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障害者欠格条項の見直し過程と合理的配慮

現在の課題の検討のために

臼井 久実子・瀬山 紀子 20070917
障害学会第4回大会 於:立命館大学

last update: 20151225


報告者 臼井久実子*・瀬山紀子*
 *共に障害者欠格条項をなくす会事務局 および 東京大学大学院経済学研究科リサーチ・フェロー

◆要旨
◆報告原稿

■報告原稿

報告の目的
 法制度上の障壁の典型とされた欠格条項 の見直しが進められ、薬剤師法や医師法、道路交通法(運転免許)、公営住宅法施行令など、ここ数年のあいだに、古いものでは100年以上続いてきた欠格条 項も含む、多くの法律の欠格条項改定作業が行われてきている。
 本報告では、90年代後半以降の経過を振り返りながら、見直し対象とされた法律の大部分が、障害や病気を明記した「職業免許」「技能免許」に関するもの で、幅広い権利制限、「取得後欠格」などが取り残されていること、絶対的欠格=問答無用の門前払いは姿を消し大半が相対的欠格として残されていることの評 価、そして、実質的な権利を獲得するためには、教育就業環境など参加のための条件や環境の整備、合理的配慮の確立が不可欠であることを、具体的事例を通し て明らかにする。

障害者に係る欠格条項の見直しの始まり
 障害者に係る欠格条項は、薬剤師法のような「職業免許」に関わる欠格条項、運転免許のような「技能免許」に関わる欠格条項、さらに、公営住宅の単身入居 制限や、地方条例の公共施設利用制限のような、「幅広い権利制限」に分類できる。
 これらのうち、特に、職業・技能免許の欠格条項については、「障害者対策に関する新長期計画」 に「資格制限等による制度的な障壁」の除去、また、「精神障害、視覚障害等障害を理由とする各種の資格制限が障害者の社会参加を不当に拒む要因とならない よう、必要な見直しについて検討を行う」ことが定められた。その後、取り組みの遅れを指摘された政府が、初の方針文書「障害者に係る欠格条項の見直しにつ いて」(1999年)を出し、見直しが進んできた。
 しかし、1999年に政府が見直し対象とした法律は、各省庁が挙げた63制度にとどまり、9割は職業や技能免許の取得時に欠格条項を有する法律だった。 そこでは、「試験に受かってもダメ?」(薬剤師など)という声に代表されるような、障害を理由に免許が取得できないという不合理の解消が大きな課題となっ た。言い換えれば、それまでは、法制度が障害を理由にした排除をするのはあたりまえのことだった。しかし、欠格条項の見直しを、薬剤師や医師に関する欠格 条項に焦点化して捉えることは、欠格条項に関する問題を、「すでに一定の能力を認められている障害者」が被る不利益の問題に矮小化しかねない側面もあった と言える。また、政府の見直しでは、取得後欠格 は対象には含まれず、地方条例は問題にもなっていなかった。こうした点は、この見直しが、出発点で、障害を理由とした幅広い権利制限の中で欠格条項を捉え るというトータルな視点、つまり、障害者差別禁止の視点を欠いていたためと言える。

欠格条項見直し以降の課題
 欠格条項の見直しは、2001年に医師法等、27法令が改正されるなど、一定の見直しが進み、現在では、絶対的欠格だった法律の大部分が相対的欠格にな り、一部は欠格条項を全廃する結果となった。以降、それまでは門前払いの対象だった障害がある人が新たに医師や薬剤師になっている他、こうした職を希望す る学生も広がりをみせている。
また、2005年には、欠格条項のため障害者の受験に関する必要な配慮がなかった国家試験等でも、試験時の配慮に共通的な基準を設け、願書や広報のあり方 も改めるなどの進展がみられた。こうした流れによって、以前と比べ、障害当事者側が、必要な配慮の実施を権利として求めやすい環境がつくられてきたと言え る。
 しかし、相対的欠格を残している医師法のもとで、試験に合格した人に、障害ゆえに長期の審査を課し、不利を与えているという事例や、欠格条項を全廃して いる検察審査会法の下で、全身性障害がある審査員を想定していず、選出された障害者本人に暗に辞退を促した事例 があるなどの課題も明らかになっている。
この間の見直しは、絶対的欠格条項をなくす取り組みの進展、また、「単独」でできなければだめという見方から、本質的な業務等を補助者や補助手段など合理 的配慮をえて遂行できればよいという見方への転換という点から評価することができる。しかし、合理的配慮の欠如、またより見え難い間接的な排除の問題が、 クローズアップしている、つまり「門は開いた、でも中に入れない」という状況が生み出されているということができる。

今後の課題
 欠格条項の問題は、法律上の制度的障壁の問題にはとどまらず、実質的な参加をいかに確保できるのかという課題をあわせ持つ問題だ。障害者が社会のさまざ まな場所へ参加できる仕組みをつくるためには、権利と差別禁止を基本におく法制度をつくり、欠格条項を一掃し、合理的配慮があたりまえに得られる環境をつ くるという課題が残されている。そして、そのためには現在、国連「障害者の権利条約」の国内適用と、差別禁止法の制定運用とが、とりわけ大きな課題となっ ている。


 
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■報告原稿

 ◆パワーポイント資料(126k bytes)

  報告の目的
   法制度上の障壁の典型とされた欠格条項★01の見直しが進められ、薬剤師法や医師法、道路交通法(運転免許)、公営住宅法施行令など、ここ数年のあいだに、古いものでは100年以上続いてきた欠格条項を含む、多くの法律の改定作業が行われてきている。
   本報告では、はじめに、90年代後半以降の経過を振り返り、なかでも、節目となった1999年の政府による対処方針と、見直し対象とされた63制度を取り上げ、これらに対する評価と見直し以後の課題を、具体的事例を通して考え、最後に、昨年、国連で採択された障害者権利条約を手がかりとして、教育就業環境などにおける合理的配慮の確立という課題を考えてみたい。
  −PPシート2
  
  障害者に係る欠格条項の見直しの始まり
  障害者に係る欠格条項は、歯科技工士、通訳案内士など「職業免許」に関わるもの、自動車運転免許、ヨット・ボート免許のような「技能免許」に関わるもの、そして、最低賃金法適用除外、修学猶予、地方条例の公共施設利用制限のような、「職業免許」にも「技能免許」にもあてはまらないその他の様々な権利制限に分類できる。
  −PPシート3
  
  障害者欠格条項の見直しの経過を振り返ると、職業・技能免許の欠格条項については、1993年に示された「障害者対策に関する新長期計画」★02に「資格制限等による制度的な障壁」の除去、また、「精神障害、視覚障害等障害を理由とする各種の資格制限が障害者の社会参加を不当に拒む要因とならないよう、必要な見直しについて検討を行う」ことが定められたことで、見直しが進められてきた。欠格条項は、新長期計画が掲げた四つのバリア(物理的障壁、情報・文化の障壁、意識的障壁、法制度の障壁)のうちの一つ「法制度の障壁」とされた。これらの背景には、障害当事者や関係者の長年にわたる活動があった。
  ただし、政府による取り組みは、1993年以降すぐにはじまったわけではない。取り組みの遅れを国会で指摘された政府が、世論の高まりの中で、欠格条項について初の方針文書「障害者に係る欠格条項の見直しについて」を出したのが1999年だった。この前後に、各省庁が抽出した法制度が集約され、結果、63制度の法制度が見直し対象として取り上げられることになった。
  −PPシート4
  
  政府が見直し対象とした63制度は、「職業免許」が54制度、「技能免許」が4制度、この二つのいずれでもない「権利制限」が5制度で、つまり、大多数は職業免許だった。
  −PPシート5
  
  1999年当時の63制度の障害別内訳をみると、精神障害者に関する欠格条項をもつ法令が61制度と圧倒的多数で、ついで、禁治産または準禁治産★03が27制度、視覚障害者が21制度、聴覚言語障害者が20制度、心身障害者等の規定が15制度の順になっている。複数の障害にまたがるものも多いため重複して数えた結果である。
  −PPシート6
  
  ここで、「63制度の見直し」について検討してみたい。
  すでに示したように、今回政府による見直し対象となった法制度は、その多くが職業免許に関わるものだった。そのため、見直しの過程では、たとえ試験に受かっても、「目が見えない者、耳が聞こえない者には免許を与えない」といった理由で免許が取得できないという不合理の解消に焦点があてられた。
  言い換えれば、それまでは、法制度が障害を理由に排除するのはあたりまえのことだった。その認識が、見直しの過程で変更をせまられ、薬剤師免許は聴覚障害者に門戸を開いた。このように状況が変化したことは大きな意味があった。
  しかし、一方で、欠格条項の見直しを、薬剤師や医師など職業免許にかかわる欠格条項に焦点化することは、欠格条項を「すでに一定の能力を認められている一部の障害者が被る不利益の問題」へと一元化する傾向もあわせもっていた。そうした認識は、幅広い人びとが影響を受ける権利制限であるという欠格条項の問題を見えにくくしがちだった。
  また、政府の見直しでは、取得後欠格★04は対象には含まれず、地方条例は問題にされなかった。
  こうした問題点は、欠格条項の見直しが、その出発点で、障害を理由とした幅広い権利制限の中で欠格条項を捉えるというトータルな視点、つまり、障害者差別禁止の視点を欠いていたためにおきた問題だと捉えることができるだろう。
  −PPシート7
  
  欠格条項見直し以降の課題
   次に、「63制度」の見直し結果の分析に移りたい。
  「63制度」の欠格条項の見直しは、2001年に医師法など厚生労働省が所管する27法令が改正されるなど、一定進み、2004年に一通り終了とされている。その結果、絶対的欠格を有していた法律の多くが、相対的欠格になり、一部は欠格条項が全廃された。
  −PPシート8
  「63制度」のうち、検察審査員、栄養士、調理師、製菓衛生師、医師国家試験、歯科医師国家試験、地域伝統芸能等通訳案内業免許の7制度が欠格条項を全廃、医師法など19制度が絶対的欠格から相対的欠格へ、美容師、鍼灸師など12制度は相対的欠格を継続といった結果となっている。
  −PPシート9
  
  この見直しは、絶対的欠格撤廃の取り組みの進展と、「障害者」を法律で一律に排除することは権利侵害にあたるという認識の広まり、さらに、それまでは「単独でできなければだめ」とされてきたことが、補助者や補助手段といった合理的配慮を得て本質的業務を遂行できればよいといった、個人の能力の捉え方の転換をもたらしたという点で評価できる。
  −PPシート10
  
  また、欠格条項見直し後、2001年には「障害者に係る欠格条項の見直しに伴う教育、就業環境等の整備について(障害者施策推進本部申合せ)」が出され、その後の残る課題に関する障害者団体等による質問要望活動を受けて、2005年には、「資格取得試験等における障害の態様に応じた共通的な配慮について(障害者施策推進課長会議決定)」とする文書が出された。
  こうした動きもあり、欠格条項のもとで、障害者の受験に関する配慮がなかった国家試験等でも、試験時の配慮に共通的な基準を設け、願書や広報のあり方も改めるなどの進展がみられた。そして、実際に障害がある人が新たに医師や薬剤師になっていき、これらの職を希望する学生も広がりをみせている。
  こうした流れの中で、以前ならば必要な配慮について声を上げることができなかった障害当事者が、合理的配慮の実施を権利として求めやすい環境がつくられてきたと言える。
  −PPシート11
  
  次に、事例をあげながら見直し後に残された課題をみていきたい。
   第一に検討したいのは、残された相対的欠格の課題になる。先に示したように、今回の見直しでは、見直し対象とされた63制度のうち19制度は絶対的欠格を相対的欠格に変更し、相対的欠格がそのまま維持されたものが12制度となった。つまり、63制度の約半数は、相対的欠格を残す結果となっている。相対的欠格とは、先にも述べたように、試験等に受かっても「免許を与えないことがある」とする法規定をさしている。ここで事例をみてみたい。
  −PPシート12
  
  今回見直し対象となった法制度の一つである医師法は、それまでの絶対的欠格をなくし、相対的欠格を設けた法律の一つだ。
  医師法は、旧条文に、「(3条)「目が見えない者、耳が聞こえない者又は口がきけない者」には、免許を与えない」(絶対的欠格)、「(4条)「精神病者」には免許を与えないことがある」(相対的欠格)、「(13条)目が見えない者、耳が聞こえない者及び口がきけない者」は、医師国家試験を受けることができない」(受験についての絶対的欠格)との規定を設けていた。
  改定後、絶対的欠格は削除され、新たに、「心身の障害により医師の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるものには、免許を与えないことがある」との規定が設けられ、その施行規則(2001・7・13省令)では、「視覚、聴覚、音声機能若しくは言語機能又は精神の機能の障害により医師の業務を適正に行うに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者」との規定が示された。
  さらに、欠格条項に該当し免許を与えない場合がある者については意見聴取をするとの規定も新設され、「障害を補う手段等の考慮」が追加された。
  この法律改定により、それまで絶対的欠格とされ国家試験の受験も認められなかった視覚障害の医師が二人誕生している。
  しかし、この二人の医師国家試験合格者も、相対的欠格が残されているために、免許交付決定までに根拠が不明確な審査を課されることになった。また、医師国家試験合格者に課される臨床研修は、単科研修だったものが、2004年以後は7科目の研修に変更されたため、二人目の合格者については新しい問題が生じた。結果として、従来どおりの単科研修は認められたが、7科目研修を終了しなければ自らの病院を開くことは不可能(勤務医として働くことのみ可能)という新たな障壁も出現している。
   これらの事例は、障害者を迎え入れる側に、「できない」とはじめから見なすのではなくて「どうしたらできるのか」という発想が今なお乏しいこと、障害の有無にかかわらず履修を保障されるべき研修や、実際に働く職場の環境を、調整変更し必要なサポートをおこなう姿勢が欠如していることを、浮かび上がらせている。
  −PPシート13
  
  次の事例では、欠格条項見直しに伴ってクローズアップされた間接的排除の問題と課題を考えてみたい。
  見直し対象となった63制度のうち、7制度は欠格条項を全廃している。7制度で欠格条項が全廃されたという例は、他の法制度がなぜ欠格条項を全廃できなかったのかを考える上でも有効な鍵となっている。
  次に、欠格条項が全廃されてもなお実質的な排除が存続していた例を紹介したい。
  −PPシート14
  
  検察審査会法は、旧条文にあった「耳の聞こえない者、口のきけない者又は目のみえない者は、検察審査員となることができない」とする絶対的欠格を2000年に削除した。その結果、2002年には、聴覚障害がある人が審査員に選ばれ、裁判所から手話通訳が派遣されて、通訳をつけて審査員の任期をつとめている。
  しかし、2006年、移動やページめくりに介助が必要な全身性障害がある人が、検察審査会の補充員★05に選出された時、「委員会が開かれる会場が二階でエレベーターがない」などの理由で、暗に辞退を勧められるということがおきている。この件は、本人が、単に障害を理由に辞退したくないと考え、介助者をつけて検察審査会に出席し、介助者費用の自己負担の問題化も行い、結果的に、最高裁が検察審査会出席に係る介助費全額保障を制度化するという結果をもたらした。
  この事例は、欠格条項という制度化された排除・権利制限以前に、社会のなかに、障害者の参加をもともと想定せず、受け入れようとしない姿勢が根強く存在していることをあらためて浮き彫りにしたといえる。こうした排除・権利制限は、当事者の異議申立がなければ明らかにならならなかったという意味で、顕在化しにくい問題であると同時に、欠格条項全般の見直しに伴って、ようやく顕在化してきた問題だともいえるだろう。
  −PPシート15
  
  この間の見直しは、絶対的欠格をなくす取り組みの進展、また、「単独」で何もかもできなければだめという見方から、「本質的な業務」等を補助者や補助手段など合理的配慮をえて遂行できればよいという見方への転換という点から評価することができる。同時に、欠格条項の問題を、社会参加の前提となる教育就業環境整備の問題として捉えなおしていく必要性を明らかにし、相対的欠格や間接的差別の問題をあらためて提示してきたと言える。
  また、そもそも見直し対象の63制度には含まれなかった法制度が残されていることも大きな課題の一つだ。
  こうしてみてくると、欠格条項の問題は、個別の法制度の問題というだけでなく、より大きな視点、つまり障害者差別禁止の視点から、「障害を理由として直接間接に排除する欠格条項を廃止し、合理的配慮が行われるようにする」という課題と、一体的なものと捉えることができるのではないだろうか。
  −PPシート16
  
  今後の課題
  最後に、今後の課題を示し、検討の手がかりとしたい。
  欠格条項の問題は、制度的障壁の問題にはとどまらず、実質的な参加をいかに確保できるのかという課題と一体的な問題だ。障害者が社会のさまざまな場所へ参加できる仕組みをつくるためには、権利と差別禁止を基本におく法制度をつくり、欠格条項を一掃し、合理的配慮があたりまえに得られる環境をつくるという課題が残されている。
  とりわけ、現在、国連「障害者の権利条約」の国内適用と、差別禁止法の制定・運用が、大きな課題となっている。
  障害者権利条約第二条には、障害に基づく差別の規定が示され、そこでは「障害に基づくあらゆる区別、排除又は制限」が差別と定義され、差別にはあらゆる形態の差別と同時に、合理的配慮の否定も含む、との文言が含まれた。ここでいう合理的配慮とは、平等な権利を行使するために必要な調整のことを指している★06。あらゆる場面で、権利としての合理的配慮が得られるようにするためには、権利条約二条の「不釣り合いな又は過度な負担」をどのようにとらえて取り組むかが重要なポイントになる。
  たとえば、小さな会社にとってはエレベーターをつけることは過度な負担だから合理的配慮にあたらないといった例示もされがちである。そのように個々のケースに委ねるだけでは、社会参加も非連続的で、ばらつきが大きなものになる。社会全体で、いかに障害がある人の実質的な参加を保障していくかという観点から、合理的配慮を位置づけることが必要だろう。
  −PPシート17
  
  障害者欠格条項見直しの経過と課題をみてきた。過去二年間の変化は、障害者の欠格条項が見直されてきた一方で、「認知症」への権利制限を新設した法律がでてくるなど、新しい欠格条項がうみだされている状況といえる。また、法制度の新設に伴い、「心身の故障」についての「取得後欠格」も増加している。
  個別の法制度のモニタリングも欠かせないが、今後の重要な課題は、既存の法制度全体を差別禁止の視点で洗い直すこと、そして、差別禁止の筋が通ったものへと法制度全体を再構築すること、その中で合理的配慮もふくめた環境の整備をすすめることにある。
  その過程に障害当事者が参画し、権利回復の仕組みも具体的につくり、障害がある人が参加できる社会の仕組みにしていくことがめざされる。
  −PPシート18
  
◆註
1)一般に、特定の地位や職業につくこと、また、社会的活動を行うことに関わる資格要件を定めた法律・制度の中にある資格要件を欠く事由(欠格事由)を定めた規定を指す。欠格事由には、国籍に関わる事由や、刑罰の前歴に関わる事由などがあるが、その一つに、障害を理由とした事由もある。
2)総理府(現・内閣府)障害者対策推進本部が1993年に制定
3)禁治産制度は、申し立てを受けた時に裁判所が判断して「正常な判断能力が不十分なため法律行為を一人で行えない」とする、「保護」を趣旨とする制度だったが、その人の社会的な行為を全面的に制限する弊害が、高齢化社会が進む中で大きな問題になり、1999年民法改正で「成年後見制度」へ見直しが行われた。しかし現在も、「成年被後見人(旧・禁治産者に相当)」「被保佐人(旧・準禁治産者に相当)」などを欠格条項にあげる法令が100近く残っている。たとえば「公職選挙法」は11条1項1号で 「成年被後見人」は、選挙権及び被選挙権を有しないとしている。
4)取得後欠格には「心身の故障により職務に堪えないもの」を免職できる、といった表現がよくみられる。たとえば、独立行政法人を規定する「独立行政法人通則法」23条2項1号は「主務大臣又は法人の長は、それぞれその任命に係る役員が「心身の故障のため職務の遂行に堪えないと認められるとき」に該当するとき、「その役員を解任することができる」としている。「独立行政法人」は現在100法人を越えて増加中。取得後欠格は、資格免許などの付与時には欠格条項がない法令において定めているケースも多い。
5)検察審査会とは、検察が不起訴処分にした事件について不服申し立てがあった時に、不起訴処分が妥当かどうかの審査をする役割を担う公的な会。審査員は、有権者の中からくじで選ばれる審査員を補充員。全国の地方裁判所と、主な地方裁判所支部に、合計201の検察審査会が置かれている。
6)障害者権利条約(第二条)「特定の場合において必要とされる、障害のある人に対して他の者との平等を基盤としてすべての人権及び基本的自由を享有し又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、不釣合いな又は過度な負担を課さないものをいう」川島、長瀬仮訳より引用
  
◆参考文献一覧
  障害者欠格条項をなくす会 編集発行 2007『情報ブックレット NOからYESへ』
  聴覚障害をもつ医療従事者の会著 2006 『医療現場で働く聞こえない人々』現代書館
  臼井久実子編著2002『Q&A障害者の欠格条項 撤廃と社会参加拡大のために』明石書店
  
◆参考資料
  障害者に係る欠格条項見直しに伴う教育、就業環境等の整備について 2001年
  http://www8.cao.go.jp/shougai/honbu/kaigi002/shiryo1.html
  
  国家試験の受験に伴う配慮申請書 2005年
  http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/sikaku.html
  
  障害者欠格条項をなくす会
  http://www.dpi-japan.org/friend/restrict/


UP:20070807 REV:20070902,15
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