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21世紀の特殊教育の在り方に関する調査研究協力者会議(第1回議事要旨)




◆井上さんより

21世紀の特殊教育の在り方に関する調査研究協力者会議(第1回議事要旨)

文部省ホームページで以下の議事録が公開されました。

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/006/gijiroku/000601.htm

調査研究協力者会議等 2000/6 議事録

21世紀の特殊教育の在り方に関する調査研究協力者会議(第1回議事要旨)

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21世紀の特殊教育の在り方に関する調査研究協力者会議(第1回)議事要旨

1.日時 平成12年6月6日(水)10:00〜13:00
 
2.場所 文部省別館504会議室
 
3.出席者

(協力者)安彦(忠)、安彦(ひ)、飯田、池田、岩上、上野、大南、河合、
小森、瀬尾、高、高木、中野、西嶋、野崎、細村、三浦、三上、宮崎、村田の各氏

(文部省)佐藤事務次官、玉井審議官、徳重高等学校課長、徳久中学校課長、
小松幼稚園課長、池原特殊教育課長、鈴木視学官、今井特殊教育企画官、吉富
特殊教育課課長補佐ほか関係官
 
4.議事内容

(1)佐藤文部事務次官から挨拶があった。

(2)出席者紹介の後、推薦により河合氏を座長に、細村氏を副座長に決定し
た。

(3)事務局より、議事等の扱いについて諮られ、会議及び議事録の非公開、
議事要旨の公開が決定された。

(4)事務局から配付資料の説明があった。

(5)事務局から「我が国の特殊教育の現状と課題について」及び中野氏から
「特殊教育の国際的動向と国際的にみた我が国の特殊教育の課題」につ
いて説明の後、フリートーキングが行われた。主な意見は以下のとおり。

○ 障害のある子どもについては、欧米では、就学前の早期からの教育相談を
行うなど教育の分野でも対応しているが、日本では福祉が対応している現状
がある。今後、教育の分野でも積極的に対応を検討していくことが必要であ
る。

○ 「特殊教育」という用語に違和感がある。また、特別な配慮を必要とする
子どもたちに特別な場を設けて教育を行わなくてはならないのだろうか。

○ 例えばアメリカでは、年令の低いときには特別な場を必要とせず、年令が
高くなるにつれて特別な場が必要となるといった意見もあるようで、各国に
よって様々な見解があると思われる。

○ 教育をする側が就学先の決定をすべて決定していくという流れではなく、
特別な配慮を必要とする子どもや保護者も含めて場を決定するべきではない
かと思う。また、21世紀の特殊教育の在り方を考えるには、特別支援教育
をどう考えるのか、本人や保護者の意思による就学システムの在り方につい
て検討すべき。

○ 障害児の就学先の決定にあたっては、実際には教育委員会で保護者と充分
話し合った上で決定している。

○ 就学後の指導の在り方について考えていきたい。

○ 就学に当たっての本人や保護者の判断を家庭で育むことが大切と考える。

○ 保護者の選択は現実には周りを見ての選択であって、我が子を見た選択に
なっていないように思う。

○ 今まで行ってきた日本の特殊教育のノウハウは素晴らしいものがある。教
育のレベル、教員の資質も高いと思う。それを通常の学級に在籍する様々な
問題を持っている子供のために活かしていくことが今後の課題であると思う。

○ 障害のある児童生徒が通常の学級に在籍している実態を踏まえ、人的・物
的な条件整備をお願いしたい。

○ アメリカやイギリスでは全体の10〜20%の特別な教育ニーズを持つ子
供に対応している。今後、一人一人にあった適切な教育の支援の在り方が問
われてきていると思う。

○ 教育の問題は国の政治・経済と密接に関連しており、ヨーロッパ等の教育
システムが直ちに日本で適用することは考えられないと思う。

○ ノーマライゼーションの実現は望ましいが、そのために必要な施設設備や
教員など具体的な方策をよく考える必要がある。

○ 今後、少子化が進む中で、盲学校等で一学級当たりの児童生徒の数が少な
くなることが予想されるが、そのような状況での学校教育の在り方について
検討する必要がある。

○ 各国の特殊教育の状況を見ると、理念、解釈には相当な違いがある。また、
我が国の特殊教育についても誤解を受けている部分もある。実態を調べて検
討する必要がある。

○ 就学指導の在り方の改善が一番大きな課題であると思う。保護者のニーズ
の多様化、子どもの障害の重度・重複化、多様化にどう応えていくか、相談
体制のスタッフの充実も含めて教育相談体制の改善・充実が必要である。

○ 子どもの一生涯を考えると卒業後のことも重要である。社会に出た時に学
校での教育がどう活かされるかが大切である。

○ 理念の問題も大切であるが、基本は一人一人の子どもにとって何が幸せで
あるかということだと思う。最終的にその子どもが自立できるために一番適
した教育という方向で考えることが重要であり、年令が上がるに従い一般の
人達との交流を深めて社会に参加していくという方向性が大事である。

○ 特殊教育の名称の問題、交流教育とインクルージョンとの関係、重度・重
複の概念規定と医療的ケアの関係等解決しなくてはならない課題がある。

○ 最終的に問われることは教員の資質であると思う。また、通常学級に在籍
する障害児への対応については、市町村によって扱いに差が出ているのが現
状である。

○ 盲・聾・養護学校は地域の特殊教育のセンター的役割が必要である。

○ 特別なニーズのある子どもの教育を考えることは、そうでない子どもたち
にとっても大変良い影響を与えるという発想も重要である。また、特別な配
慮が必要な子どもを特別の場で隔離して行うのではなく、地域社会の一員と
して当たり前に暮らせる方向性を探るという視点から考えることが必要であ
る。

○ 特殊教育の現状をもどかしく感じている人は多いと思うが、20年のスパ
ンで考えると大きく変わってきている。


UP: REV:20090101
障害者と教育  ◇全文掲載
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