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本人決議

第48回全日本育成会全国大会(北海道大会)本人部会参加者一同
1999年8月1日

last update: 20151221


(決定にさんかすること)
1、わたしたちのことは、わたしたちをまじえてきめてほしい。
(情報提供について)
2、もっと多くの情報を提供してほしい。「あなたたちに必要ない」と勝手にき
められてはこまる。必要かどうかを決めるのは、わたしたちである。
そして、わたしたちが、わからないことをきいたときにわかりやすく説明しても
らいたい。
3、法務省と厚生省は、成年後見制度や権利擁護制度について、わたしたちがわ
かるようにくわしく説明してほしい。
(年金について)
4、自分たちのお金なのに知らないことが多い。年金はわたしたちが独立するた
めのお金だ。
親や入所施設は年金を勝手につかってはいけない。
5、普通の生活ができるように年金をあげてほしい。
(療育手帳について)
6、手帳の使い方がよくわからない。自分たちによくわかるようにしてほしい。

7、手帳はコンパクトに、カード型にしてほしい。
(障害の重い人のことについて)
8、障害の重い人も、人として扱われるべきだ。
9、障害の重い人の生活が、親の考え方で変わるのはおかしい。
10、わたしたちは、どんなに障害が重くてもいろいろなたすけをかりて地域で生
活をしたいと思っている。
11、障害の重い人も会社で働けるようにしてほしい。働けない場合、作業所で働
けるので作業所をもっとふやしてほしい。
12、親がわが子を地域に安心して住まわせるような社会にしてほしい。
(支援について)
13、支援者は、本人のできないところを支援し、できることまで支援をしすぎな
いようにしてほしい。支援をされすぎると自信をなくす。
14、支援をするときは、本人とはなしあってからきめてほしい。
15、生活支援者も本人も同じ人間だ。教師や施設職員の暴力はぜったい許さな
い。
(生活について)
16、グループホームを出ても暮らせるように家賃補助やホームヘルパーなどの援
助がほしい。
17、わたしたちが結婚することについてまえむきに考え、結婚生活や子育てにつ
いて適切な支援をしてほしい。
18、大人になってからも、勉強する機会がほしい。
(出生前診断)
19、おなかのなかのあかちゃんの障害がわかると生まれないようにする出生前診
断をやめてほしい。わたしたちは「障害者は社会からいなくなればよい」という
考え方に反対する。
その考えは、障害者をいためつける。
(わたしたちの運動について)
20、わたしたちが話し合い自分たちの問題を解決しようとする「本人活動」を応
援してほしい。そして、その声が親や援助者だけのとどまらず、政府や社会に
も、届くように協力してほしい。
これらの要望が実現されていくためにわたしたちは運動していきます。この決議
文をよんだ本人の会は、要望が親の会や行政にうけとめられるよう働きかけてく
ださい。また、わたしたちといっしょに援助や制度を改善しようとする人や団体
はぜひ連絡してください。連絡先は、全日本育成会本人部会運営委員会
(03-3431-0668)です。

1999年8月1日
第48回全日本育成会全国大会(北海道大会)本人部会参加者一同

……

以下,全日本育成会事務局より


 7月31日から8月1日まで、当会主催の全国大会が札幌で行われました。例年、知的障害のある本人たちもたくさん参加し、親の会合とは別に「本人部会」の会議を進行しております。そして、今年は20の項目が知的障害のある人たちの願い・要望として決議されました。
 現在、こういった全国大会本人部会の進行を考えたり、全国の本人活動のことを考える本人の「運営委員」も募集しておりますので、興味のある方はikuseikai@pop06.odn.ne.jpまでご連絡ください。募集の案内などお送りします。

◇英語版:Resolutions from Self Advocates' Meeting at the 48th National Convention of Inclusion Japan


UP:1999 REV:20080803
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