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「大阪市で野宿者の強制排除」



◆200601

 *橋口さんより転送

以下のような情報をいただきました。
転送大歓迎です。
よろしくお願いします。


↓以下転送内容(転送歓迎)


大阪市で野宿者の強制排除が現実のものになろうとしています。最短で1月20
日に
も強制排除が実施される可能性があります。
 野宿者の強制排除は、人殺しの正当化にほかなりません。この異常な競争社会
。豊かなものがますます豊かに、貧しい人々はますます貧困に追い詰められる社
会。その最大の犠牲者の一人である野宿者に対する、「行政はあなたを見放しま
す。死んでも仕方がありません」という死刑宣告です。このままでは、私たちの
社会にまたひとつ「殺しの理屈」が埋め込まれる。
 どうか、あなたの場所から、抗議の声をあげてください。野宿者に連帯の手を
伸ばしてください。
 釜ヶ崎パトロールの会のブログに詳しい報告や抗議の声をアップしています。
ぜひご覧になってください。
http://kamapat.seesaa.net/

******

 野宿者の強制排除ではガードマンとして大量にフリーターを中心とする臨時雇
い労働者が動員されます。白川公園で私を抱え上げて排除したガードマンもおれ
より若いひとたちばかりでした。本来は連帯し支え合うべき仲間どうしが殺し合
いをさせられる、世の常なるあり方がそこにもありました。ぼちぼちのやるべき
ことは重い。

******

 2005年1月24日、名古屋・白川公園での代執行のために行政側が作成し
たマニュアルを、以下で公開しています。
http://page.freett.com/kamapat/shirakawa.html

 行政代執行とは、警察との緊密な連携のもと、多数の市職員による部隊を緻密
に編成して行われる組織的暴力行為であり、「軍事行動」であることがよくわか
ります。

 これは名古屋市のマニュアルですが、大阪市が靱・大阪城公園代執行のために
作成しているものもこれと同様か、より内容的にひどいものでしょう。もともと
シェルターと排除をセットにする施策自体、長居公園など大阪市の先行例から名
古屋市が学んだものです。

 以下、ざっと紹介していきます。

『白川公園内の小屋等の撤去(行政代執行)に伴う予想事案等と措置要領』
http://page.freett.com/kamapat/shirakawa_01.jpg
http://page.freett.com/kamapat/shirakawa_02.jpg
http://page.freett.com/kamapat/shirakawa_03.jpg

 おそらく警察主導で作成された書面ですが、市職員によるものと思われる手書
きの書き込みが随所に見られます。行政・警察・警備会社合同の会議も持たれた
のでしょう。

 ここでは、抵抗する当事者・支援者を、どういう口実で排除・逮捕するかを綿
密に検討しています。
1枚目の「(警察の役割の)実態は全面的支援」
3枚目の「名古屋市(は)全面的に警察をたよる」
という書き込みに、行政と警察の関係性が集約されています。

 抗議ビラまきから座り込みに至るまで、「予想される事案」ごとに分類し、「
擬律判断」と「措置要領」を定めています。

4枚目以降の『2 実施体制』をみていきましょう。
http://page.freett.com/kamapat/shirakawa_04.jpg
http://page.freett.com/kamapat/shirakawa_05.jpg
http://page.freett.com/kamapat/shirakawa_06.jpg
http://page.freett.com/kamapat/shirakawa_07.jpg
http://page.freett.com/kamapat/shirakawa_08.jpg

 「現場本部」のもと、「総務隊」「保安隊」「第1〜3作業隊」「保管隊」な
どに分かれ、さらに細かく数人ごとの班(小隊)ごとに部隊を編成していること
がわかります。

『3 情報連絡系統表 (ア)連絡体制表』
http://page.freett.com/kamapat/shirakawa_09.jpg

 この組織図をみれば、シェルターが野宿者排除のシステムの不可欠な一部であ
ることがよくわかります。「シェルター」「警察署」「消防署」と並んでいるの
が印象的です。

 『11 行政代執行実施に係る対応方針』では、具体的な現場方針が示されて
います。
http://page.freett.com/kamapat/shirakawa_21.jpg

『(イ)代執行に際して』
 職員に対し「何ら臆することなく指示された業務に従事する」こととし、強制
排除に疑問をもたず、規律に服すことを求めています。

 そのうえで「暴言や嘲笑、威嚇的な態度は厳に慎むように」とも言っています
が、これは代執行の場面でなくとも、野宿者に対して行政職員が日常的に行って
いる対応でもあります。

 そして実力排除の際は「変に躊躇したりすると怪我やトラブルの元」と、再度
命令への服従と断固たる実行を強調しています。

 『(ウ)代執行着手時について』では、代執行中のさまざまな状況別に対応が
定められています。

『相手が自傷行為に及んだ場合』
http://page.freett.com/kamapat/shirakawa_24.jpg

 計画発案者が、仲間が抗議して「焼身自殺」する可能性や、「自傷行為」に及
ぶ可能性まで考慮しており、そのうえで代執行に臨んでいることがわかります。
これが、「殺人行政」でなくてなんでしょうか。

 『生活物品がないために「今晩どうすればいいんだ」とわめきちらし、収拾が
つかない場合』
http://page.freett.com/kamapat/shirakawa_25.jpg

 仲間の生活の場を破壊し、奪い去ることの犯罪性にまったく無頓着な、この侮
蔑的表現には絶句せざるをえません。

『(オ)不測の事態の対応について』
http://page.freett.com/kamapat/shirakawa_26.jpg

 職員が仲間に暴力を振るった(と抗議された)場合、「むやみに反論すること
なく」対応し、名前を名乗るよう言われたら「何ら反応することなく」現場から
逃げていくように、と指示してもいます。

『(カ)一般利用者への対応について』
『(キ)報道関係の対応について』
http://page.freett.com/kamapat/shirakawa_28.jpg
http://page.freett.com/kamapat/shirakawa_29.jpg

 強制排除の過程を報道されると自分たちに都合が悪いことをよく理解しており
、市民やマスコミを撤去現場に近寄らせないよう規制する体制を敷いていること
がわかります。。

『(ク)事業執務について』
http://page.freett.com/kamapat/shirakawa_30.jpg

 休憩時であっても部隊行動を貫徹すること、職員が「負傷」した場合でも、班
長に申し出、許可を得てから現場を離れるよう定めています。軍隊そのものです


『(コ)保管・返却方法について』
http://page.freett.com/kamapat/shirakawa_32.jpg

 撤去された物品の返還要求があった際、破損や紛失があれば「状況や原因も含
めわからない」と言い逃れをおこない、弁償も拒否せよ、と指導しています。2
003年5月に大阪市が行ったJR大阪駅前での荷物撤去事件を思い起こさせま
す。
http://www.geocities.co.jp/WallStreet/9279/anti-eviction_030603.html


 ・・・これで、唐突にマニュアルは終わっています。
 この終わり方自体、仲間の生活(靱公園では、10年近くにわたってテントで
暮らしてきた仲間もいます)を暴力で断ち切る、代執行にふさわしい形式なのか
もしれません。

 くりかえしになりますが、代執行とは、行政によって企画・実行される組織的
暴力行為です。マニュアル内では動員される職員に「こちらから手を出すな」と
繰り返していますが、報道統制や事後の責任回避策を入念に準備している事実に
、その犯罪性を行政側がよく自覚していることが見て取れます。

 白川では、たった7名の仲間のテントを撤去するのに、600名以上の市職員
・ガードマンが動員されました。靱・大阪城では、大阪市によってそれ以上の体
制が組まれるであろうことは確実です。

 この文章を読んでいる人の中にも、当日動員されるであろう数百名のうちに入
る人がいるかと思います。

 私たちは、あなた(たち)に呼びかけます。

 このような「軍務」を、どうか拒否してください。


(以上)



■ホームレスに最後通告 大阪、来週にもテント撤去へ

http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2006012400012&genre=A2&area=O10


■野宿者のテント撤去を要求 大阪市の2公園
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200601240033.html

2006年01月24日

 大阪市は24日午前、世界バラ会議などの開催に向け、市内の2公園でテント暮ら
しをする野宿者に「30日にテントを強制撤去する」という内容の代執行令書を配布
した。市は自立支援センターなどへの入所を呼びかけているが、野宿者側は「必死で
生きている高齢者を追い出すつもりか」などと抗議し、市職員と一時もみ合いになっ
た。

 対象のテントは靭(うつぼ)公園(大阪市西区)に15、大阪城公園(同市中央
区)に7あり、計22人が野宿している。靭公園では、市職員45人と警備員30人
が、午前9時半から約45分かけて文書を配った。野宿者と支援者ら十数人が拡声機
で「この寒い時期に死ねというつもりか」などと訴え、職員に体当たりしてつかみ合
いになる場面もあった。

■大阪市、公園の野宿者排除へ 緑化フェアに向け
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200601180045.html

2006年01月18日

(略)
 大阪市を監視する市民団体「見張り番」の松浦米子代表世話人の話 野宿生活者を
追い出す一方で、怖いという理由で暴力団の居座りを認めてきた大阪市の姿勢にはあ
きれる。こんな恣意(しい)的な行政運営では、市民の信頼を得られない。公務員は
法律を守り、平等に対応すべきだ。大阪市は市政改革で法令順守を最重要課題に掲げ
るが、このような状況では実行できるのか不安を感じる。


UP 200601 REV:0125
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