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「『胎児条項』認める見解――母性保護医会・法制委 多胎減数手術も」

朝日新聞 1999/02/28

last update: 20151221


◆朝日新聞 1999年2月28日
「胎児条項」認める見解――母性保護医会・法制委 多胎減数手術も

 産婦人科医でつくる日本母性保護産婦人科医会(略称・日母、坂元正一会長、会員
数約1万3000人)の法制検討委員会は27日、不妊手術や人工妊娠中絶について
定めた母体保護法の改正問題に関する見解を盛り込んだ報告をまとめた。同法の改正
点として、(1)不治または致死的な疾患のある胎児の中絶を容認する、いわゆる
「胎児条項」を設ける(2)妊娠12週未満の中絶について女性の自己決定権を認め
る(3)不妊治療に伴って多胎妊娠となった場合に一部の胎児を消滅させる減数手術
を認める――などを挙げている。産婦人科医団体の内部委員会とはいえ、生殖医療全
般について厚生省の審議会で議論が続いている中、「胎児条項」の容認まで踏み込ん
だ見解をまとめたことは論議を呼びそうだ。
 法制検討委員会は、一部の医師が減数手術の実施を公表して社会問題化したことを
きっかけに、4年間にわたって検討を重ねてきた。同委員会は議決機関である代議員
会に来月末、報告する。
 「胎児条項」を必要とする理由について、(1)重い疾患のある胎児の中絶は母親
の幸福追求権の範ちゅうに入る(2)重い疾患や障害のある胎児を中絶する場合に、
いつまでも経済的理由という名目に依存して手術を行うべきではない――などの見解
を示している。
 同委員会は「自己の生殖をコントロールし、子どもを持つかどうか、いつ何人産む
かは女性が自由に決定できることが必要」とする基本認識に立ち、女性の権利として
中絶を認める妊娠週数を検討。海外の例や中絶手術の安全性の面から、「12週未満
が妥当」とした。未成年者を除き、女性本人の同意だけで中絶できるとの意見が多数
を占めた。
 水面下で行われているとされる多胎減数手術は、薬物の注入で行う方法が一般的に
なっている。日母はこれまで「注入法は母体保護法で定める中絶手術と異なるので、
法的に可能という解釈がない限り、会員の減数手術は禁止」とする立場をとってき
た。
 しかし、排卵誘発剤による多胎妊娠を防止することはできないことなどから、減数
手術を認め、報告を義務付けるなどルールに沿った実施の方向を打ち出した。具体的
には、現行の母体保護法が定める中絶の定義に、「母体内における胎児の消滅」とい
う表現を盛り込むことを求めている。

◆朝日新聞 1999年2月28日(速報欄)
母性保護医会が多胎児減数手術認める見解
 産婦人科医でつくる日本母性保護産婦人科医会(略称・日母、坂元正一会長、会員
数約1万3000人)の法制検討委員会は27日、不妊手術や人工妊娠中絶について
定めた母体保護法の改正問題に関する見解を盛り込んだ報告をまとめた。同法の改正
点として、(1)不治または致死的な疾患のある胎児の中絶を容認する、いわゆる
「胎児条項」を設ける(2)妊娠12週未満の中絶について女性の自己決定権を認め
る(3)不妊治療に伴って多胎妊娠となった場合に一部の胎児を消滅させる減数手術
を認める――などを挙げている。産婦人科医団体の内部委員会とはいえ、生殖医療全
般について厚生省の審議会で議論が続いている中、「胎児条項」の容認まで踏み込ん
だ見解をまとめたことは論議を呼びそうだ。
 法制検討委員会は、一部の医師が減数手術の実施を公表して社会問題化したことを
きっかけに、4年間にわたって検討を重ねてきた。同委員会は議決機関である代議員
会に来月末、報告する。
 「胎児条項」を必要とする理由について、(1)重い疾患のある胎児の中絶は母親
の幸福追求権の範ちゅうに入る(2)重い疾患や障害のある胎児を中絶する場合に、
いつまでも経済的理由という名目に依存して手術を行うべきではない――などの見解
を示している。
 同委員会は「自己の生殖をコントロールし、子どもを持つかどうか、いつ何人産む
かは女性が自由に決定できることが必要」とする基本認識に立ち、女性の権利として
中絶を認める妊娠週数を検討。海外の例や中絶手術の安全性の面から、「12週未満
とするのが妥当」とした。未成年者を除き、女性本人の同意だけで中絶できるとの意
見が多数を占めた。


REV: 20151221
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