入されている程度で、「成果主義」的に導入している国はどこにもない ※1 「次に、1987年6月発表された厚生省『国民医療総合対策本部中間報告』は、厚生省の公式文書として初めて「発症後早期のリハビリテーション」の推進を打ち出しました。手前味噌ですが、これには拙共著『脳卒中の早期リハビリテーション』(※3)が大いに参考にされたと聞いています」(二木[2008:237]) ※2 「1992年改定ではリハビリテーション総合承認施設が新設され、承認施設の「複雑な」療法の点数が大幅に引き上げられたにかかわらず、人数制限と併用禁止により、リハビリテーションの医科診療費総額に対するシェアは、1992年改定前後で、微増にとどまりました(政府管掌健康保険と国民健康保険の合計で、1991年1.14%、1992年1.20%、1993年1.17%。厚生省『社会医療診療行為別調査』)。」(二木[2008:237]) ※3 二木立、上田敏1987「脳卒中の早期リハビリテーション」医学書院. 「亡くなられた砂原茂一先生がかつていわれた名言に、「一度長く寝かせておいて何ヶ月も経ってからリハビリテーションを始めて、そして歩いたり、自分でいろいろなことができるようにしようなどというのは、まるで一度スルメにしたものを水に戻して柔らかくしようとするようなものだ」というのがありますが、まさに至言だと思います」1 出典:二木立2008「今後の医療制度改革とリハビリテーション医療」『地域リハビリテーション』3-3:234-242. >TOP 資料0 1980年代老人年表
UP:20080620 REV: 掲載者:石田 智恵 ◇老い ◇Archive |