HOME > 全文掲載 >

「公平委員会傍聴人取締規則における欠格条項の撤廃を求める要望書」

障害者欠格条項をなくす会 2000/09/14

last update: 20160122


                           2000年9月14日
自治大臣
西 田   司   様

                   障害者欠格条項をなくす会
                        共同代表  牧口 一二
                              大熊 由紀子

                   DPI(障害者インターナショナル)
                       日本会議議長 山田 昭義

                   全国自立生活センター協議会(JIL)
                           代表 樋口 恵子

公平委員会傍聴人取締規則における欠格条項の撤廃を求める要望書

 障害者欠格条項をなくす会は、障害種別・立場をこえて、障害を理由とした欠格条項(資格制限)撤廃を目的に、昨年5月に結成した全国組織です。現在進行中の「欠格条項見直し−法改正」に、障害者自身の体験・智恵、海外の先例などを反映させるよう、取り組んでいます。
 DPI(障害者インターナショナル)は、障害者の完全参加と平等、人権確立を目指して活動している国際組織で、国連経済社会理事会、WHO、ILOなどの国連諸機関での諮問団体として位置づけられており、国連総会のオブザーバー資格を有してる団体としてさまざまな活動を展開しております。DPI日本会議では、「誰もが使える交通機関を求める全国交通行動」を呼びかけ、毎年全国30ヶ所のべ3000人を超える、文字どおりの大行動を作り出してきました。この行動は、鉄道駅舎のエレベーター整備指針策定やノンステップバスの運行、路線バス付き添い乗車通達の見直しなど、交通機関のアクセス改善の気運を高め、このたびの「交通バリアフリー法」制定に際し大きな影響をもたらしました。また、まちづくりの分野でも、全国各地で「福祉のまちづくり条例」制定運動に取り組んでいます。
 全国自立生活センター協議会は、介助を必要とする人たちも、親元という庇護の場でなく、施設という管理された場でもなく、自分の選んだ地域で生活できるよう支援している自立生活センターが集まってつくっている組織です。全国で90団体が加盟しています。自立生活プログラム、介助者派遣サービス、ピア・カウンセリング、移送介助などのサービス提供と権利擁護などの活動を、障害当事者の立場から行っています。
 私たち3団体は、障害者に対する不当な欠格条項の撤廃に向けて取組みを進めています。
 貴省が所管している地方自治体の「公平委員会傍聴人取締規則」における傍聴人の除外規定について、以下、問題点の指摘と私たちの要望を述べさせていただきます。

(1)昨年8月、周知のように障害者団体等からの欠格条項撤廃を求める声を受けて、総理府障害者施策推進本部において「障害者に係る欠格条項の見直しについて」(以下、対処方針)が決定されて以後、各関係省庁では「対処方針」に基づく見直しの検討が行われています。
 障害者に係る欠格条項とは、「免許・資格又は業の許可等に当たり、当該業務又は行為を行うために必要と認められる知識・技能の他に身体又は精神の障害を理由として、免許・資格、許可を与えず又は行為を禁止することを定めた規定等」(総理府障害者施策推進本部)をいいます。
こうした用語規定に基づいて、総理府が示している「障害者に係る欠格条項の見直し」の課題の一つに障害を理由とする「公的施設の利用制限」があります。 

(2)この間、私たちの取り組みとして、地方自治体の条例及びその施行規則等における障害者の公的施設の利用制限の実態に関する調査を行ってきました。その結果、公的施設の入場・利用または地方議会や公的委員会等の傍聴に関して、とりわけ精神障害者に対しては、その対象から除外する差別規定が多く存置されていることが判明致しました。(別紙参照)
 現在においても自治大臣官房文書課監修の「市町村例規準則集」に掲載されている「公平委員会傍聴人取締規則[市の事例]」の第2条には、「次の各号の一に該当すると認められる者は傍聴席に入ることができない」として、「(1)精神異常者」という規定がされています。
 私たちが行ったこれらの調査結果の内、教育委員会、公平委員会または地方議会の傍聴に関する差別規定は、この「公平委員会傍聴人取締規則」第2条の当該規定に準じたものであることは明らかです。

(3)この「公平委員会傍聴人取締規則」第2条の精神障害者に対する差別規定は、何らの合理的理由もなく、精神障害者に対する危険視を前提としたものであり、精神障害者に対する不当な差別観と偏見をますます助長することにつながると言わなければなりません。また、総理府障害者施策推進本部の照会に応じて各関係省庁から上げられてきた欠格条項を規定している法令の中に、「公平委員会傍聴人取締規則」第2条の当該規定が入っていないことは、欠格条項問題に対する基本認識を貴省がもっていないことの結果であるとも言えます。

(4)地方自治体の条例で、公的施設の利用などを障害を理由に制限することは、「障害者の自立と社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動への参加を促進することを目的とする」という障害者基本法(1993年)の趣旨ともまったく相いれません。
 障害者プラン〜ノーマライゼーション七ヶ年戦略〜(1995年)では、「心のバリアを取り除く」ことがうたわれ、「障害者に対する差別や偏見を助長するような用語、資格制度における欠格条項の扱いの見直しを行う」、さらに「各種資格制度における精神障害者の欠格条項の見直しを推進する」と述べられています。
 また、1988年以降から今日に至る「精神保健福祉法」の改正では、「精神障害者の人権擁護の徹底」「社会復帰の促進、特に地域における精神障害者の生活支援の体制整備の必要性」という基本的考え方から検討が行われています。
 「公平委員会傍聴人取締規則」第2条の差別規定は、こうした障害者基本法及び「障害者プラン」並びに「精神保健福祉法」の基本的考え方に逆行することは明白です。

 以上の理由から、私たちは、貴省が「公平委員会傍聴人取締規則」第2条の差別規定を現在まで存置しつづけてきたことに対する反省を明確にし、同差別規定を速やかに撤廃することを強く要望致します。

以上


REV: 20160122
欠格条項 全文掲載
TOP HOME (http://www.arsvi.com)