現在の国の筋ジストロフィー政策
@ 国立病院機構筋ジストロフィー専門病棟への入院
A 障害児者としての対応
B 国立精神・神経センターを中心とした研究
C 新薬開発
当初は国立病院の療養所に入らないと医療や福祉制度を受けることができなかったり、学校に行くことが出来なかった方が多かったが、現在は在宅や自立生活でも支援が受けられるようになり、普通学校に通えるようになってきた。公共機関のバリアフリー化、電動車椅子と人工呼吸器の発達により、行動制限が減ってきた。
A コミュニケーションの違い
・ 病院では養護学校からずっと同じ病棟で同じ仲間と過ごしてきた。寝たきりになると、同室の人以外はほとんど会えず、病院関係者、両親や親戚以外とは話をする機会はほとんどなかった。
・ 今は一日に会う人の数が増えたし、特に医療関係者以外の人と会う機会が増えた。例えば他の障害のある方や趣味の仲間、友人に自由に会うことができる。
・ いわゆる病院の面会という形ではない、食事会や旅行のような幅の広い付き合い方ができるようになった。
・ 新しい友人ができた。
B 依存心の克服と自己責任
重い障害、重い病気という自己管理にすべて責任をもつこと。それは実に大変なことである。病院にいる間は、医療的知識のあるスタッフからの管理の下、医療ケアを受けられる。自立生活では最低限の医療ケアを受けるが、自分の医療ケアの必要度も自身で決めなくてはならないし、生活の中身を自己決定できる分、自分の身体にも自己責任が常につきまとう。
報告者の田中は、重たい障害や病気をもつ自立生活当事者は病気や人工呼吸器管理についてきちんと理解しておく必要があることや、介助者を雇っているので雇用主としての意識を持つことも必要と考えている。例えば、人工呼吸器の管理は、自身がその必要性を充分理解した上で、操作方法や緊急時の対応を介助者に伝えて行っている。介助者のシフト等をセルフコーディネートし、リスクマネジメントも自身が行っている。すべてが自分の責任であるという、社会の一員としての当たり前の意識を持つようになったという。当事者の考え方次第で介助技術を向上させることや問題点を話し合って事故を未然に防ぐことも可能となる。日頃から話し合って、お互いの役割を明確にしてそれぞれの役割をきちんと果たしていれば、その上での事故は不可抗力と断言している。