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人権と障害者(3)表21


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last update: 20151220


表21 活字に対する代替的形態によるアクセスに関する著作権規定の概観                    
 国  名 出版物を代替的形態で複製する際、著作権者の事前又は事後の許諾は法的に必要か   根拠条項    
カナダ 事前にも事後にも許諾の必要はない。知覚障害をもつ者の必要に応じた形態で複製を作ることができる。   1997年4月の立法による    
ニュージーランド print disabilityのために文芸的又は演劇的著作を点字その他の形態に変更することは、一定の条件下では著作権の侵害にならない。   1995年修正の著作権法による。    
アメリカ 出版された非演劇的文芸作品のコピー又は録音物を特殊な形態で複製し頒布することは、それが専ら盲人ないしは他の身体障害者のためであれば著作権の侵害にならない。   1996年の著作権法への第121条追加による。    
デンマーク デンマーク国立盲人図書館及び他の類似の組織は、事前の問い合わせなしに出版された著作を点訳及び録音する許可が与えられている。   1995年の著作権法    
フィンランド 著作権者の許諾なしに視覚障害者のために出版物の点字、大活字又はディスクによるコピーを作成することができる。   1995年の著作権法第17条    
ノルウェー 文学的、科学的又は音楽的著作を、視覚障害者のために活字や他の電子的手段で作成することは合法的である。著者の事前の合意は不要であり、代償金も必要ない。これは大活字に対しても適用される。   1961年の著作権法(技術の進歩に合わせて1988、1995の両年に改正)第17条    
スウェーデン 誰でも文芸的出版物を点字にすることができる。録音及びそのコピーは認可された図書館(地方の図書館を含む)又は組織が、視覚障害者ないし「書かれたものを理解できない」人々に貸出すために行うことができる。録音製作者は録音されたもののタイトル、数及び録音時間を著作家連盟に報告し、連盟は政府に代償金を請求する。   著作権法第17条(1976年改正で他のprint disabled peopleにも適用されることになった)    
スペイン 視覚障害者のための中心的機関であるONCEは、1938年以来点訳本あるいは録音物の製作にあたり代償金は払っていない。   1987年の著作権法第31条および第37条でそれぞれ非商業的複製と図書館における研究目的の複製が著者の許諾不要となっているのが裏付けとなっている。    
ポルトガル 視覚障害者のために行われる点字及びその他のメディアへの通知もしくは許諾なしでの変換は、法によって認められている。        
オーストラリア 「障害を有する読者を援助する施設における著作物のコピーの作成」についての条項があるが、これは研究資料に関するものであり、娯楽読み物の分野では個々の許諾か自発的な認可が必要である。   (著作権法第53条)    
オーストリア オーストリア著作権法に障害者についての特別な条項はない。        
ベルギー この点についての法律はない。盲人のための図書館と出版社の間にある「暗黙の合意」で、書籍は点字、大活字、音声形態にすることが可能である。        
フランス 法には盲人や弱視者に関しての条項はない。1997年にパリを訪れた国際図書館連盟盲人図書館部の幹部は、盲人のための資料の形態変更にあたってその製作者は個々に許諾を得る交渉をしなければならないことに印象づけられた。        
ドイツ 法は著作権法の例外を拒否することを表明しているので、盲人のために点訳や録音をすることに対してもとくに例外は設けていない。        
アイルランド 法は許諾なしでのいかなる複製も著作権の侵害であると簡潔に述べており、点字、テープ、大活字や他の形態への変換については述べるところがない。何人もこのような変換を行う者は著作権者の許諾を求めなければならない。伝統としてこのような許諾は一般に無料で与えられる。        
イタリア イタリアの著作権法は盲人や彼らのための点字や録音に対して例外を与えることを明示していない。現状は寛容によると言える。録音図書の始めにこの本は盲人専用のものであるという言葉が入っているが、これは用心のためであり法的義務ではない。        
オランダ オランダの著作権法は著作権者に対しすべての複製に対する絶対的排他的権利を与えており、盲人や弱視者に対して特別な権利を与えてはいない。点訳や録音の場合通常事前の許諾を要する。視覚障害者に例外を認めた条項が一つだけあり、オランダ盲人と弱視者のための図書館財団によって維持されている図書館はその蔵書の「貸出し料」を免除されている。   (著作権法第19条c)    
南アフリカ 文芸作品についての許諾は必要であるが無料である。著作権法に許容条項はあるが、南アフリカの盲人図書館等は今でもすべての著作について許諾を求めるよう義務づけられている。   (著作権法2項13条)    
イギリス 1988年の著作権、意匠及び特許法はいかなる特殊形態についても触れていない。資料を代替的な形態で制作するための唯一の法的な方法は、少量の複製を「公正使用」の概念のもとで行うかあるいは著作権者の許諾を得ることである。        
           
(注)王立全国盲人研究所による1997年のアンケートを集約したレポート(3)による。
 本条の追加に際しては「以前は議会図書館等の組織は個々の著作権者より許諾を得なければならなかったので、様々な形態の資料にアクセスするには時間がかかった。この条文は障害をもつ人々のフル・インクルージョンを達成する助けとなろう」というクリントン大統領の声明があった(4)    


REV: 20151220
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