「学校教育法施行令の改定に反対する集会」
2001/11/10
last update: 20160125
■2001/11/10 学校教育法施行令の改定に反対する集会
◆学校教育法施行令「改定」に反対するアピール
現在、文部科学省は、今年の１月に出された「21世紀の特殊教育の在り方につ
いての調査研究協力者会議」の最終報告を受け、学校教育法施行令22条の3及び
就学手続きに関する施行令等の「改定」をすすめている。
この「改定」は、一部の障害児の普通学校への就学を緩和する。しかし、これ
はあくまでも例外的措置としており、「合理的な理由がある特別の場合」にかぎ
られている。79年の養護学校義務化以降、障害児・者とその保護者たちが普通学
校への就学を希望し、全国的に闘い勝ちとってきた成果が今問われている。
障害が重複している子どもや医療的ケアの必要な子ども、さらに対人関係に著
しい問題のある子どもの普通学校への就学には「問題」があるとしているなど、
障害児に新たな差別・選別を生み出す危険性が極めて大きく、反対の声をあげて
いく。
こうした「改定」は、各地域で私たちそして教育委員会と学校が築き上げてき
た「共生・共学」へのとりくみを一方的に規制することになりまねない。
子どもの権利条約や障害者の機会均等化に関する基準規則、サラマンカ宣言な
どで謳われている「障害児の権利」を私たちは承認する。
障害児と健常児がともに普通学校で教育を受けるインクルージョンの流れを日本
の教育行政は強く認識すべきである。
今回の学校教育法施行令「改定」は多くの障害児・者、保護者、教職員が望ん
できたものではない。
私たちは今回の「改定」を連帯の力で乗り越えていく。
障害に関わらず地域の学校への就学の実現をめざし今後も運動を強化する。
以上
2001年11月10日
11.10学校教育法施行令改定反対全国集会 参加者一同
◆集会の呼びかけ（チラシより転載）
11/10 学校教育法施行令の改定に反対する集会
2001年11月10日（土）
11時30分〜13時30分
戸山サンライズ
（東京都新宿区戸山1-22-1 電話03-3204-3611 FAX03-3232-3621）
都バスご利用の場合 医療センター前下車１００m
・宿７４ 新宿駅西口 東京女子医大行き（医療センター経由）
・橋６３ 新大久保駅 新橋駅行き
・橋６３ 大久保駅 新橋駅行き
地下鉄ご利用の場合 東西線 早稲田駅下車徒歩８分
主催 日本教職員組合,障害児を普通学校へ全国連絡会,全障連,障害者政策
研究集会全国実行委員会
１.文部科学省が進めようとしている改定は
今、文部科学省は障害をもった子どもたちの新たな就学基準づくりと就学
手続きの見直しとして学校教育法施行令の改定を進めています。
その内容は、今年の１月に出された「21世紀の特殊教育のあり方に関する
調査研究協力者会議」の最終報告にもとづくもので、
1）自分のことは自分でやれる介助が必要でない子に限って普通学級へ通
うことを認めるが
2)医療的ケアが必要な子、２つ以上の障害を持っている子、対人関係がう
まく取れない子などについては普通学級から排除しようとするものです。
現在、必要な場合は介助をつけながら、普通学級に通っている子どもたち
は増え続けています。それは、「皆と一緒に地域で生きて行きたい」という
あたりまえの願いからです。この願いは、人間の基本的な権利であり、その
前に障害が軽い、重いは関係ありません。自分の生きる場所は自分で決めて
こそ「生きる力の育成」でしょう。
「障害の重い子は手のかかるじゃまな子」 この差別・選別の考え方こそ
大きな問題です。
２.世界は、統合教育の流れに
現在、世界的には「サラマンカ宣言」等に見られるように「統合教育」が
大きな流れになっていますが、今回の改定は、新たな差別と分断を生み出し
てしまうものになっています。
３.各地方自治体の教育委員会の責任に変わるから国の規制を強くする？
今回の改定は、地方分権法の中で、各地方自治体の教育委員会の責任に変
わることに対し国は一定水準を保つために規制を行おうとするものです。従っ
て、いままで文部省通達で規制してきたものも、政令の改定という形で規制
することになります。しかも、政令の改定は法案として国会に上程されない
ために文部科学省内の作業のうえ閣議決定され、ほとんどの人は知らないま
まに決まってしまうものです。
今、私たちは声をあげなければなりません。
養護学校義務化以降「障害を持っても持たなくても共に子どもが生きる学
校を」願い闘ってきたことが問われているのです。
多くの方が参加されることを願います。
……以上（以下はホームページの制作者による）……