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『マンガの中の障害者たち』の紹介

亀井伸孝
19980804

last update: 20151221


永井哲『マンガの中の障害者たち』
解放出版社、1998年

マンガにはいろいろな形で障害者が登場することがあります。本書は、聴覚
・言語障害を中心として、障害者の登場するマンガを多数集め、その障害者
たちの描かれ方を分析した労作です。

差別を生み出すもとは色々ありますが、その中の大きな一つとして、得体の
知れない「障害者観」が頑なに存在し続け壁を作っていること、があげられ
ると思います。本書では、メディアとして非常に大きな力を持つに至ったマ
ンガの読み込みを通して、社会の中の「障害者観」を的確に浮き彫りにして
います。また、各種マンガへの批判や賛辞を通して、著者の目指す、差別の
無い社会への希望が浮かび上がってくるように感じられます。

皆さんにぜひ手に取ってみてほしい一冊です。なお、今週の読売新聞の書評
欄でも取り上げられています。

亀井伸孝@京都



障害(者)・と・メディア・芸術  ◇亀井伸孝
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