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「障害者等に係る欠格事由の適正化等を図るための医師法等の関係法令改正案」に対する意見


last update: 20160125


◆医師法等を審議した4/5参議院厚生労働委員会の議事録(参議院ホームページ)
 http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kaigirok/daily/select0108/main.html



・参考人質疑レジュメ(2001年4月5日)
「障害者等に係る欠格事由の適正化等を図るための医師法等の関係法令改正案」に対する意見

              DPI(障害者インターナショナル)日本会議
              障害者権利擁護センター所長 金 政玉

1 障害当事者を含めた「基準策定に関する検討委員会」の設置を求めたい
@ 今回の改正案では、法律本文の規定に「心身の障害により○○(各資格等の名
称)の業務を適正に行うことができない者」と定めている。旧来からの「障害=損傷
または欠損」というマイナスイメージで「できない対象者」を限定しようとする考え
方を脱却することができていないと考える。
「心身の障害」という表記を削除する、または「心身の状況」等の表記に変更してい
く必要がある。
A  依然として省令で定める運用事項に、「☆☆(各機能の名称)の障害により
○○の業務を適正に行うに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うこと
ができない者」として、障害の機能を特定する規定を用いて相対的欠格事由を定めて
いる。政府の対処方針(99年8月)で明記されている「障害者を特定しない規定への改
正」への見直しの方向からみるとギャップがあり、これまで障害者を一律に門前払い
してきた「障害者を表す規定」とどのように違うのか判然としていない。これまでの
欠格条項と同じように特定の障害を持つ個々人の可能性を重視しない方向であり、納
得できない。
B 具体的に「障害を特定しない状態を表す基準づくり」のために必要なのは、
「○○の業務を適正に行うに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うこ
とができない」状態はどのような状態か、また「適切に行うことができない」状態で
あっても、補助的な手段の導入と整備によって可能になる場合はどのような状態か
等、本人の個別具体的状態を踏まえ、社会的サポートの観点から、本人が必要として
いる補助具・機器、筆記者・通訳者等の補助者の適切な配置を講じた上で業務上の遂
行能力又は本質的要件に該当しているかどうかを判断する基準を策定する必要があ
る。
C このような判断基準の策定にあたっては、弁護士・専門医師・障害当事者・行政
担当者等で構成される「基準策定に関する検討委員会」を常設機関として設置するこ
とが必要。

2 意見聴取の際には、本人の求めに応じて本人の障害に十分な理解のある医師等の
専門家を同席させることが必要。
3 補助的手段は、公的施策によって条件整備を図るべき
@  補助的手段の導入は、現実に障害を持つ本人の社会参加を促すためのもっとも
重要な事項の一つである。そのときに、なにを「補助的手段」とするのかは、あくま
でも、その業務を行う本人が判断することが重要である。
そのためには、補助的手段の範囲を、通訳者などの補助者にも広く適用することが必
要。
A 補助的手段の活用に関する責任主体が明確に示されていない。資格等の取得前の
教育養成機関、または資格取得後に本人が職場において補助的手段を活用して業務を
遂行するにあたって、当該機関の事業者は国及び地方公共団体と連携して本人が必要
とする補助的手段等の導入に関する必要な措置を講じること。
B 特に国及び地方公共団体は、補助的手段の整備に係る人件費を含む必要経費等に
ついて、当該教育養成機関または事業者を適切に支援するための必要な措置を講じる
義務があることを明記することが重要。
C 障害者の機会均等化に関する基準規則(一九九三年、国連総会採択)の「規則七
:就労」の三項では、「(a)職場と職場構内を多様な障害をもつ人が利用できるよう
に設計し、適応させる方策 (b)新技術の利用と補助具・機器の開発と生産への支援。
障害をもつ人の就労の獲得と維持を可能にするために、障害をもつ人が補助具・機器
を入手しやすくする方策 (c)適切な訓練と配置、人的援助や通訳サービスのような継
続的支援」を明記している。
D 障害者基本法の第2章〔障害者の福祉に関する基本的施策〕の第10条−2の2
項・3項・4項または第15条(雇用の促進等)−1〜3に、「国及び地方公共団体
は、…障害者の資格等の取得に伴う社会参加の促進に必要な補助的器具・補助者の配
置等の適切な整備を図らなければならない」などの事項を盛り込むことが必要。

4 見直し規定を盛り込むことが必要
@ 政府方針が設定した期限(2002年度末)をもって、これにて障害者欠格条項の見
直し作業は終了」と片づけられるような問題では絶対にないと考える。これまで障害
を持つ人々を絶対的に排除・門前払いしてきた多くの欠格条項によって、具体的に比
較検討し判断できる事例が決定的に少ないのが現状である。
A この改正案を具体的に運用していくためには今後、増えてくると思われる事例を
踏まえて、前記1のガイドラインの策定を含む具体的基準づくりに取り組むために
は、一定期間後の見直し規定を盛り込むことが、ぜひ必要と考える。
以上

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DPI(障害者インターナショナル)障害者権利擁護センター
金 政玉(きむ ぢょんおく)
dpi.kim@mbb.nifty.ne.jp

東京都千代田区神田駿河台3-2-11
総評会館内
TEL:03-5256-5365 FAX:03-5256-0414
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