『障害者の中には生を享受している者がいることはわかっていても、それにもかかわらず、障害児を育てることにかかる負担の大きさが、選択的中絶を正当化する、ということを多くの人が認めている。これまで女性が変えようとしてきた状況(母親として縛られ、仕事もやめなくてはならず、大きな負担を強いられる)を縮図的に示すのが障害児だ、と言われる。』
つまり障害者と母親が対立するような構図におかれている。政府のサポートも少ないためだ。北米では障害者運動が、「遺伝子技術などの技術は良くない」と説得するのが難しい。ドイツでは成功するのだが。技術が「福音」だと受け止められるのが、渡米してショッキングだったことだ。他の問題でもそうだ。安楽死は「解放」だと言われる。障害児殺しも、それによって「親が助かった」ことが強調される。安楽死反対の'Not Dead Yet'というグループがあるが、全体からすれば勢力は小さいし、遺伝子工学に反対するグループはアメリカにはない。