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21世紀の特殊教育の在り方について(最終報告)に基づく
就学基準の見直し及び特殊学級・通常学級への振り分け基準の法令化に関する要望書

障害者政策研究全国集会実行委員会 2001/08/13



                               2001年8月13日

文部科学大臣遠山敦子殿

21世紀の特殊教育の在り方について(最終報告)に基づく
就学基準の見直し及び特殊学級・通常学級への振り分け基準の法令化に関する要望書

                     障害者政策研究全国集会実行委員会
                     実行委員長 樋 口 恵 子

 貴職におかれましては、日頃より障害をもつ児童・生徒の教育について取り組まれていることに敬意を表します。
 さて、本年1月15日、貴職が組織された「21世紀の特殊教育の在り方に関する調査研究協力者会議」から標記の最終報告(以下、「最終報告」とする)が公表されました。私たちとしても、世界的なノーマライゼーションを原則とする障害者の社会参加促進の動き、さらには、特別な支援を必要とする子どもたちへの教育を保障するインクルージョンの原則が進められている国際的な動向からも、今回の最終報告が日本における今後の障害児教育の上で非常に重要な意味を有していると考え、それに対する見解案を提出させていただきました(別紙参照)。とりわけ、今回の報告の中で提唱されている、「学校教育法施行令に規定する就学基準の見直し」と「特殊学級・通常学級への振り分け基準の法令化」については、これまで各地域で進められてきた統合教育へ向けた取り組みにとって非常に大きな影響をもたらすものと認識しています。
 上記の認識を踏まえ、以下の通り質問させていただきますので、私たちとの意見交換の場をもっていただきたく、ここに要望いたします。

                     質問事項

1.学校教育法施行令第22条の3に規定する就学基準は、私たちにとっても非常に問題の多い規定だと考えますが、今回の最終報告に基づく改編にあたって、どのような内容に改められる意向なのか、具体的に答えてください。

2.それと関連する問題として、学校教育法第七十一条の二をはじめとする条項において障害を「心身の故障」と表現しているのは、WHOなど国際的な障害の捉え方からみても、障害をもつ人たちの人権の観点からも非常に不適切だと考えますが、障害を「心身の故障」と表現することに対して、文部科学省として、どう認識されているのか、また、今回の改正において、それの表現を改める方向で検討されているのか、答えください。

3.特殊学級・通常学級への振り分け基準の法令化は1とも連動するものと考えますが、今回の最終報告に基づく改編にあたって、どのような内容とされる意向なのか、具体的に答えてください。

4.今回の最終報告を受けた制度改革について、これまで地域で進められてきた障害をもつ児童・生徒の通常学級における実態としての教育成果をどれだけ踏まえておられるのか、文部科学省としての認識を具体的にお聞かせください。

                                           以上



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