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「私たちは戦争に反対する」


last update: 20160125


「私たちは戦争に反対する」

◆山本さんより

次号「カルチャー・レヴュー」19号(01/10/01発行)および
黒猫房のWebで、下記の「報復戦争反対」のアッピールを掲載
します。
このアッピールは、各個人に帰属するものであり、それ以外の
団体や権威を「代表/象徴」するものではありません。

大筋で賛同いただける方は、よろしければ連名をお願いします。
補足したい方は、「個別コメント」で反映してください。
「署名」および「個別コメント」は、09/29(土)までに返信メール
でお願いします。
それ以降に届いたメールは、Webで公開いたします。

(転送歓迎です)
****************


「私たちは戦争に反対する」

 9.11の大事件以後わずかのうちに世界は変わってしまったかのようだ。
「報復!、戦争!」を絶叫するブッシュに対し、日本の小泉首相は必死で追
随している。しかし、テロを憎むことと戦争を行うことが同一であってはなら
ない。またこの戦争には理がない。
 ブッシュが堂々と口にした「Dead or Alive」という西部劇のセリフは、法
と秩序から遠く離れたリンチの思想の表出である。また彼の用いた「十字軍」
という言葉は、その手前勝手な「正義」が、攻め込まれた側には通用しないと
いうことを、彼が一顧だにしていないことを示している。これらの発言は、
「正義」に心酔したいという幼稚なナルシズム以外の何ものかであるだろう
か。
 アメリカ合衆国はこれまで、他国を侵略し、また突然ミサイルを打ち込ん
で、人々を殺し、恐怖におののかせてきた。その国がいま、傷つけられた「国
家の威信」を回復しようとしている。そして相手の行為を「文明」や「人間
性」への挑戦と言いつのることで、自らの行為の正当化を図ろうとしている。
 そんな戦争に理があるわけはない。
 今回の大事件は、超大国への攻撃という意味で大きなショックを与えた。そ
して同時に、「進歩」や「繁栄」の崩壊といったものへの不安を与え、その反
動が戦争を欲求させているのかもしれない。だが、たとえ不安があるのだとし
ても、その解消を戦争に求めようとするのは誤りである。
 私たちはブッシュの戦争に反対する。そして日本国の戦争支援(参加)に反
対する。

                          2001年10月01日

■署名:小原まさる、加藤正太郎、田中俊英、野原 燐、山本繁樹

■個別のコメント

「報復は、いっそうの不正義をもたらす」
                              山本繁樹
 私は今回のテロル事件を「文明の衝突」や「宗教戦争」にのみ、回収しては
ならないと思います。
 マスコミの世論操作は、そのように動いているようですが、アメリカ政府と
先進諸国による「支配」に対しての反撃だという視点は必要だと思います。
 その意味では、政治テロルは「周辺」から「中央権力」の「合法性」への異
議申し立てとして、常に/すでに反復されてきたのですが、しかしテロルにる
殺戮に「正義」があるわけではないと思います。ましてや「報復戦争」にも
「正義」はないと考えます。
 そして「不正義」と「不正義」の闘いでは、いっそうの「不正義」がもたら
され精神の頽廃を累積させるだけです。
 またテロルの恐怖をあおって、いっさいの異議申し立てを「危険」視するよ
うな世論操作にも自覚的でありたいと思います。

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「自分の身を守るために僕は反対します」
                              田中俊英
 僕は、この反対案に署名します。理由は、反対案に書かれていることと合わ
せて、自分自身を守るためです。
 こうした反対案に署名してしまう僕は、すでに少数派になっています。その
ことを僕は、若い人たちと接する毎日の仕事から感じています。
 いまや年齢など関わらず、この日本という国名を名乗っているエリアに住ん
でいる人々の多くは、ブッシュや小泉の思想に共感する人たちが住む場所にな
ってしまったと僕は恐れています。みなさんはそう思いませんか? 
 繰り返しますが年齢は関係ありません。あえて言うと、若い人ほど僕の敵で
あることが多いのです。
 20年後、このエリアはたぶんやばいことになっているように思います。その
とき「政治思想的少数派」である僕は必ず迫害されるてでしょう。
 今回の署名は、これから限りなく反復されていくだろう僕の身を守るための
闘いの、決定的出発点かもしれません。

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「わたしではないたくさんのひとたちは神の怒りを切望している」
                              野原 燐
 貿易センタービルの崩壊の映像は衝撃的である。バベルやバビロンのように
傲り、腐敗し浮かれたものたちの象徴だからこそ、神の怒りに会い崩壊した。
キリスト教ファンダメンタリストで無くともそういった連想を強く呼び起こす
神話的力を持った映像である。テロリストという言葉がいかに全否定的に響こ
うが、抑圧され神の怒りを求めるものたちが集団的に存在するならば今後数千
年、崩壊の映像は消え去ることなく記憶され、それを試みる者たちもまた絶え
ないだろう。

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■■■■■■  るな工房/黒猫房/窓月書房 ■■■■■■ 
        黒猫房主こと山本繁樹
http://member.nifty.ne.jp/chatnoircafe/index.html


……以上……


REV: 20160125
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