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「精子・卵子・胚の提供等による生殖補助医療に関する御意見の募集について」

厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/shingi/0106/s0629-2.html

last update: 20160125


平成13年6月29日


精子・卵子・胚の提供等による生殖補助医療に関する御意見の募集について

○ 現在、厚生科学審議会生殖補助医療部会(生殖補助医療部会について)に
おいて、精子・卵子・胚の提供等による生殖補助医療(非配偶者間の生殖補助
医療)(不妊治療の種類)に関する制度整備についての検討が行われておりま
す。
○ つきましては、同部会における検討の参考とするため、精子・卵子・胚の
提供等による生殖補助医療について、広く御意見を募集いたします。

○ 御意見の受付期間は、平成13年6月29日(金)から生殖補助医療部会
における本件についての検討が終了するまでの期間とし、提出方法は、電子メ
ール又は郵送で受け付けます。御意見の提出、記載方法等は、下記【御意見の
提出要領】のとおりです。
  また、インターネットを使用できない環境にあって資料等を入手できない
場合は、下記【御意見の提出要領】(4)のとおり、郵便での資料請求を受け
付けます。

○ いただいた御意見を有効に活用させていただく観点から、御意見の提出に
当たっては、できうる限り、御意見を提出する事項やその理由を具体的に記載
して下さい。

○ お寄せいただいた御意見は、原則としてそのすべてについて、資料として
厚生科学審議会生殖補助医療部会において配布し、公開することとなります。

○ なお、御意見に対する個別の回答はいたしかねますので御了承下さい。

【御意見の提出要領】

(1)御意見の提出方法
   下記の御意見提出様式に従って御意見をまとめ、電子メール又は郵送に
て提出して下さい(電話及びファクシミリによる御意見の提出は御遠慮下さい。)。

(2)御意見の受付期間及び提出先
  ○ 御意見の受付期間
    平成13年6月29日(金)から厚生科学審議会生殖補助医療部会にお
ける精子・卵子・胚の提供等による生殖補助医療に関する制度整備についての検
討が終了するまでの期間とします。

  ○ 御意見の提出先
   ・ 電子メールの場合
     seishoku@mhlw.go.jp

  (テキスト形式にて送付願います(テキスト形式以外での御意見の提出は
お受けできませんので御注意ください。)。)

   ・ 郵送の場合
     〒100−8916
     厚生労働省雇用均等・児童家庭局母子保健課
     厚生科学審議会生殖補助医療部会事務局 宛

(3)御意見の提出様式

御意見提出様式

○ 精子・卵子・胚の提供等による生殖補助医療に関する意見
I お寄せいただいた方

 1 年齢:(「○歳代」でも結構です。)
 2 性別:
 3 職業:
 4 氏名:
 5 所属団体:(特にない場合は「なし」で結構です。)
 6 上記4及び5の匿名化の希望:(匿名化を希望しない場合には「希望しない」
と記載して下さい(特に指定がない場合には匿名化します)。)
 7 連絡先の住所、電話番号又は電子メールアドレス

II この問題に御関心をお持ちになった理由

III 御意見


※1 いただいた御意見を有効に活用させていただく観点から、御意見の提出に当
たっては、できうる限り、御意見を提出する事項及び理由を具体的に記載して下さい。

※2 御意見提出様式中のIの記載に際しては、様式項目の順番を変更しないで下さ
い。

※3 御提出いただいた記載内容は、匿名化を希望する旨の記載がない場合には、
御意見提出様式Iの7における住所、電話番号又は電子メールアドレスを除き、す
べて公開される可能性があることを、あらかじめ御了承下さい。

(4)その他
   インターネットを使用できない環境にあって本件の資料等を入手できない方
は、資料の返送先の氏名及び住所を記載し、240円切手を貼った返信用封筒(A
4サイズのコピー用紙が40枚程度入る角封筒を下記の連絡先まで送付下さい。
 また、御意見提出及び資料請求に係る御照会についても、以下の連絡先までお願
いいたします。

〒100−8916 東京都千代田区霞が関1−2−2
厚生労働省雇用均等・児童家庭局母子保健課
厚生科学審議会生殖補助医療部会事務局
TEL 03(5253)1111 (厚生労働省代表)
(内線:7938、7937)
03(3595)2544 (夜間直通)

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○ 厚生科学審議会生殖補助医療部会について

(第2回厚生科学審議会(平成13年6月11日開催)において設置決定)
1.設置目的


○ 精子・卵子・胚の提供等による生殖補助医療(非配偶者間の生殖補助医療)の
あり方については、平成10年10月より、旧厚生科学審議会先端医療技術評価
部会の下に設置された「生殖補助医療技術に関する専門委員会」において検討が
行われた(委員名簿、検討経過)。


○ 同専門委員会は、平成12年12月に、インフォームド・コンセント、カウン
セリング体制の整備、親子関係の確定のための法整備等の必要な制度整備が行わ
れることを条件に、代理懐胎を除く精子・卵子・胚の提供等による生殖補助医療
を認めるとともに、必要な制度整備を3年以内(平成15年中)に行うことを求
める報告書をとりまとめた(概要、報告書本文、報告書への御意見募集の結果)。


○ 本部会は、この報告書の要請を踏まえ、報告書の内容に基づく制度整備の具体
化のための検討を行うことを目的とする。


2.検討課題



本部会においては、精子・卵子・胚の提供等による生殖補助医療に関する以下の
事項等について検討する。


(1)提供された精子・卵子・胚による生殖補助医療の実施、精子・卵子・胚の
提供の条件



(1) 提供された精子・卵子・胚による生殖補助医療を受けることができる者の条件

(2) 精子・卵子・胚を提供できる者の条件 等
(2)提供された精子・卵子・胚による生殖補助医療の実施、精子・卵子・胚の提供
までの手続や実施医療施設の施設・設備の基準



(1) 提供された精子・卵子・胚による生殖補助医療を受ける者、精子・卵子・胚の提
供者等に対するインフォームド・コンセント、カウンセリングの具体的な内容

(2) 実施医療施設の施設・設備の基準 等
(3)管理体制



(1) 提供された精子・卵子・胚による生殖補助医療に係る公的管理運営機関の選定・
業務の具体的な内容

(2) 実施医療施設等の監督体制

(3) 生まれた子が知ることができる精子・卵子・胚の提供者の個人情報の管理方法 等
3.構成



本部会は、医療関係者、法律家、倫理学者、心理の専門家等の精子・卵子・胚の提供
等による生殖補助医療に関する幅広い分野の関係者を委員として参集する(おおむね
20名程度の委員を参集)(第1期委員名簿(※7月13日任命予定))。
4.検討スケジュール



平成14年中を目途に、精子・卵子・胚の提供等による生殖補助医療に関する制度整備
の具体的内容について、本部会としての検討を終了する(生殖補助医療部会議事録
(※議事録が作成され次第掲載予定))。


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不妊治療の種類

−現在我が国において実施されている不妊治療
□生殖補助医療部会の検討対象とされている不妊治療
(精子・卵子・胚の提供等による生殖補助医療)


I 一般的な不妊治療

○ 排卵誘発剤などの薬物療法
○ 卵管疎通障害に対する卵管通気法、卵管形成術
○ 精管機能障害に対する精管形成術


II 生殖補助医療


1.人工授精
 精液を注入器を用いて直接子宮腔に注入し、妊娠を図る方法。乏精子症、無精子症、
精子無力症などの夫側の精液の異常、性交障害等の場合に用いられる。
 精子提供者の種類によって、以下のように分類される。
(1)配偶者間人工授精(AIH)
(2)非配偶者間人工授精(AID)



2.体外受精・胚移植(IVF-ET)
 人為的に卵巣から取り出した卵子を培養器の中で精子と受精させ、受精後の受精卵
や胚を子宮腔や卵管に戻し、妊娠を期待する方法。高度の卵管通過障害による不妊症
などに対する治療として用いられる。
 精子・卵子・胚の提供者の種類によって、以下のように分類される。
(1)配偶者間体外受精
(2)非配偶者間体外受精

 (1) 提供精子による体外受精
 (2) 提供卵子による体外受精
(3)提供胚の移植



3.代理懐胎(代理母・借り腹)

(1)代理母
 夫婦のうち、妻が卵巣と子宮を摘出したこと等により、妻の卵子が使用できずかつ、
妻が妊娠できない場合に、夫の精子を妻以外の子宮に医学的な方法で注入して、妊娠
・出産してもらい、その子どもを依頼者夫婦の子どもとすること。
(2)借り腹
 夫婦のうち、夫の精子と妻の卵子が使用できるが、子宮を摘出したこと等により、
妻が妊娠できない場合に、夫の精子と妻の卵子を体外受精してできた受精卵を妻以外
の女性の子宮に入れて、妊娠・出産してもらい、その子どもを依頼者夫婦の子どもと
すること。




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厚生科学審議会先端医療技術評価部会
生殖補助医療技術に関する専門委員会委員名簿

(敬称略、五十音順)
氏名 所属
石井 美智子 東京都立大学法学部教授
石井 トク 岩手県立大学看護学部教授
加藤 尚武 京都大学文学部教授
高橋 克幸 国立仙台病院名誉院長
辰巳 賢一 梅ヶ丘産婦人科副院長
田中 温 セントマザー産婦人科医院院長
※中谷 瑾子 慶應義塾大学名誉教授
丸山 英二 神戸大学法学部教授
矢内原 巧 昭和大学名誉教授
吉村 泰典 慶應義塾大学医学部教授

※は委員長


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厚生科学審議会先端医療技術評価部会
「生殖補助医療技術に関する専門委員会」の検討経過について
平成10年

10月21日 第1回専門委員会
12月3日 第2回専門委員会
・生殖補助医療技術の現状と安全性について議論
・今後の本委員会の進め方と主な検討項目について決定
・意識調査の調査票の検討、完成


平成11年

2月〜3月末 意識調査実施・意識調査結果集計
2月4日 第3回 多胎・減数手術について
3月11日 第4回 特別講演会「ヨーロッパの生殖補助医療の現状と法制度」
5月6日 第5回 精子・卵子・受精卵の提供について
6月22日 第6回 多胎・減数手術、精子・卵子・受精卵の提供について
7月23日 第7回 多胎・減数手術、精子・卵子・受精卵の提供について
10月5日 第8回 有識者からのヒアリング(宗教関係者)
10月15日 第9回 有識者からのヒアリング(患者等)
11月19日 第10回 有識者からのヒアリング(法律関係者)


平成12年

1月26日 第11回 有識者からのヒアリング(医療関係者)
2月29日 第12回 精子・卵子・受精卵の提供
3月27日 第13回 〃
4月13日 第14回 有識者からのヒアリング(日本弁護士連合会)


ワーキンググループによる議論(4/18、4/25、5/1、5/16)
6月6日 第15回 ワーキンググループたたき台の報告・議論
7月11日 第16回 ワーキンググループたたき台の議論
7月25日 第17回 〃
8月3日 第18回 〃
8月31日 第19回 〃
9月12日 第20回 〃
9月26日 第21回 イギリス受精・胎児問題管轄局長との意見交換
10月3日 第22回 ワーキンググループたたき台の議論
10月17日 第23回 報告書案(報告書案の一部を事務局より提出)の議論
11月1日 第24回 〃
11月12日 第25回 報告書案(報告書案の全体を事務局より提出)の議論
11月28日 第26回 〃
12月5日 第27回 〃
12月12日 第28回 〃
 (12月22日 厚生科学審議会先端医療技術評価部会への報告書案の報告)
12月26日 第29回 報告案の字句等の修正
12月28日 最終報告書とりまとめ。



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○ 精子・卵子・胚の提供等による生殖補助医療のあり方についての報告書の概要

※この概要ペーパーは、「精子・卵子・胚の提供等による生殖補助医療のあり方に
ついての報告書」の内容を、「生殖補助医療技術に関する専門委員会」事務局(厚
生労働省雇用均等・児童家庭局母子保健課)において要約したものである。
1.各非配偶者間生殖補助医療について



(1)非配偶者間生殖補助医療を受ける条件について

○ 子を欲しながら不妊症のために子を持つことができない法律上の夫婦に限る。

(2)各非配偶者間生殖補助医療等の是非について

○ それを受けなければ妊娠できない夫婦に限って、以下の提供された精子・卵子 ・
胚による生殖補助医療(非配偶者間生殖補助医療)を受けることを容認する。
(1) AID(提供精子による人工授精)
(2) 提供精子による体外受精
(3) 提供卵子による体外受精
(4) 提供胚の移植
○ 代理懐胎(代理母・借り腹)
 人を専ら生殖の手段として扱い、また、第三者に多大なリスクを負わせるもの
であり、さらには、生まれてくる子の福祉の観点から望ましくないため禁止する。
(3)精子・卵子・胚を提供する条件等について

(1) 精子・卵子・胚の提供者の条件
○ 精子提供者は、満55歳未満の成人とする。
○ 卵子提供者は、既に子のいる成人に限り、満35歳未満とする。

(2) 精子・卵子・胚の提供に対する対価
○ 精子・卵子・胚の提供に係る金銭等の対価の授受を禁止する。ただし、精子 ・卵
子・胚の提供に必要な実費相当分については提供者に支弁してもよい。

(3) 精子・卵子・胚の提供における匿名性の保持
○ 精子・卵子・胚を提供する場合には匿名とする。

(4) 兄弟姉妹等からの精子・卵子・胚の提供((3)の特例)
○ 他に提供者が存在しない場合であって、十分な説明・カウンセリングが行わ
れ、金銭等の対価の供与がなく、子の福祉や提供者に対する心理的な圧力の観
点から問題がないと公的管理運営機関が認めたときに限り、(3)の特例として兄
弟姉妹等の匿名性が保持できない者からの精子・卵子・胚の提供を認める。

(5) 書面による同意
○ 非配偶者間生殖補助医療の実施及びそれに用いる精子・卵子・胚の提供に際
しては、事前に当事者夫婦の書面による同意を得なければならない。

(6) 十分な説明の実施・カウンセリングの機会の保障
○ 非配偶者間生殖補助医療の実施及びそれに用いる精子・卵子・胚の提供に際
しては、当事者夫婦に対して十分な説明を行い、カウンセリングの機会を保障
しなければならない。
2.規制方法及び条件整備について



(1)規制方法

○ 以下のものについては、罰則を伴う法律による規制を課す。
・ 営利目的での精子・卵子・胚の授受・授受の斡旋
・ 代理懐胎のための施術・施術の斡旋
・ 職務上知り得た人の秘密を正当な理由なく漏洩すること
○ 上記を除き、1.の結論については、罰則を伴う法律による規制の対象とはせ ず、
法律に基づく指針等規制の実効性を担保できる他の形態の規制を課す。

(2)条件整備

(1) 親子関係の確定
○ 以下の内容を法律に規定する。
・ 非配偶者間生殖補助医療により子を出産した者を、その子の母とする。
・ 妻が夫の同意を得て、非配偶者間生殖補助医療により出産した子は、その夫の子とする。
・ 精子・卵子・胚の提供者は、非配偶者間生殖補助医療により生まれた子の父母とされない。

(2) 出自を知る権利
○ 非配偶者間生殖補助医療により生まれた子は、成人後、その子に係る精子・ 卵子・
胚の提供者の個人情報のうち、提供者を特定できず、かつ、提供者がそ の子に開示す
ることを承認したものを知ることができる。
○ 非配偶者間生殖補助医療により生まれた子は、結婚した場合に近親婚となら ないこ
との確認を求めることができる。

(3) 非配偶者間生殖補助医療を行う医療施設の指定
○ 公的審議機関の意見を聴いて国が定める基準により、国が指定した医療施設 でなけ
れば非配偶者間生殖補助医療を行うことはできない。

(4) 非配偶者間生殖補助医療の実施に関わる体制の整備
○ 各生殖補助医療の利用に関して、必要な提言を行う公的審議機関を設ける。
○ 非配偶者間生殖補助医療の実施に関する管理運営を行う公的管理運営機関を 設ける。
3.実施時期等


○ 本報告書の結論を実施するために必要な制度の整備が遅くとも3年以内に行われ
ることを求める。
○ 上記の必要な制度の整備がなされるまでは、AID(提供精子による人工授精)
以外の非配偶者間生殖補助医療は実施されるべきでない。
○ 本報告書において容認することとされた非配偶者間生殖補助医療の実施の開始か
ら一定期間経過後に、その実施状況やその時点における国民世論等を勘案しつつ、
非配偶者間生殖補助医療のあり方(特に「兄弟姉妹等からの精子・卵子・胚の提供」
及び「出自を知る権利」)について必要な見直しを行うべきである。


……以上……
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