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「民族学校出身者の受験資格を求める国立大学教職員の声明」に賛同お願い

出水 薫(九州大学)・鵜飼 哲(一橋大学)・川島 真(北海道大学)・駒込 武
・(京都大学)・坂元 ひろ子(一橋大学)・高橋 哲哉(東京大学)・鶴園 裕・(金沢大学)・冨山 一郎(大阪大学)・中野 敏男(東京外国語大学)・水野 直樹(京都大学)・安井 三吉(神戸大学)・米田 俊彦(お茶の水女子大学) 
2003/03/02

last update: 20160125


国立大学の教職員のみなさまへ

◎呼びかけ

 2月21日付『朝日新聞』で文部科学省がインターナショナルスクール出身者
にのみ受験資格を認めて民族学校出身者には認めない方針であるという報道がな
されたことはご存じのことと思います。
 この問題について否応なく民族差別の「加担者」とされてしまう国立大学教職
員として、この方針に反対する声明を作成しました。声明文はこのメールの最後
に貼り付けてあります。
 文部科学省は、3月末ないし4月初めにはこの「方針」を公表する予定という
情報があります。それまでに、様々な形で声をあげる必要があります。ご意見な
どをお寄せいただくとともに、ご賛同いただけるようでしたら、この声明を同じ
職場の方やお知り合いに転送していただければ幸いです。また、ご所属の学会・
研究会などに「声明」「緊急アピール」などを出すよう、働きかけることなども
ご一考ください。

◎補足

 下記のホームページに声明文とそのWord版、一太郎版、PDF版を掲載し
てあるほか、随時、賛同者のお名前をアップしていく予定です。
 http://www.jca.apc.org/~komagome/seimei_index.html

 また、民族学校問題の背景についてさらに詳しく知りたいという方は、下記の
ホームページにアップされている『京大広報』574(別冊)号に掲載された同和
・人権問題委員会答申が参考になるかと思います。
 http://www.kyoto-u.ac.jp/Official/publish/koho02.htm

◎声明賛同の要領

締め切り:3月9日(日)正午

宛先:anti-racism@ml-c2.infoseek.co.jp
   または、Tel. & Fax. 075-753-3034(京大駒込研究室) 
 *上記のアドレスでメールを受信するのは、水野直樹と駒込武です。
 *できるかぎりメールを使っていただければ幸いです。
 *メールの仕分け処理のために、メールの表題は「声明賛同」としてください
  (「 」は不要です)。

内容:メールに記していただく内容に関しては、個人でご賛同いただく場合と、
 大学・学部等で集約していただく場合と異なりますので、下記をご覧ください。
 なお、集約作業にはたいへんな労力が予想されるために、できれば大学・学部
 等で賛同される方を何人か集約した上で送っていただければ幸いです。

○個人で賛同される場合、下記の事項を記してください。

お名前:
大学名:
所属(学部・研究科・研究所など):
連絡先(メールまたはFax):
メッセージ(もしあれば):

 *連絡先は、この声明に関する記者会見をした場合の情報などフィードバック
  のために用いるものであり、その他の目的には用いないことをお約束します。
  フィードバック不要という方は記す必要はございません。

○大学・学部などで集約される場合は、次の要領でお願いします。

お名前:
所属:
連絡先:

お名前:
所属:
連絡先:
___________________________________________________________________________

    民族学校出身者の受験資格を求める国立大学教職員の声明

 2月21日付『朝日新聞』の記事によれば、文部科学省は、国立大学の受験資
格が認められていない外国人学校の中で欧米系のインターナショナルスクールの
卒業生にのみ受験資格を与え、朝鮮学校、韓国学園、中華学校などのアジア系外
国人学校(民族学校)には認めない方針を明らかにしました。
 私たちは、こうした「方針」が現実化するならば、それはあからさまな民族差
別であると考えます。すでに国立大学においても「外国において、学校教育にお
ける十二年の課程を修了した者又はこれに準ずる者」の受験資格を認めているに
もかかわらず、日本国内の民族学校で「学校教育における十二年の課程を修了し
た者」の受験資格を認めず、事前に大検(大学入学資格検定規程)への合格を求
めていること自体が不合理なことです。また、国立大学が受験資格を認めていな
い一方で、すでに半数以上の公立・私立大学は民族学校を含む外国人学校出身者
の受験資格を認めています。1999年以降、大検の受験資格緩和などの措置がとら
れましたが、民族学校出身者が著しく不利な状況に置かれていることに変わりは
ありません。これまでにもそれぞれの大学がこうした状況を改善しようとした時
に、「文部科学省の意向」が大きく立ちはだかってきましたが、欧米系のインタ
ーナショナルスクールだけを優遇しようとする今回の「方針」には改めて驚きを
禁じえません。
 日本政府が1994年に批准した「子どもの権利条約」では、「高等教育を、すべ
ての適当な方法により、能力に基づいてすべての者がアクセスできるものとする
こと」(第28条)、「民族上、宗教上もしくは言語上の少数者、または先住民が
存在する国においては、当該少数者または先住民に属する子どもは、自己の集団
の他の構成員とともに、自己の文化を享受し、自己の宗教を信仰しかつ実践し、
または自己の言語を使用する権利を否定されない」(第30条)と規定しています。
民族学校出身者の受験資格を認めないことは明らかに条約違反です。
 しかも、今回の「方針」は、「教育の国際化」という趨勢の中で、大学入試セ
ンター試験の外国語科目として英・独・仏の他に中国語(1997年度から)と朝鮮
語(2002年度から)が設けられてきた流れにも逆行しています。いまここでアジ
ア系外国人学校出身者を排除して欧米系のインターナショナルスクール出身者だ
けに受験機会の拡大を認めるというのは、恣意的な権力の行使であり、真の意味
での「教育の国際化」に反するものといわざるを得ません。「教育の国際化」と
は、欧米の人々と席を並べて対話することだけを意味しているのでしょうか?。
植民地支配と侵略戦争という日本の歴史的責任が問われざるを得ないアジアの人
々との関係を棚上げにして進められる「教育の国際化」とは、一体何なのでしょ
うか?
 私たちは国立大学教職員として、自分たちがこの問題に責任ある立場に置かれ
ていると考えます。そうであるからこそ、文部科学省の政治的判断に対して、大
きな危惧と疑念を抱かざるをえません。
 私たちは民族差別の「加担者」になることを拒否します。そして、以下のこと
を文部科学大臣に要求します。

一、インターナショナルスクール出身者と同様、民族学校出身者に対しても国立
  大学への受験資格を認めるための法的措置をとること。
二、一が困難な場合、民族学校出身者の受験資格認定は各大学の自主的な判断に
  任せることを公に声明すること。

2003年3月2日

呼びかけ人(50音順)
出水薫(九州大学)、鵜飼哲(一橋大学)、川島真(北海道大学)、駒込武
(京都大学)、坂元ひろ子(一橋大学)、高橋哲哉(東京大学)、鶴園裕
(金沢大学)、冨山一郎(大阪大学)、中野敏男(東京外国語大学)、水野
直樹(京都大学)、安井三吉(神戸大学)、米田俊彦(お茶の水女子大学) 


REV: 20160125
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