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大阪「『学校教育法施行令』改悪に抗議する緊急集会」


last update: 20160125


 ◆2001/10/2大阪「『学校教育法施行令』改悪に抗議する緊急集会」配布資料より(↓)
 ◆「障害児を地域の学校から排除する「学校教育法施行令・施行規則」の改悪に断固反対します。」(↓)
 れ
◆2001/10/2大阪「『学校教育法施行令』改悪に抗議する緊急集会」配布資料より

文部科学省施行令等「改正案」について
2001年10月
大阪教組 藤田修

1.改正の理由

(1)今年1月の21世紀の特殊教育を考える調査研究協力者会議の答申(就
   学基準の見直しを提言)
(2)科学の進歩
(3)機関委任事務廃止により就学指導委員会が不明確になっている


2.経過と予定

2001年
5月 文部科学省原案作成。庁内で意見もとめる。
6月 同原案の存在が発覚
7月 文部科学省折衝、民主党陳情など
8月 大阪障大連ほか大阪メンバーが平野衆議院議員の紹介で文部科学省・岸田副大臣他に陳情
12月 省内調整、法令審議室・内閣法制局審査の後、原案確定
2002年4月 施行
2003年4月 新入者から適用


3.施行令・施行規則改正のポイント

(1)小中学校に就学させる特例措置(新規)
1)重度重複障害を除く
2)施設設備の整備により適切な教育を受けることが可能な者
3)合理的要件を全て備えた者
・安全に過ごすことが可能なこと
・対人関係形成上、著しい問題が認められないこと

(2)盲・聾・養護学校対象となる障害の程度を明確に規定(施行令22条の3変更)
・視覚障害…視力要件をはずし、視覚認知力に緩和
・聴覚障害…聴力要件をはずし、話声理解力に緩和
・知的障害…障害の状況を詳細に規定
・肢体不自由…機能要件から日常生活基本動作の能力に
・病弱…生活規制の期間常時と規定

(3)必要な場合、就学指導委員会等へ相談
(学校教育法では新規、指導委員会の設置義務付けはなし)


4.特例事項に関する文部科学省の考え

(1)特例要件
 特例措置が認められる児童生徒は、介助員なしに学習や身の回りのことが
できることが前提であり、学校における施設設備など物的な条件の下で特別
な配慮なしで受けれるかどうか判断すべき。市町村が行う判断の具体的要件
は以下。

<本人要件>
1)重度の障害(盲・聾・養護学校に就学すべき程度)を重複していないこと
2)対人関係形成上著しい問題が認められないこと
3)本人が小中学校の管理下において、安全に過ごすことができること
4)本人および保護者の希望

<環境要件>
5)障害に応じて学習するために必要な施設設備などが整っていること
6)障害に応じた特別な教材等の提供
7)移動等の支援の可能性

(2)改正等手続き
 上記4)5)6)7)は法的拘束力を持たない就学指導資料で規定
 参考 <具体的な事例について国の見解>
・車椅子の子どもをバリアフリーの整備された学校に受け入れ…適当
・中度の知的障害の子どもを小学校に受け入れ…不適当だが違法でない
・介助員を配置して肢体不自由児の子ども受け入れ…不適当だが違法でない
・日常的に医療ケアが必要な子どもの受け入れ…違法
・行動障害で対人関係形成上問題がある子どもの受け入れ…違法

(3)就学決定の裁量権
 現行の制度の下では、市町村教委は障害児を養護校に就学させても普通学
校に就学させる権限はない(県教委にある)のを、市町村裁量で選別できる
ようにする。就学指導委員会の設置は必置とはしない。

(4)特殊学級に就学すべき児童生徒の範囲
 特殊学級の設置が任意であるため局長通知により規定


5.問題点

(1)就学に際し、これまでの別学体制を基本的に踏襲しており、世界がイ
ンクルーシヴな教育へと転換しつつある現状に反していること。

(2)就学の特例事項を明記する事で大阪のような重度重複障害児の校区保
障に足かせとなること。

(3)地方自治への移行とも関連し、市町村・学校長などに府教委方針(三
原則)に反する行為をする者が出る心配がある。


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(チラシより)
私たちの怒りの声を届けよう!

○ハガキ、手紙の送り先
〒100-8959 千代田区霞ヶ関3-2-2 文部科学省
文部科学大臣 遠山敦子様
○ファックス先
文部科学省初等中等教育局特別支援教育課
03−3597−7764
○メール・アドレス
文部科学省 voice@mext.go.jp
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◆「障害児を地域の学校から排除する「学校教育法施行令・施行規則」の改悪に断固反対します。」

 *200110 臼井さんより

10/2(火)夜、大阪府教育会館で
「『学校教育法施行令』改悪に抗議する緊急集会」
がありました。
壁際は立ち見の人が並び会場に入りきれないほどでした。
200名は参加していたと思います。
集会主催は「障害児を地域の学校へ!大阪連絡会」

〒100-8959 千代田区霞ヶ関3-2-2 文部科学省、大臣あてに
抗議文書を送ろうという呼びかけがありました。
ファックス、メールは一部確認中につき改めて掲載します。

(下記は抗議文書のモデルとして配布されたものです)

文部科学大臣  遠山 敦子 様

障害児を地域の学校から排除する
「学校教育法施行令・施行規則」の改悪に断固反対します。

 「21世紀における特殊教育の在り方について」(最終報告)をふまえ、
「学校教育法施行令・施行規則」の改訂がすすめられているとお聞きしてい
ます。
 「施行令」は、障害および障害によってもたらされる権利侵害を「心身の
故障」ととらえ、地域で学びたいという障害児やその保護者を地域の学校か
ら排除する役割と、障害児・者に対する差別・偏見を助長する役割を担って
きました。
 私たちは、こうした「施行令」に宿る差別性が改められるものと期待して
いましたが、介助がないと自分で身の回りのことができない障害児、重複障
害児や医療的ケアを必要とする子どもたち、そして、必要な条件整備がない
場合などは、地域の学校に入学を認めない、というように改悪されるという
ことです。
 さらに、制度改正以前に入学している障害児にも、この制度を適用し、地
域の学校から障害児を排除しようというものであると聞いています。私たち
は、こうした改悪には、断固として反対です。
 障害を「心身の故障」ととらえる障害者観や障害の状況だけで養護学校へ
の入学を強制することは、「サマランカ宣言」などの国際的な障害者観とは
かけ離れたものであり、政府や厚生労働省のすすめる「ノーマライゼーショ
ン」「リハビリテーション」という障害者福祉の理念に逆行するものではな
いでしょうか。
 また、「人権教育・啓発推進法」や「人権教育のための国連10年行動計
画」の具体化ということからも矛盾を感じざるを得ません。
 文部科学省が検討されている「施行令」の改訂が実施されると、大阪にお
いては地域の学校で学びたいと思っている、まだ現在学んでいる障害児が排
除されることになりかねません。地方分権一括法の基本理念を尊重され、地
域における多様な教育実践を尊重し、「施行令」の改訂にあたって十分な配
慮をなされますようお願いいたします。
(1)就学にあたっては、障害児本人・保護者の選択権を認めて下さい。
(2)ノーマライゼーション、リハビリテーション、インクリュージョンの
理念の徹底をはかり「施行令・施行規則」の改訂にあたっては「心身の故
障」という表現を改めて下さい。
(3)施行令第22条3の規定を全面的に廃止し、希望する障害児は地域の
学校で受け入れる体制を確立して下さい。

私たちは抗議します!
名前       住所


……以上(以下はホームページの制作者による)……


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