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「平成11年2月3日の暴力事件に関する報告書」


last update: 20151221


     平成11年2月3日の暴力事件に関する報告書
                         作業指導員  西川登子

 職員××××氏の園生××××さんに対する2月3日の暴力事件について、私が見た
り聞いたりして知っている事実を報告いたします。
                                       
1.2月3日午前9時から作業班の仕事が開始しました。私は粘土班です。××氏は創
 作班として、当日園生は3人(××さん、××さん、××さん)をヘルプの職員(非
 常勤)鈴木さんと2人で開始しました。この日は園庭で廃品回収の整理をしていまし
 た。
 
2.10時30分頃、学園に出入りする業者・興建土業の久保田氏がちょっと用事で園
 に来られました。××さんは久保田氏とはかねてから顔見知りであることもあって、
 久保田氏に親しみをもってふざけるような行為をしました。ところがそれを見た××
 氏は、いつものことですが強い口調で××さんに〈どうしてそんなことをするんだ〉
 とどなりつけ、そして両手で××さんの体を押さえつけるようにして叱りました。そ
 の××氏のやり方に職員の鈴木さん、営繕の職員の北垣さんはびっくりしています。
 それから××氏は怒った調子で××さんを体育館の方につれて行きました。××氏は
 園生とよくトラブルがある人で、そのたびに他の職員の目の届かないところに園生を
 つれて行ったりしてきています。
 
3.11時30分頃 
  それまで××氏と××さんの2人は体育館にいたようですが、ヘルプの職員鈴木さ
 んら園生は園庭にいましたので、中の様子はよく見ていません。ところが11時30
 分頃、私が作業棟の1階で粘土班の作業指導をしていたところ、突然××氏が××さ
 んをつれて作業棟の入り口に入ってきました。2人はすぐに2階の創作班の部屋に行
 くため階段を昇ろうとしましたが、××さんが階段を昇るのをイヤがり、寝っころが
 って抵抗しているのを××氏がどなりつけていました。1階の私のところからはその
 様子がよく見えました。××さんが〈痛い!〉といっているのを××氏が無理矢理ひ
 きずるようにして2階につれて行きました。私はまた暴力か何かされるのかと不安に
 なりましたが、これまでの××氏の挑戦的な言動を思って不安になり、動きませんで
 した。
 
4.暴力行為。11時30分すぎ。2階の紙すき室。
  ××氏と××さんが2階に昇っていって1、2分後、突然ものすごい音、それも周
 囲の物を強くたたき、けりつけたりとびちるような響きとゆれが聞こえました。本当
 にバタバタ、ドタン、バキッというような音です。それと同時に××さんの悲鳴、そ
 れもイヤー、痛いというような叫びが聞こえました。私はそれを1階粘土室のトイレ
 の前で聞きましたが、それらの暴行はちょうどその真上の2階にあたる紙すき室のあ
 たりでおこっていました。私は驚いてすぐに作業班主任の森田さん(男性)に〈すぐ
 行ってみよう〉と声をかけました。森田さんは椅子に座っていましたが、不安そうな
 顔をしながら〈様子をみよう〉と答えました。森田さんは作業班主任でしたが、これ
 まで××氏や××氏からさんざん反発され、イヤがらせを受けていました。ひどい時
 にはえり首を握られるなどの暴力を受けたりもしてきていました。そんなこともあっ
 て、私からの〈行ってみよう〉という誘いに××氏との対立がわかっていましので、
 事態を静観したものと思います。
  11時40分頃、××氏と同じ創作班の××氏がすぐに2階の××氏のところへか
 け昇っていきました。2人はいつも一緒に行動している関係にあります。
  その××氏の暴行によって、紙すき室の2枚のドアがはずれてしまっています。そ
 のドアは容易にはずれるようなものではありません。
 
5.その後、昼食の時間になりましたので、園生たちは食堂に入りました。私は作業棟
 の1階の粘土班の人たちと食堂に行きました。11時45分頃でしたが、××氏が×
 ×さん以外の創作班の2名の人をつれて食堂にきましたが、××氏と××さんの2人
 だけはきませんでした。そしてみんなの食事が終わりがけの頃、12時15分頃、×
 ×さんそして××氏が食堂に現れました。私は心配していましたので、食堂に入って
 くるなり、××さんの顔にバンドエイドがはってあったりその周囲に血がにじんでい
 ましたので、驚いて〈どうしたの〉と声をかけました。そうすると××さんは、顔は
 興奮したように赤みがかかり、眼は泣きはらしたようにはれていて、ブスッとした暗
 い調子でいきなり「私がやったの、私がやったの、私がやったの」と繰り返して答え
 ました。〈どうしたの〉と聞いたのに〈私がやったの〉という答えは本当に不自然な
 やりとりで、「おかしい、××氏が暴力をふるったな」と気づきました。××さんは
 どちらかというとのびのびとした人で、いたずら好きで人なつっこい人なのです。話
 す会話などは十分できる人です。私が××さんに言葉をかけている時、××氏はすで
 に食堂に入っていた××氏と目を合わせて目くばせをしていました。それをみて私は
 この2人の様子に不快な思いがしました。食堂の椅子に座った時、手にもバンドエイ
 ドをはっていることを知りました。
  私はこの日の朝9時頃、作業班みんなが集合した時、××さんと会っています。そ
 んなケガはありませんでした。明らかに××氏が××さんに対して10時30分頃、
 あのすごい音や悲鳴が聞こえた時に暴力をはたらいたことに間違いありません。その
 暴力は××さんの悲鳴や紙すき室のドアがはずれるような強いものであったといえま
 す。
 
6.この昼食の食堂で、私の他にいずみ寮の職員嶋田さん、同多田羅さんらも心配にな
 り、××さんに話しかけたりしてそのキズの状態をみています。嶋田さんは××さん
 に「一緒に食べよう、おいで」「一緒にすわろう」と誘っていますが、××さんはう
 つむいて嶋田さんをさけるように「いいの、いいの」と言って事態を知られることを
 おそれていました。また同じ寮の職員多田羅さんが寮から病人食を食堂にとりにきた
 時、食事をする××さんとやりとりをしています。職員多田羅さんは、すでに鈴木さ
 んから××さんが××氏から体罰やせっかんを受けていることを聞かされていました
 ので、心配してのことでした。××さんは「のり巻き」を食べていましたが、その「
 のり巻き」には血がついていました。口の中が切れて口の中で血がでているというこ
 とを知らされています。多田羅さんは心配になり〈どうしたの〉と聞いていますが、
 ××さんは嶋田さんと同じように「いいの」といって説明していません。「いいの、
 いいの」といいながら顔は泣いていたとのことです。
 
7.あとでわかったことですが、××さんは××氏から、もし自分が暴力を受けたこと
 を園長先生や職員の先生たちにしゃべったら創作班をやめさせるとか、許さないとい
 われて、強く口止めをされていました。本当に卑劣なことをするものだと思います。


                               以上   。



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