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人権救済制度の在り方に関する中間まとめに関連して




◆DPI障害者権利擁護センターより(20010111)

障害学mlのみなさま、(以下、長文です。)

寒中お見舞い申し上げます。
DPI障害者権利擁護センターの金です。本年もよろしくお願いいたします。
昨年12月21日に本メーリングリストで「人権救済制度の在り方に関する中間取りまとめ」
に関するパブリックコメントの呼びかけをさせていただきました。
その後、別件ですが、障害者の欠格条項問題(運転免許の資格取得)に関連して、「道路
交通法改正試案」(警察庁)についてのパブリックコメントの募集も行われています。
(後日別便で、お送りします。)
 DPI日本会議の方で、この2件の課題に対して多くの個人・団体がパブリックコメン
ト(意見)を所轄省庁に対して送る取組みを進めていくために不十分なものですが、とり
あえず<共通して提起する基本事項>の案をまとめました。この案は、DPI日本会議の
加盟団体向けのものですが、少しでも参考にしていただければ幸いです。
「意見募集期間」(資料参照)が迫っており大変恐縮ですが、できればご検討下さい。

「人権救済制度の在り方に関する中間取りまとめ」に対する意見募集要領

○ 意見募集期間
 平成12年11月29日(水)〜平成13年1月19日(金)必着

○ 記載事項
 ・氏名(団体の場合は,その名称と代表者の氏名)
 ・住所
 ・意見をいただく論点(下記の区分によりお願いします。)

第1       第2        第3の1    第3の2    第3の3   
  第4の1の(1) 第4の1の(2) 第4の1の(3) 第4の1の(4) 第4の2    
 第5       第6の1    第6の2     第6の3    第6の4   
  第6の5  第6の6      その他                   
  
 ・意見の要旨(1論点につき100字以内)
 ・意見(1論点につき1000字程度)
 
 以上について,A4縦用紙に横書きで記入の上(こちらの様式を参考にしてくださ
い。),郵送又はFAXで送付してください。
 なお,複数の論点について意見をお寄せいただく場合には,ご面倒ですが,取りまとめ
の都合上,論点ごとに別葉としていただくようお願いします。

○ 宛先
 法務省人権擁護局内
 「人権擁護推進審議会意見募集」係
 郵送:〒100−8977
    東京都千代田区霞ヶ関1−1−1  FAX:03−3592−7084
 
○ 問合せ先
 法務省人権擁護局総務課審議会事務局
 TEL:03−3580−4111 内線2696

○ 「中間取りまとめ」を御覧になりたい方は、
http://www.moj.go.jp/PUBLIC/JINKEN04/pub_jinken04-01.htm
を参照してください。

■「人権救済制度の在り方に関する中間取りまとめ」
  に対するパブリックコメントについて

● 添付資料:「人権救済制度の在り方に関する中間取りまとめ」に対する意見募集要領

<共通して提起する基本事項>(案)

1.[第1 はじめに〜調査審議の対象とその経過](総論部分)においては、画期的なこ
とがうたわれているが、「抜本的な改革」の具体論になると、あいまいで後退している点
も多く、実効性については疑問である。
(意見の要旨)
本「中間取りまとめ」は、「救済の理念と対象、救済の措置、調査手続・権限、救済機関
の組織体制の4つの柱を中心に論点の整理をおこない」「我が国における被害者救済施策
の充実の必要性を痛感し」「組織体制の整備も含めた抜本的な改革を内容とする中間とり
まとめを行う」とし、画期的なことがうたわれている。しかし、「抜本的な改革」の具体
論になると、あいまいで後退している点も多く、実効性については疑問である。

2.[第3の1](人権救済制度の位置付け)においては、「既に個別的な行政上の救済制
度が設けられている分野」においては、当該機関による救済を優先し、当該機関との連携
の中で、適正な役割分担を図るべきとしているが、既存の当該機関において解決できな
かった場合に、改めて新しい人権救済機関に被害者から申し立てがあった時には、人権救
済機関の対応と救済が優先することを明記するべきである。

3.[第3の2](具体的役割)では、差別や虐待の範囲の定義があいまいである。
 「積極的な救済」の方策を具体化していくためには、その対象とされる人権侵害・差別
 等は、法律で明確にすべきである。
(意見の要旨)
 ここでは、「あらゆる人権侵害を対象とする総合的な相談と、あっせん、指導などの手
法による簡易な救済」と「自主的解決が困難な状況にある被害者の積極的救済」に分けら
れているが、「簡易な救済」は従来型の「任意的な手法による救済」を基本としており、
実効性が乏しい。また「積極的な救済」は、差別や虐待による被害者を対象とし、自らの
人権を自ら守ることが困難な場合に限定している。「対象となる差別や虐待の範囲をでき
るだけ明確に定める必要がある」と述べるだけにとどまり、差別や虐待の定義が不明なた
め、「簡易な救済」と「積極的な救済」の境目が曖昧なままである。

4.[第4の1の(3)](公権力による人権侵害)では、「公権力による人権侵害すべて
を積極的救済の対象とするのは相当ではない」(P16)と記されているが、障害者に対
する福祉サービスの利用と判定にかかわる行政処分(当事者にとっての不利益処分)等や
公的施設における差別・人権侵害・虐待等は、「積極的な救済」の対象とするべきであ
り、人権救済機関の立ち入り調査権限を明記するべきである。

5.[第6の2](人権救済機関の独立性)では、「政府からの一定の独立性が不可欠」と
しているが、問題はその独立性を具体的にどのように確保するべきかという点である。要
点として、人権救済機関の財政的独立性、委員の選任の公開性・透明性、委員構成の多元
性(障害者をはじめとする各種マイノリティからの選任)とジェンダー・バランスの確保
等が明記されるべきである。また、法務省の人権擁護局を改組して人権救済機関の事務局
とする場合が考えられるが、これでは政府から独立した人権救済機関の事務局機能を正し
く担えないことは明らかである。
 人権救済機関の事務局職員は、可能な限り、NGOなどからの人権問題に熱意のある人材
を採用するべきである。

6.[第6の2](人権救済機関の全国的な組織体制の在り方)では、中央人権委員会を設
置し、委員会事務局を中央と地方で整備するという考え方が示されているが、全国的組織
体制としては、地方人権委員会と中央人権委員会を併置し、地域の実情にかみあい密着し
た人権救済システムを整備することを前提に、中央と地方の役割分担を明記すべきであ
る。

7.[第6の3](人権擁護委員が人権救済に果たすべき役割)については、人権擁護委員
は従来のボランティアから有給化し、障害者がおかれている差別の実態や障害当事者の
ニーズが理解できる研修を経た見識豊かな人材を任命するべきである。

8.[第6の6](人権救済機関が他に所掌すべき事務)では、政府への「助言」を明記し
ているが、弱腰である。政府からの独立性を打ち出すのであれば、堂々と立法・行政・司
法機関に対して、対等な立場からの人権政策を「提言」できる役割を明記するべきであ
る。

(以上)
続けて、道路交通法に関するメイルを送ります。

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DPI障害者権利擁護センター
 所長 金 政玉(きむ・ぢょんおく)

〒101-0062
東京都千代田区神田駿河台3-2-11総評会館内
TEL 03-5297-4675(事務用)・03-5297-4676
FAX 03-5256-0414
E-mail dpi-kenriyogo@mbb.nifty.ne.jp
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◆DPI障害者権利擁護センターより(20021221)

こんにちは。DPI障害者権利擁護センターの金政玉(きむ・ぢょんおく)です。
はじめてメールを送らせていただきます。
以下の呼びかけをさせていただきます。ご検討下さい。

■人権擁護推進審議会が人権救済制度のあり方に関する「中間まとめ」を公表。
  ―多くのパブリックコメントを!―

 11月30日に公表された人権擁護推進審議会(法務省所轄)の「中間まとめ」(各報道機関でもとりあげています)の要旨(11月30日付・毎日新聞)は、
☆ 被害者の視点から、簡易・迅速で利用しやすく、柔軟な救済を可能とする裁判外紛争  処理の手法を中心に、最終的な紛争解決手段である司法的救済を補完し、従来くみ上げられなかったニーズに応える一般的、横断的な救済制度として位置付ける。
☆ @あらゆる人権侵害を対象とする総合的な相談、あっせん、指導等の手法による簡易な救済、A差別や虐待の被害者など自主的解決が困難な状況にある被害者の積極的救済を役割とする。
☆差別、虐待、公権力による人権侵害は調停、仲裁、勧告・公表、訴訟援助などの手法で積極的救済を図る。
 →メディアによる人権侵害のうち、マスメディアにより人権侵害はメディア側の自主規制による対応がまず図られるべきであり、第三者性や透明性の確保を含む自主規制の充実・強化を要望する。犯罪被害者など自らの人権を守ることが困難な状況にある人びとに対する報道によるプライバシー侵害や過剰な取材などは調停、仲裁、勧告・公表、訴訟援助により積極的救済を図る。インターネットの悪用による差別表現の流布などについては、関係省庁による検討状況も踏まえて、実効的な救済のあり方を引き続き検討する。
☆救済手段として→相談→あっせん、指導等→調停→仲裁→勧告・公表→訴訟援助(勧告・公表までの手法により救済が図られない場合)/特定の事案に関する強制的手法(被害者による訴訟提起が困難な場合等については、救済機関による命令・裁定や裁判所に差し止め命令の発布を求める制度も視野に入れ、引き続き検討)を整備する。
☆救済機関は法務局・地方法務局の人権擁護部門を改組することなどにより、人権侵害事案の調査や調停、仲裁等に当たる委員会事務局の地方における組織体制の整備を図る。
☆機関の委員選任は、国会の同意を要件とするなど国民の多様な意見を反映する方法を採用すべきであり、ジェンダーバランスにも配慮が必要。
 →専門性を有する職員の確保等、事務局の体制整備を図る。
 →人権擁護委員制度は、適任者確保の観点から改めて検討する。

 一見すると、「積極的救済」を強調し、独立した人権救済機関の新設を提言しています。しかし、具体論(救済手法、特定の事案に関する強制的手法、人権救済機関の委員選任または地方を含む組織体制、現行の人権擁護委員制度の見直しなど)になると、ほとんどが「引き続き検討する」にとどまっています。政府や地方行政からの救済機関の「独立性」についても、法的位置付けが不明なままであり、法務省人権擁護局の単なる「衣替え」に終わる可能性もあります。
 最終答申は、ピッチを上げて来年(2001年)の春から夏にかけて出されるのではないかと予想されています。
 新しい人権救済制度のあり方は、障害当事者運動において必要性が議論されている明確な権利規定または差別禁止規定を盛り込んだ障害者基本法の改正と、それを通じた障害者差別禁止法の制定を求める取組みにも大きな影響を与えるものであり、多くの個人・団体からパブリックコメントを送ることが大変重要となっています。
◆ パブリックコメントのあて先(募集期間:2000年11月29日〜2001年1月19日)
・ 法務省人権擁護局内「人権擁護推進審議会意見募集」係―電話03(3580)4111内線2696
・ 郵送:〒100―8977千代田区霞ヶ関1―1−1 FAX 03−3592−7084
・ ホームページ http://www.moj.go.jp/ (中間答申の全文が掲載されています)

◆下記に参考資料として、関連の報告記事(月刊「ビギン」12月号/発行:障害者総合情報ネットワーク)を紹介いたします。
■人権教育・啓発法が成立、しかし、これからが問題…
 前臨時国会(11月29日)において、人権教育及び人権啓発の推進に関する法律(以下、法律とする)が議員立法で成立した。昨年7月に人権擁護推進審議会から出された「教育・啓発に関する答申」では、同審議会を設置した人権擁護施策推進法の採択にあたり、衆参両院の附帯決議に明記された「人権擁護推進審議会の答申等については、最大限に尊重し、法的措置を含め必要な措置を講ずること」(96年12月)を無視し、「法的措置」は盛り込まれなかった。その後、同「答申」に対するパブリックコメントの募集による意見集約の結果、「法的措置」を求める意見が16,447件にのぼるなどの取組みが活発に行われる中で、本法律が成立したことには大きな意義がある。
 本法律(主務官庁は法務省)は、目的(第一条)、定義(第二条)、基本理念(第三条)、国の責務(第4条)、地方公共団体の責務(第五条)、国民の責務(第六条)、基本計画(第七条)等からなり、附則の「見直し」(第二条)に関しては、、「三年以内」が明記され、(人権擁護施策推進法に基づく)「人権が侵害された場合における被害者の救済に関する施策の充実に関する基本的事項についての人権擁護推進審議会の調査審議の結果も踏まえ、見直しを行うものとする」となっている。
 本法律の成立にあたって特に注目すべきことは、次の2点。@国に対して人権教育・啓発に関する「基本計画の策定」を義務づけていること、A衆議院段階で民主党・社民党が共同提案した法律案の「目的」(第一条)には、「社会的身分、門地、人種、信条、性別又は障害による不当な差別その他の人権侵害を解消すること…」とある。憲法の基本的人権に関する「法の下の平等」(第十四条)を引用した記述に、はじめて「障害」の文言を入れることを衆議院法制局が認めたことは、今後の取組みにも大きな意味をもつことになる。
(以上)

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DPI障害者権利擁護センター
 所長 金 政玉(きむ・ぢょんおく)

〒101-0062
東京都千代田区神田駿河台3-2-11総評会館内
TEL 03-5297-4675(事務用)・03-5297-4676
FAX 03-5256-0414
E-mail dpi-kenriyogo@mbb.nifty.ne.jp
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